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中国はデフレスパイラルに突入したのか❣️🐸🍿

中国の不動産バブルが崩壊した記事を、これまでにいくつか記事にしてきましたが、現在はどんな状況なのでしょうか。

今回は、最新の関連記事をご紹介したいと思います🙏🌸🐰🌸

まずはこちらの記事から。
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中国GDPの3割崩壊へ「年金ファンドも資金が枯渇してしまう恐れ」これから始まる本当の地獄に中国国民は耐えられるのか

中国経済の牽引役だった不動産業が不調だと言われている。そもそも中国における不動産バブルが如何にして形成されたか、なぜ不況に歯止めが掛からないのか。そして、この後中国で何がおきるのか。

書籍『中国不動産バブル』より一部抜粋・再構成し、どこよりもわかりやすく解説する。
中国不動産バブル #1

習近平「家は住むためのもの」発言が崩壊のきっかけに

2023年に入ってからの中国経済は、予想外に景気回復の力が弱く、L字型成長になっている。

これまで多くの地方政府は、不動産バブルのさらなる膨張を警戒して需要を抑制する政策を講じてきたが、2023年からは需要抑制政策を撤廃ないし緩和する方向へ方針転換している。

地方によって内容は異なるが、具体的に、①住宅購入制限の完全撤廃、②住宅購入制限の部分的緩和、③住宅ローン借入制限の完全撤廃、④住宅ローン借入制限の部分的緩和、⑤住宅価格制限の緩和などである。

そもそも中国は貯蓄率の高い国である。金融市場を管理する法制度が整備されておらず、安心して投資できる金融商品も少ないからだ。

中国では金の現物を買って家においておく伝統があるが、その金を大量に買って貯め込むことは非現実的である。結局、富裕層の多くは不動産投資を選好することになる。

2戸目、3戸目とマンションを購入して、値上がりするのを待ってから売るというもっとも古典的な投資を手掛けてきた。こうしたなかで不動産価格は急騰してバブルとなった。

習近平国家主席

ところが2021年、習近平主席が「家は住むためのものであり、投機の対象ではない」と呼び掛けたのをきっかけに不動産需要が抑制され、住宅購入制限や住宅ローン制限が導入された。

そのうえ、3年間のコロナ禍により、不動産市場の過剰供給問題が浮上して、不動産バブルは崩壊してしまった。多くの地方政府は前述の①~⑤のいずれかの緩和策を打ち出しているが、需要喚起の効果は期待されるほど表れていない。

リターンを求めて不動産に流れ込んだ資金

不動産バブルは先進国でも新興国でも起こりうるものだが、中国で不動産バブルが大きく膨張するのは偶然性によるものなのか、必然性によるものなのか。中国の場合はどちらかといえば、必然的で避けられないものと思われる。

これまで述べてきたように、中国政府は都市再開発に伴う不動産開発を経済成長のエンジンと位置づけている。また、土地の入札手続きについては透明性を欠いているため、値段が上がりやすい。

中国の貯蓄率はGDPの40%を超えているが(図表2参照)、その多くが不動産市場に流れている。

(画像)注:改革・開放は1978年に始動したが、それ以降も貯蓄率は徐々に上昇している。その背景にあるのは、経済は自由化しているが社会保障制度が整備されていないことで、一般家計は老後の生活を心配して貯蓄を増やしているのである。現状では、年金保険はある程度整備されているが、介護保険がまったく整備されていない


理論的に考えれば、一国の貯蓄を投資主体の企業部門に効率よく仲介するのは金融市場と金融機関の役割である。

貯蓄が銀行を通じて企業部門に仲介されるのは間接金融と呼ばれている。それに対して、貯蓄が証券市場などを通じて企業部門に仲介されるのは直接金融と呼ばれている。

中国の金融仲介は国有銀行を軸に行われているが、国有銀行は効率も業績も悪いため、リターンを求める家計にとって銀行に預金することは魅力がない。

結局、人々はより高いリターンを求めて金や不動産などの投資に走ったのである。コロナ禍前から世界の金価格が急上昇しているのは中国人の投資と無関係ではない。日本でも、10年前に比べれば、円建ての金価格は倍以上に上昇した計算になっている。

