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中秋の名月に思い出す父とみた月と、韓国のチュソクのはなし

父にとって、私は可愛い娘ではなかったと思う。
短気で酒飲みな上に頑固だった父。母とはいつも喧嘩していた。
私は褒められたこともないし、誕生日さえ覚えてくれていない父親に、甘える機会はなかった。

24歳くらいの時、一度だけ大覚寺の大沢池で行われる観月の夕べに行ったことがあった。
あの日の月は本当に美しく感動したのを覚えている。
何を話すでもなく、池の周りを歩きながら月を観ただけだったが、何故か父に対して、私の心が柔らかくなった。そんな気がした。
あの日の名月マジックだったのかもしれない。

父はあの日のことを短歌にしていた。
それを見て、父も嬉しかったんだなと感じ取れた。

今は短歌を思い出すことができない。
でも父が書きためていた短歌があるのを思い出し、実家で探したら出てきた❗️
しかし、あの短歌はどこにもなかった。
ただ、違う聞いたことない短歌がたくさんあった。

短歌というか、なんというか……
な作品が多い(笑)
中にはイラスト付きレシピまであった

・父の日に
     娘がくれたフライパン
     焦げ付かないよと
     試食たのしみ

あげたことすら忘れてた

病に伏して
梅雨ながめ 思い出す
お前の顔と 
子供と犬と

入院したときに書いたらしい

正しい短歌ではないかもしれないけど、娘としては、嬉しかった。やっぱり大事に思ってくれていたんだなと感じたからだ。

まだ知らぬ
黄色のツツジ 
見にゆけば
山のてっべん 
年寄り苛めか

京都蹴上上水道に行った時らしい

この短歌の紙に

もっと下に植えとけ!
と殴り書きがあり、笑ってしまった。父らしすぎる。

娘たちと読むうちに、父が母をとても愛していたことがわかる愛の短歌がたくさんあった。

父は寂しかったんだなと感じた。
もっと優しくしてあげたら良かった。可愛く甘える娘になれずごめんね。

でもこれからも中秋の名月には、あの日のことを思い出すよ。
ありがとう。

チュソクは韓国のお彼岸みたいなもの

そして韓国は今日「秋夕(チュソク)」だ。
本来ならば、韓国の実家で朝からお供えを作って、法事をしているはずだが、コロナで行けない。
オンマに電話したら、体調が悪いから今年は何もしてないと言う。
行けないし、手伝えないことをお詫びした。
あ~、本当はオンマに会いたかったな。

オンマを喜ばせようと、「日本は中秋の名月です」と説明して、韓国はどうですか?と聞いたら旦那から「韓国も一緒の月や❗️」とつっこまれ、たしかに(笑)オンマからアイゴ~と失笑された。
日本だけ名月ではなく、韓国も名月だった(笑)




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