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広がる梅田ダンジョン

JR大阪駅の周辺には、梅田ダンジョンと呼ばれる巨大な地下街があります。

そこに初めて挑んだ者の3人にひとりは出られなくなってしまうという、非常に恐ろしい魔窟なのですが、去る3月18日、この魔窟がさらに延伸しまして、うめきた新駅(通称)なる新たなる隠しステージが一般開放されました。

隠しステージというのはあながち冗談ではなく、このエリアだけ他の路線からかなり離れています。

スーパーマリオブラザーズの1-2面で、エレベーターで上部のブロックまで行き、ブロックの上を伝って歩いていくと先のステージにワープできるような感じ……、たとえが古すぎる上に、全然わかりやすくないな……。

かつては梅田のオフィスビル街へと続く通路だったところが整備され、ソフマップなどの店舗があったのが一掃されて、これまで存在しなかった大阪駅の西口がいつのまにかできていました。

10年くらい前は営業でここをよく通っていたものの、それ以降も大阪駅に来たことは何億回もあるのにこちら側を訪れることはなかったので、もはや浦島太郎状態。

つまりは大阪駅の面積そのものが広がったということなのですが、いま工事中のハービスOSAKAの向かい側あたりも、いずれは大阪駅が吸収するのだろうか……。セルのごとく周囲を呑み込んでは巨大化していくのか……。

恐ろしい。いずれは大阪市をまるごと、吹田や豊中あたりも支配され、バビロンが形成されていくのだろう。堺は強そうなので吸収されなさそう。

それはともかくとして梅田ダンジョンですが、最も乗り換えの難易度が低いのはおそらく大阪メトロの御堂筋線で、とりあえずいちばんでかい改札の中央口を出て、人がいちばん多い方角に歩けば、なんか地下に続く階段が見えてくるはずで、そこを下りればあとはなんとかなります。

次点は阪急の大阪梅田駅でしょうか。人がいちばん多い方角に進み、御堂筋線に続く地下道の横を通れば、なんかクソデカい歩道橋と、なんか車通りの多い道が見えるはずです。

このクソうるさい道こそがかの有名な御堂筋ですが、この御堂筋の横断歩道を渡った先にある、只者ではなさそうなクソデカビルこそが阪急百貨店であり、大阪梅田駅はこのビルを上がったところに挟まっています。

初見だとビルの内部に駅があるとは思わないでしょうから、違和感があるかもしれません。

というか自分も、あのビルにどうやって線路が突っ込まれているのか、その中身を図解しろと言われてもできません。ずーっとフィーリングで百貨店の上に茶色い電車が来るというのを受け入れているので、論理的に説明できないのです。

ていうかあの駅が実質的に何階なのかもよくわかっていない。大阪の乗り換え駅で最もセンスが試されるのではないかと思う。 

阪神電車は改札口があるのは地下ですが、位置としては地上からのほうが断然わかりやすいです。阪急百貨店の建物から見て、地図上で右下の位置に阪神百貨店があります。

地図上で見ると道路が交差していて結構ややこしいので、クソデカ歩道橋を渡った先の阪急じゃないほう、と説明したほうがわかりやすいかもしれません。阪急に負けないくらいのクソデカビルなので目立ちます。

この阪神百貨店の地下が駅ですが、建物に入らずに歩道橋を下りて、なんか栄えていそうな方向に歩いてみましょう。地下に行く階段がいくつか見えてきます。

これがダンジョンの入り口です。行き過ぎると北新地とかいうマルチバースに突入してしまうので注意。

マルチバースの北新地駅もまた梅田ダンジョンの重要な拠点ではあるのですが、基本的に夜の世界で遊ぶサラリーマンのおじさんたちが集うところなので、たぶん観光で行くことはあまりないと思われるので省略。

さて、ここからは上級者向けのメトロ2線なのですが、まず谷町線。ここは守口市から八尾市を繋ぐ路線で、ビジネスシティ梅田で働く人々が家路に着くために利用するため、時間帯によってはアホみたいに混む。

守口市街へは京阪電車で帰る人もいるが、平野区の中心地である喜連瓜破(きれうりわり、と読む)や、終点の八尾南へと向かう電車はこの路線にしかない。なおかつ、谷町六丁目というクソデカ商業地や、天王寺という梅田に並ぶバビロンもカバーしているので、なかなかにカオスである。

で、肝心の行き方ですが、私もよくわかっていない。阪神電車よりもだいぶ向こうかな?くらいの認識しかない。

JRからはかなり遠いが、谷町線への方角を示す看板は他の路線よりも多いような気がするので、辿り着けなかったことはない。たぶん根気よく粘ればなんとかなる。

そしてラスト、四ツ橋線は……、あれ?どこだっけ?マジでわからん。

住之江公園に行く時しか使わない路線であり、終点の住之江公園までの途中駅も把握していない。意外と住之江公園まではそんなに遠くなかったはずなので、短い路線だと思うが……。

大阪の民でもこの体たらく。いかに梅田ダンジョンが複雑かというのがわかります(筆者が方向音痴なのもあるが)。

ただ、帰ってこれなくなったことはないので、結局は慣れなんですかね。何十回も何百回も行ってみるしかない。他府県から来た人にとっては恐怖だと思いますが、なんとかなるから大丈夫、たぶん。

ところで、梅田にくらべてあんまり取り沙汰されませんが、難波ダンジョンもなかなかに一見さん殺しだと思うのですよね。

階段を3つ下りないと辿り着けないトイレとかあるし、環状線でひとつだけ環状していない大阪難波駅から乗る電車を間違えると、奈良に飛ばされたりするし……。

あと、梅田と同レベルで乗り換え路線が多い三ノ宮ダンジョンもなかなか……。

サウナはたのしい。