GDPの3割が崩壊し、中国経済は大失速

今後、不動産バブル崩壊の影響はどのように広がっていくだろうか。

あらためて不動産バブルの原因とプロセスをみてみよう。富裕層は投資目的で不動産を購入し、不動産バブルに拍車をかけた。

だが、習主席の呼びかけと3年間のコロナ禍によって、不動産の需給バランスは大きく崩れてしまった。

バブルが終息する条件は、供給が需要に見合うレベルにまで下がって需給がリバランスすることである。中国不動産市場の需給関係をみると、今のところ、サプライサイドの調整より需要の萎縮が速いため、リバランスするのに予想以上に時間がかかると推測される。

不動産バブル崩壊がマクロ経済に与える影響としては、中国の経済成長率を一段と押し下げる恐れがある。中国の不動産業は、建設業のほか、広く捉えれば建材や家具などを含めて、GDPの3割を占めるといわれている。要するに、不動産バブルの崩壊は、経済成長を牽引するエンジンが弱まることを意味する。

また、不動産バブルの崩壊は間違いなく、市中銀行(そのほとんどは国有銀行だが)に飛び火する。デベロッパーはすでに債務返済を延滞している。

マンションを購入した個人の一部も住宅ローンの返済を延滞している。結果的に市中銀行のバランスシートに巨額の不良債権が現れると予想される。

地方政府も影響を免れることはできない。中国の地方政府は地方債などを起債して、巨額の債務を抱えている。

とくに地方政府は銀行から融資を受けやすいように、「融資平台」と呼ばれる投資会社をたくさん設立している。これらの投資会社は政府保証あるいはサポーティングレターを手に、国有銀行から巨額の融資を受けている。

この融資を最終的に返済する義務があるのは間違いなく地方政府である。土地財政が崩壊していない局面においては、地方政府はなんとか切り盛りができていた。経済が順調に成長している局面においては、地方政府に対するガバナンスが機能せず、彼らは貴重な財源を好き勝手に無駄遣いしていた。

中国の市役所や区役所はアメリカの議会議事堂と同じぐらい大規模なものが多い。これらの役所の建設費と修繕維持費はいずれも地方財政にとって重い負担になっている。土地財政が崩壊してしまえばあっという間に危機に陥る。

繰り返しになるが、中国の年金などの社会保障基金は各々の市政府が所管している。地方財政が破綻状態に陥れば、年金ファンドも資金が枯渇してしまう恐れがある。

こうして全体を俯瞰すると、中国政府は不動産バブル崩壊に迅速に対処しなければならないことが分かる。問題は、どのように対処するかである。このまま状況を放置すれば、不動産バブルの崩壊は不動産業に限らず、金融、行政、さらに共産党の統治体制を脅かす心配がある。



中国のGDPの3割が崩壊して、これから中国は本当の地獄が待ち受けているのでしょうか。

中国の不動産大手はすべて破産寸前の深刻な状況です。

こちらは以前にご紹介した記事ですが、米紙は「中国はもうおしまい」と論じています。経済崩壊が避けられないということです。
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引き続きこちらの記事をご紹介したいと思います。



歯止めの効かない中国の「不動産倒産連鎖」についに政府が「救う会社、救わない会社リスト」を作成…これから中国経済が直面する“失われた30年”

3000億ドルの負債を抱えているとされている、中国の巨大不動産企業・恒大集団。その凋落からも分かるように、不動産デベロッパーにとって苦しい状況が続いている中国は、日本のバブル崩壊後と同じシナリオを辿るのか。

