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奇跡の出会いは本当にある!


「Happybirthday to me」そんなタイトルのホラー映画があった。
邦題は「誕生日はもう来ない」だった。

しかし、私が好きな「Happybirthday to me」は、
クォンサンウ、ソンスンホン、が出ていた青春コメディ映画の中で流れる曲のタイトルだ。
映画の内容も面白かったけれど、この曲のメロディが脳内で繰り返されるほど一気に惹き付けられた。
色々検索して「ブルドッグマンション」というバンドの曲だと突き止めた! 


それからこの曲というか、彼らのCDを必死に探した。ほかの曲も聴いてみたかったからだ。
地元で唯一のK-POP専門のCDショップ「音楽のある村」で捜索開始!
しかし、探せど探せど見つからず。
店長さんに訪ねると 「もう廃盤で、しかも人気あるから中古になかなか出ないんです」と言われた。たしか店長さんもこのアルバムをゲットしたいと思っていると話していた。

それでも諦めきれなくて、 ネットを調べまくったり、韓国の友達に尋ねたりして、やっと音源を聞かせてもらった。
いや~もう本当に嬉しかった。 
そして、曲を聴いて、ますます好きになった。
こんなファンキーな曲を個性的に演奏する韓国の音楽は全く知らなかったからだ。

当時の私は、王道なバラードとかアイドルのK-POPは聞いていたものの、「韓国のインディーズ」や、いわゆる「渋谷系のハウスミュージック」の韓国アーティストの曲とは無縁だったから、とても新鮮だったのを覚えている。彼らのおかげで、いろんなバンドや音楽に出会うことになった。

Roller coaster
Clazziquai
peppertones
Dear cloud
sweater
Lusid Fall
Delispice
Huming urban stereo
My ant Mary
THE THE
KinbstonRudieska
Gigs
windy city
トゥゴウン・カムジャ
コムジョンチマ
チャウリム
ノーブレイン
クライングナッツ
YB

書ききれないくらいにあるが、今も好きで聞いている。

なかでもやっぱりダントツにお気に入りなのが
「ブルドックマンション」なのだ。

あるとき彼らのCDは「2集」もあると知って、速攻「音楽のある村」に買いに走った。このころになるとすでに常連さんになっていた。
「あった!」2集はすぐに見つかった。
ワクワクして帰って聞いてみたら、あれ?なんかラテン系になってる?
自分が思ってたのとは違う。しかしうまく裏切られた感じだ。やっぱり好きな音だ。

2007年は今みたいにLINE電話もないし、Skypeはあったが、パソコンがないと出来なかったから、今ほどの気軽さはなかった。韓国の友達ともE-mailでのやり取りが主流だった。
その頃の私は、まだハングルも読めず、勉強するもののハングルが落ちてきて押しつぶされる夢で目覚めるほどだった。
そんな状態でなにか彼らの情報はないかと検索するも、見つかるはずがない。

しかし、あきらめずに検索し続けていたある日、とある日本のバンドの掲示板に「ブルドックマンション」という文字を見つけた!
おっ!!と思い、読んでみると

な、な、なんと!福岡でライブをしたブルドックマンションのメンバーが日本語でお礼の書き込みをしていたのだ!!!どうもドラムの人らしい。

ぬぉ~!!!!見つけた!

とうとう見つけた!!

しかもmixiやってるらしい。
深く考える暇もなく、いきなり見知らぬ韓国人ドラマーJさんにメッセージを送っていた。

今から思うと本当に失礼というか、すごいことしたなと恥ずかしくなるが、
「はじめまして、私は日本人であなたたちの音楽が大好きです。今はどんな活動をしていますか?音源はどこでゲットできますか?」など質問攻めにした。

そして一人ワクワクしていた。メッセージを送っただけなのに。勝手に身近に感じていた。
もちろん返事など来ないと思っていたし、ただ自分の思いを伝えられただけで満足だった。

しかし、数週間後とても丁寧な日本語の返事が届いたのだ。

一瞬目を疑った。

たしかに返事が来ている。
嬉しくて何度も読んだ。

ただ残念なことに、彼らは活動を休止していた。
でも「自分たちに日本人のファンがいるなんて光栄です!うれしいです。」と喜んでくれていたので、ホッとした。

そこから何度かメッセージのやり取りをするうち「大阪に遊びにいきます。京都にもいくので、案内してくれませんか」とのお誘い。


え~!!!死ぬ!!あこがれのバンドのメンバーと会えるなんて!
嬉しすぎだ。「喜んで観光案内いたします!」と大張り切りで準備した。

当時は携帯もガラケーで、wi-fiも整ってなかったと思う。だから連絡をとるのにも一苦労だった。
簡単に連絡できない上に初めて会うのに大丈夫かな?と思ったが、幸い彼はハゲ、いや、スキンヘッドだったのですぐにわかった。


「あ!初めまして」と笑顔で握手。とても気さくでいい人だ、よかった。

彼が連れてきた5人の韓国人の若者と一緒に金閣寺、清水寺など京都の観光地を歩き回った。いや、引きずり回したという表現の方が正しいかもしれない。それほど過密な観光スケジュールだった。
次があるとは思っていなかったので、沢山案内してあげたかったのだ。

言葉はあまり通じなくても気持ちは通じる。
お互いにとても楽しい一日を過ごすことができた。


しかしこの出会いが、その後の私の人生を左右する、とんでもないことになるとは、このとき夢にも思っていなかった。


つづく

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