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屋上の特別感

突然ですが、人生で屋上に行く機会って少なくありませんか?

漫画ではよく学校の屋上が解放されていて、みんなそこで昼御飯を食べていたり、不良や特殊能力者がバトっていたりしますが、現実には基本的にはずっと施錠されていて、先生の許可なしには行けない。

自分の記憶だと、小学校で屋上にあがったことがあるのは2回だけ。そのうちのひとつは理科の授業のなにかの実験のとき。もうひとつは、遠足が雨天で中止になったとき。

朝は悪天候だったものの、午後に近づくにつれてだんだん晴れ間が広がってきて、せめてもの非現実感を児童に味わってもらうために、先生が特別に、屋上で弁当を食べることを許可してくれたのです。

当時はあんまり実感がなかったのですが、いま考えればなかなか粋ですね。まあPTAから賛否両論ありそうではあるんだけど。

漫画みたいなことが実現したということで、自分もそこそこテンションが上がったような気がします。太陽が近いところで食べる弁当はうまい!うまい!と。

もちろん当時は煉獄さんは吾峠呼世晴先生の脳内にすら存在しなかったと思いますが、うまい!うまい!だった。たぶん。

屋上といえばもうひとつ思い当たるのが遊園地でして、かつて大阪の阪神百貨店の最上階の一帯は遊園地でした。他にもいくつかの屋上遊園地に連れていってもらった記憶があるのですが、今やそのほとんどが潰れてしまいました。

その理由についてあんまりほじくると、大阪湾の近くに住むニヤケ顔の黄色い生物が大量にやってきて襲われそうなのでやめます。僕はケビン推しです。

数年前に訪れた徳島駅前のそごうなんかはかなり頑張っていらしたようだけど、昨年に閉店。

目の前にそびえ立つ眉山が見えて素敵なところだったのですが。写真を撮っておけば良かった。

未だに『らんま1/2』のアーケードゲームの筐体が現役だったの、なかなか熱かったな。あの日産エスカルゴのゴーカートとかも撤去されるのかなあ。なぜかゴーカートが兵庫ナンバーだったなあ。

ともあれ、空が近い場所で遊ぶというのは、不思議な解放感がありまして、幼少時にそういう体験ができたというのは貴重だとは思います。

もう在りし日にしか存在し得ない風景となってしまったのだろうか……、と、とぼとぼと地元の商業施設で年末の買い出しをしながら考えていたところ、そういえばここ、屋上があったなあ、と。

エレベーターでしか行けない構造になっているので、ふだんエスカレーターか階段しか使わない自分は、もう20年ちかくご無沙汰だったのですが、ひさしぶりに見て驚いた。

ここ、自分が子供の頃からなんも変わってねえ。あふれる昭和末期~平成初期テイスト。

ワニワニパニックとかカニさんのクレーンに電源が入っているというだけでもう凄い。なんか感動した。末永く営業していただきたい限り。

やはり屋上は良いなあと、その後、ここから徒歩2分のスーパー銭湯の屋上の露天風呂の打たせ湯に肩を叩かれながら2020年を終えました。

関西でも緊急事態宣言が出そうな気配ですし、今年も例のアレと対峙せざるを得ない状況ですが、よろしくお願いいたします。

サウナはたのしい。