想定されるいくつかのシナリオを書籍『中国不動産バブル』より一部抜粋・再構成し、解説する。

中国不動産バブル #2

デベロッパーの連鎖倒産による金融危機

中央政府にとっては、いかにして金融危機を回避するかが重要な課題になる。不動産バリューチェーンの関係者は救済を期待するだろうが、中央政府はその全員を助けることはできない。

誰を優先的に救済するかについてプライオリティを決めることが重要になってくる。中国は透明性のない社会なので、各々の関係者は政府とのバーゲニングとロビー活動を強めるだろう。

そのなかでもっとも不利な立場に立たされるのは、マイホームを買った個人と、不動産デベロッパーの理財商品を買った個人投資家である。独裁政治の政府救済計画において、個人はいつも劣後になる。むろん、彼らも黙っているわけではなく、グループとなって抗議活動を展開し、政府に圧力をかける。

政府にとってもっとも心配しなければならないのは、デベロッパーの連鎖倒産が起こることである。目下、中国政府のなかでは、すべてのデベロッパーを救済するのではなくて、救済するデベロッパーと救済しないデベロッパーをわけた「ホワイトリスト」が作成されているといわれている。

この件が報道され、現在はデベロッパーによる政府機関へのバーゲニングが盛んになっていると思われる。救済するデベロッパーと救済しないデベロッパーの線引きの基準がはっきりしないというモラルハザードが起こる可能性も高い。

政府がデベロッパーを救済する条件として、創業者あるいは経営者に経営権の譲渡を求めることもあり得るだろう。

国有企業による吸収・合併となるだろうが、その後の不動産開発がうまく行く保証はない。そのほかには、国有銀行による融資の増額でキャッシュフローの難関を乗り切るやり方も考えられる。

しかし、銀行融資の増額は経済危機の根本的な問題解決にはならない。逆に採算性を度外視する、ソフトな予算制約が引き起こすモラルハザードは、経済効率をさらに悪化させる心配がある。

経営難に陥ったデベロッパーにとって、政府の指導に基づいた国有銀行のレスキュー融資はフリーランチのようなもので、このような融資はデベロッパーの経営を改善することにほとんど寄与しないと思われる。

中国で不動産バブル崩壊のリスクが囁かれるようになって久しいが、政府、国有銀行、デベロッパーと個人はいずれもきちんとリスクに備えてこなかったようだ。筆者は講演などでよく「中国は日本のバブル崩壊からきちんと学んだのではないですか」と質問されるが、そうとは思えない。

多くの中国人にとって30年前の日本の資産バブル崩壊は、単なる対岸の火事に過ぎない。「備え有れば、患いなし」という諺を考えた中国人の祖先に比べれば、今の中国人はリスクに備える意識が薄いようだ。

失速する不動産業界の将来

バブル崩壊後の不動産業界には、どのような将来が待ち受けるのか。

中国は社会主義国家であり、制度だけを見れば土地は公有制である。また、政策面において国有企業が優先されているのも特徴的といえる。

図表9に示したのは中国企業資産総額ランキングトップ10の推移である。2023年、民営企業のアリババが10位に入っているが、他はすべて大型国有企業である。石油などのエネルギー企業や金融機関および鉄道建設など重厚長大企業ばかりだ。

これらの国有企業は政策的に優遇されているから、市場を独占して規模がますます大きくなる。胡錦涛政権(2003~13年)の10年間、国有企業による市場独占が一段と強化され、「国進民退」が進められた。

2009年、中国政府はリーマンショックの影響を抑えるため、4兆元の財政出動を実施したが、そのほとんどは大型国有企業に流れた。

一方、中国の不動産デベロッパーの大半は民営企業である。会社の規模は国有企業に及ばないが、収益性が高いため、そのほとんどが創業から20年程度で中国屈指の億万長者となった。

図表10に示したのは中国の億万長者、すなわちミリオネアトップ10の推移である。わかりやすいように、経営者名を会社名に置き換えて示した。

2020年には、5位に恒大集団の許家印がランクイン、7位は碧桂園の楊国強だった。不動産バブル崩壊以降の2023年のランキングを見ると、中国本土のデベロッパーはすべて抜け落ちている。7位の長江実業は香港の財閥だ。

