見出し画像

音楽理論を勉強しても演奏できない人に読んでほしい話

どうも、こんにちは。お茶の色大学ジャズ研部長のぴゅら子です。この記事は
音楽理論を勉強したけどイマイチ演奏できるようにならないよ
という方へ向けた記事です。

・なぜ覚えたことを自由自在に引き出して演奏することができないのか

という疑問について、私ぴゅら子が考える“音楽理論を演奏する”とはどういうことか紹介いたします。また、課題解決のためにトレーニングを組む上で大切な考え方を紹介します!

せっかく勉強した音楽理論を実践で使えない謎

音楽理論を「知っている」とはどういう状況なのか

教則本や教則動画を見て理解したと思ったことを、練習で実践演奏してみたり、セッションやライブで引き出そうとした時に「あれ?これいつもの手癖じゃん」こんな経験はありませんか。新しいアイデアを実践で使うことができないのは「知る」というメカニズムを忘れてしまっているからかもしれません。

音楽理論を知っている

そう一口に言っても「どれくらい?」と聞かれると、音楽理論の広さや深さを知れば知るほど、安易に知っていると言っていいものだろうかという、不安がチラついて「音楽理論全然わかりません」なんて言ってしまう方も少なくないでしょう。ここでは音楽理論全体に対する理解の規模感の話ではなくて、“今、まさに使おうとしているそのアイデア”についてどれくらい知っているかということが大切だと私は考えます。

私の経験上の話で恐縮ですが「音楽理論を知っている」という状態には大きく分けて3つの状態があると考えています。

・存在を「認識」している

・効果や意図を「解読」できている

・再現方法を「記憶」している

これら3つの「認識」「解読」「記憶」は階段状に連なっているのではなく、それぞれ独立した異なる領域にある「知」という概念です。そして結論から説明させていただきますと、この3種類の知識にアクセスできる状態でないと、実践で即興的に新しく覚えた知識を使用することはできません。詳しく説明していきます。

「認識」「解読」「記憶」の説明

分かりやすい例として「トニックメジャー」を挙げます。トニックメジャーとは、KeyがCメジャーの曲における「C△」や「CM7」といったコードのことです。これを「認識」「解読」「記憶」の領域で説明していきます。

トニックメジャーを認識せよ!

トニックメジャーを認識するとは、KeyがCの時に「CM7」コードが鳴った時にこれはトニックメジャーだと分かる状態です。つまり音感が必要になります。この領域の理解能力には、音楽の総合的な認識能力が求められます。“音楽理論を作る”というのがどういうことなのか改めて考えてみましょう。音楽理論を作るということは音楽を一般化して言葉にする作業です。「あの赤い果実をりんごと名付けよう!」ということと同じようなことをしています。つまり音楽的な現象を言葉でラベリングしているのです。多くの人は「りんご」と言われたら頭の中でりんごの図が浮かびますよね。では「トニックメジャー」や「サブドミナントマイナー」と言われた時に頭の中で音のイメージが浮かんできますか?浮かんでこないとい方は、初歩的な部分でつまずいてしまっています。日常生活で言い換えるなら「りんご」と言われて頭の中で「みかん」を想像してしまっているような状況です。それは知っているという状態からはほど遠いということが想像できると思います。この領域で躓く方は言葉と音楽のラベリングの結束力を高めましょう。

トニックメジャーの意図を解読せよ!

ここから先は

2,972字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?