これまでの20余年間、中国経済にとって不動産業は間違いなく力強いエンジンだった。だが2023年に不動産バブルが崩壊し、中国経済は失速してしまった。習政権も有効な経済政策を打ち出せていない。

むろん、中国不動産業がこのまま衰退するかどうかは分からない。中国はこれからも都市再開発を進めていく必要があるからだ。

アリババの創業者 ジャック・マー

重要なのは、不動産業を発展させるための市場環境と市場のルールをきちんと整備していくことである。不動産業は単なる建設業だけでなく、金融の面でも、個人にとって資産を運用する重要な市場である。

ただ、中国における土地の希少性を考えれば、その土地が一握りの富裕層に過度に集中してしまうことは社会不安につながる恐れもある。なにより、中国共産党は現在の体制を社会主義と謳っているのだから、これ以上格差の拡大を看過してはならない。

不動産開発ブームと不動産バブルは単なる経済の問題ではなくて、中国社会に内在する政治経済問題の縮図である。

中国経済が直面する「失われた20年ないし30年」

不動産バブルの崩壊以降、一部の研究者の間で中国経済の日本化が議論されている。現象面では似ているところがあるかもしれないが、本質的には異なる問題だ。

米国スタンフォード大学客員研究員の許成鋼(専門は理論経済学)は、目下の中国経済は構造的に、政府による経済統制という点で1970年代のソ連経済とよく似ていると指摘している。

30年前の日本のバブル崩壊は、基本的に市場の失敗だった。後処理の段階で政府が失敗を犯し、立ち直るのに時間がかかり、失われた30年を喫した。

それに対して、中国の不動産バブルとバブル崩壊は、政府の失敗が引き起こしたものだ。

中国政府は不動産開発を経済成長の牽引役として位置づけた。土地の公有制を堅持し、不動産課税、すなわち、固定資産税は導入してこなかった。

そのため個人にとっての不動産投資は、低コストでよりたくさんの不動産を所有する一攫千金のゲームとなった。不動産投資ブームについて習政権執行部も危機感を抱き、習主席自身は「家は住むためのものであり、投機の対象ではない」と発言したが、投資の禁止を呼びかけるだけでは意味はなかった。

過度な不動産保有を制限したいのならば、不動産関連の課税を導入する必要があったのだ。

不動産投資は個人の自由として法的に認められている。不動産投資が過熱したのは、地方政府やデベロッパーの不正行為に加え、個人にとって機会コストが安いからである。

過熱し過ぎた不動産投資を冷やすためには制度を改革する必要があるが、政府共産党は政策を立てるよりも先に市場に直接介入しがちである。

政府共産党の市場介入は即効性がある半面、経済のハードランディングをもたらすリスクも高い。習主席の呼びかけは市場を直接統制するものであり、往々にして逆効果となる。

中国のデフレはどうなる?

2023年末現在、習政権は金融緩和政策をもって不動産バブルの崩壊を食い止めようとしているように見える。しかし、年末に開かれた共産党中央経済工作会議で習主席が行った演説をみるかぎり、具体策は打ち出されていない。

現状において不動産デベロッパーを救済する融資を実施しても、問題の解決を先送りするだけである。重要なのは構造改革だ。
日本の場合は、バブル崩壊の後処理を行うのに30年かかった。はたして中国は何年かかるのだろうか。現段階では断定することはできないが、日本経済を取り巻く外部環境と中国経済を取り巻く外部環境を比較すると、両者の立場は大きく異なると言える。

日本のデフレは30年間続いたが、輸出製造業は順調に日本経済を支えていた。それに対して、中国には米中対立とサプライチェーンの再編という壁が立ちはだかる。習政権は目の前の状況の深刻さを十分に理解しておらず、国内循環、すなわち、自力更生で経済成長を実現しようとしているようだ。

しかし、中国の経済構造は輸出依存であり、内需だけで成長を持続させるのはそもそも無理なことである。

最近、中国国家統計局報道官の記者会見を聞いていると、都合の悪い経済統計を言葉で粉飾しようとする傾向が強くなっている。具体的な経済統計をいわずに、経済が改善に向かっているというように言葉を濁す場面が多い。

実際のところ、不動産バブルは崩壊して、経済が回復する力は弱くなっているはずだ。国家統計局が正しい統計を発表しなければ、ポリシーメーカーは正しい政策を考案する根拠をもてない。このままいくと、中国は失われた20年ないし30年を喫する可能性が高くなる。


日本のバブル崩壊は30年続いたということになっていますが、中国のバブル崩壊はどうなるのでしょうか。

中国の場合は、日本と違ってスケールが桁違いに大きなバブル崩壊なので、未だかつて見たとこもないような結果につながる可能性が高いかもしれません。

今回は記事のボリュームが少し大きくなりましたが、最後にこちらの記事をご紹介して終わりにしたいと思います🙏🌸🐰🌸
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中国不動産の惨状「すでにデフレに突入」「深刻な社会不安を引き起こす恐れも…」中国経済“クラッシュ”なら日本のバブル崩壊を凌駕する破壊力

中国不動産バブルの崩壊は始まっているのか、いないのか。専門家によって見方が分かれるが、確実に一時期の勢いは失われ、多くの企業が政府による救済を待っている状況だという。
日本とは違い、政府が市場に直接介入することができる共産主義の中国で起きている状況を、書籍『中国不動産バブル』より一部抜粋・再構成し、解説する。
中国不動産バブル #3

日本のバブル崩壊よりも深刻な影響が……

2023年9月、中国のSNSである情報が流れて大騒ぎになった。中国国家統計局副局長だった賀鏗が中国国内で開かれたフォーラムで、中国の不動産市場は供給過剰の問題が深刻で、今売りに出されている住宅は14億人が入居しても余るぐらいだ、と述べたとのことだった。

中国の不動産市場は明らかに供給過剰になっているが、賀の言い方は明らかに事実に反している。部屋の広さは別として、単純計算すれば、1戸あたりに住んでいる中国の標準家族は3~4人である。今現在、3億ないし4億戸のマンションまたはアパートが売りに出されているとは思えない。

このような荒唐無稽な数字をもとに、中国不動産バブルが崩壊したと指摘するのは、根拠不足といわざるを得ない。

不動産バブルが崩壊したかどうかについては、専門家の間でも意見が分かれている。中国の不動産バブルがすでに崩壊したと指摘する専門家は、不動産デベロッパーのデフォルトを理由に中国経済が日本化(Japanification)する、すなわち、日本と同じように失われた20年か30年を喫するのではないかとみているようだ。

それに対して、中国の不動産バブルは崩壊していないとみている専門家は、中国の景気減速は一時的なもので、デベロッパーがデフォルトを起こしているが、不動産バブルの崩壊を意味するものではないと指摘している。

では、どちらの見方のほうがより真実に近いのか。

私の考えを大胆にいえば、中国が民主主義の市場経済だという前提に立てば、すなわち、政府が直接市場に介入できないということを前提として考えれば、中国は30余年前の日本と同じように不動産バブルが崩壊し、デフレに突入している段階だと断言できる。

中国の不動産バブルはすでに崩壊している。事業を多角化させていたデベロッパーはもちろんのこと、本業に絞って不動産開発に専念していた「健全」なデベロッパーも、経営難に直面するようになった。

ただし、中国の不動産バブルの崩壊の仕方は、30余年前の日本が経験したバブル崩壊とは異なるものになる。

日本のバブル崩壊は金融システムに飛び火し、都市銀行を含む大手金融機関までが倒産したが、それ以上はバブル崩壊の影響が広がらなかった。とくに重要なのは、日本は30年を失ったといわれているが、技術は失わなかったことだ。

それに対して、中国のバブル崩壊は国有銀行に飛び火するだけでなく、地方財政にも飛び火し、深刻な社会不安を引き起こす恐れがある。それはサプライチェーンの再編と重なり、外国企業が工場をほかの途上国に一斉に移転すれば、中国は技術も失う可能性がある。

中国不動産の惨状「すでにデフレに突入」「深刻な社会不安を引き起こす恐れも…」中国経済“クラッシュ”なら日本のバブル崩壊を凌駕する破壊力

中国不動産バブルの崩壊は始まっているのか、いないのか。専門家によって見方が分かれるが、確実に一時期の勢いは失われ、多くの企業が政府による救済を待っている状況だという。

日本とは違い、政府が市場に直接介入することができる共産主義の中国で起きている状況を、書籍『中国不動産バブル』より一部抜粋・再構成し、解説する。
中国不動産バブル #3

幹部を接待するための「喜び組」

中国の不動産価格がバブルと化した流れを振り返ろう。都市開発のために、デベロッパーは地方政府から地上げされた土地を落札して、それを担保に銀行から融資を受ける。

そのプロセスで地方政府の幹部および銀行の幹部に多額の賄賂を贈るというのは、中国では広く行われている周知の事実である。そこに不動産建設の材料費や人件費の上昇も上乗せされていく。経済が順調に成長している段階では不動産開発も順調に進み、デベロッパーの売り上げも順調に拡大していた。

このようななか、多くのデベロッパーは経営の多角化を図っていった。不動産業は景気にもっとも連動する産業である。景気のよい局面において不動産業は景気の牽引役となる。景気が減速すれば、不動産業は一気にしぼんでしまう。

きわめてわかりやすい構図だが、中国のデベロッパーは自国の不動産需要において「剛需」が長く続くとみていた。

だから強気の開発計画を展開するだけではなく、まったく無関係の副業にも幅広く手を出した。経営の多角化を成功させるには本業と副業の補完関係が必要不可欠だが、多くのデベロッパーはそうしなかった。

2021年にデフォルトに陥った恒大集団を例にとってみると、本業の不動産開発のほかに、電気自動車の開発、プロサッカーチームの買収、テーマパークの建設と運営、ミネラルウォーターの製造販売などを手広く手掛けてきた。

恒大集団の創業者・許家印氏

2023年に創業者の許家印が警察に拘束されたあと、彼に纏わるさまざまな悪事が明るみに出た。その1つが、土地の入札のために共産党幹部を接待する専用「会所」(プライベートクラブ)を作り、歌舞団を設立したというものだ。歌舞団をわかりやすくいえば、北朝鮮指導者の「喜び組」のような組織である。

理不尽なバブル

もう一例をあげよう。

中国の不動産デベロッパーと共産党幹部の癒着を暴露するノンフィクション『私が陥った中国バブルの罠レッド・ルーレット中国の富・権力・腐敗・報復の内幕』(デズモンド・シャム著、神月謙一訳、草思社、2022年)のなかで、不動産開発に携わっていたシャム夫婦(当時)が、共産党幹部の関係者および2人の実業家の3組の夫婦を接待するため、4機のプライベートジェットを飛ばしてヨーロッパへ旅行に出かけたというエピソードが出てくる。

出発間際になって、みんなで一緒にトランプで遊ぼうという話になり、4組の夫婦8人は同じ飛行機に乗り込んだ。あとの3機は乗務員以外、誰も乗っていなかったが、後をついていった。

彼らはパリに着いて、シャンゼリゼ大通り近くのミシュラン星付きのレストランで食事をするが、ワインだけで10万ドル(当時のレートで約850万円)を超えたと本のなかで記されている。

これらのお金はすべて不動産開発と不動産投資から得られた利益のはずである。

不動産バリューチェーンのなかで、これらの勝ち組の贅沢三昧の生活を支えているのは結局のところ、マンションなどの不動産を高価格で購入している無数の個人である。

この2つの事例からは、中国の不動産市場が明らかにバブルとなっており、持続不可能な状態となっていたことが明らかだ。このような理不尽なバブルがはじけないはずがない。

政府の救済はあるのか?

それではなぜ一定数の人には、中国の不動産バブルが崩壊していないように見えるのだろうか。

不動産バブルが崩壊したかどうかを判断する指標には、不動産価格の下落、デベロッパーの経営状況、個人による住宅ローンの延滞、銀行の不良債権問題などがある。

一般的に不動産バブルが崩壊すると、不動産価格はある程度下落するが、大暴落はしにくい。これは不動産価格の下方修正硬直性によるものといわれている。

デベロッパーの経営悪化ないし大規模倒産が起き、景気が急減速するのを受けて、個人による住宅ローンが延滞され、銀行のバランスシートに巨額の不良債権が生まれ、金融システム不安が現実問題として浮上してくる。

これが、不動産バブル崩壊が引き起こす債務連鎖である。この一連の動きのなかでもっとも重要なのは情報の伝達である。すなわち、デベロッパーの経営難が囁かれると、銀行の経営難も容易に想像される。

金融不安が現実味を帯びてくると、マクロ経済はデフレに突入する可能性が高くなる。これはまさに30余年前に日本が経験したバブル崩壊のストーリーだった。

中国の現状を見ると、デベロッパーが経営難に陥っているのは明らかだが、大規模な倒産には至っていない。だから、一部の人には不動産バブルが崩壊していないように見えるのだろう。

気をつけるべきなのは、デベロッパーの多くが政府による救済を待っている最中だということだ。政府が救済に乗り出せば、倒産を免れる。逆に政府が救済しなければ、不動産デベロッパーと下請け企業などは連鎖倒産してしまい、中国経済は一気にクラッシュしてしまう。今はその瀬戸際に差し掛かっているところだ。

2024年3月9日には、不動産政策を担う倪虹・住宅都市農村建設相が全人代に合わせて記者会見。債務超過が深刻な不動産企業について、「相応の対価を支払わせる」「破産すべきは破産」などと発言し、衝撃が広がった。

一部の個人はすでに住宅ローンを予定通りに返済できなくなっている。中国にいる友人に確認してもらったところ、個人は家を売りに出したくても、地方政府が決めた価格より安い価格で売ることが認められていない。

ガイドラインに沿った価格を設定して売りに出しても、ほとんど売れないといわれている。多くの個人にとって住宅ローンの返済が難しくなっても、家を売って損切りすることすらできない状況になっているのだ。

若者の失業率の急上昇も、個人の住宅ローンの延滞の要因で、銀行に差し押さえされ競売に出されている物件が急増している。

デベロッパーの経営難により、現在開発中のマンションや商業ビルなどの物件が未完成のまま、ゴーストタウンになるケースが増えている。もっとも有名なのは深圳の新しいランドマークとなる中国一(世界二番目)の超高層ビル「深圳世茂深港国際センター」(140階建て、高さ700メートル)だ。

開発の途中で資金が枯渇し、現在未完成のまま売りに出されているが、買い手がつかない状況が続いている。他にも、マンションを買ったが、そのマンションが完成されずに放置されているケースも増えている。買い手にとってまさに悪夢となっている。

不動産バリューチェーンにあるすべての企業と個人はなすすべがなく、政府による救済に淡い希望を抱きながら、景気が上向くのを待っている。



普通に考えれば、中国の不動産バブルはすでに崩壊を始めており、今後その影響が銀行や、社会全体を構成する多くの業界に波及するものと思われます。

中国の社会が、これからどのような混乱に陥るのかは、まだ分かりませんがおそらく国民に食糧が十分に行き渡らず、飢餓の状況が発生してもおかしくないかも知れません。

今後も世界と中国の行方を注意深く見守っていきたいと思います。

ご参考になるかも知れませんので、過去の記事をいくつかこちらにご紹介しておきます。
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