【M-1グランプリ】最悪の決勝と史上最高の敗者復活
おはようございます。
M-1グランプリを見終わって、なんだか釈然としないぷかおです。
さて、今年は8,540組ものエントリーがありました。
この勢いは止まらず、来年はおそらく5桁になるでしょう。
キャッチコピーは、「爆笑が、爆発する。」
決勝でどの芸人が爆笑を起こすのか、誰もが楽しみにしていたことでしょう。
トップバッターは、令和ロマン。
今年は笑御籤の順番が神ってましたね。まさにトップバッターにぴったりの二人からの開幕!
令和ロマンがかなりウケて、今年は最高の決勝になるのではと期待が寄せられました。
ところが、その後9組とも令和ロマンほどウケないという異常な空気感。
そのまま、全体的に得点も伸びず、最終決戦に残った令和ロマンが異例の優勝を果たすという結末に。
結局、爆笑が、爆発した瞬間は3回だけ。
優勝を決めた令和ロマンの町工場ネタ
と
モグライダーともしげが緊張のことを「カンチョー」と噛み倒した瞬間
と
山田邦子が番組最後に
「さや香の最後のネタ、全然良くなかった。」と言い放ったとき
のみ。
そのように私は感じました。
もちろん、どのネタも面白かったです。
ただ、それほど爆発しなかった。
散々なアンチテーゼエンドで、正直心が傷みました。
M-1のレベルが下がった。
Xのトレンドになるほど、口々に言われました。
私は断言したい。
M-1のレベルは上がっている。
いや上がりすぎている。
今年の敗者復活戦がいかに最高だったかを見てもらえば、証明できると思います。
今年の大会はいわば、
なぜ、こんな結果になってしまったのか?
個人的な感想を書き起こしていきたいです。
予選と当日のギャップはあったのか
まず、ファイナリストの選出について、これ以上妥当な審査はないと思いました。
今年から、M-1黎明期から予選審査及び、番組制作に関わってきた
・倉本 美津留(ダウンタウンなどの番組を担当する放送作家)1959生
・長谷川 朝二(ダウンタウンなどの番組を担当する放送作家)大井町歴57年
・前田 政二(ダウンタウン同期・元芸人の放送作家)1965生
という御三方が勇退し、より若手の審査員が登用されました。
準決勝を拝見したところ、審査員のメンバー(当日紹介順)は、
・大池 晶(ベテラン漫才作家)1951生
・遠藤 敬(元芸人の放送作家)1972生
・大井 洋一(格闘家と放送作家の二刀流)1977生
・堀 由史(元芸人の放送作家)1974生
・やまだ ともカズ(小藪の元相方・放送作家)1973生
・和田 義浩(ブラマヨ吉田の元相方・放送作家)1973生
・郷力 大也(テレビ朝日ディレクター・ミラクル9など)
・高木 伸也(ABCテレビプロデューサー・相席食堂など)
という面々でした。
昨年、準決勝について考察記事を書きましたが、ほとんど意味のない考察となってしまいましたね。
それはそれとして、準決勝の結果は、ダイヤモンドのような意外な伏兵もおらず、面白かったしウケていた組が進出しており、非常に納得感がありました。
ヘンダーソンもかなり面白くて、初めて準決勝に行った年から進化を遂げ仕上がっていたので、決勝に行ってもおかしくなかったのですが、惜しくも敗退ということでした。敗者復活の順位見る限り、10位だったのかな?
私は悔しくてXでずっとぼやいてたのです(昨年ヤーレンズが落とされたときも同様の精神状態に陥った)が、こればかりは仕方がないです。だって、決勝メンバー全員良かったから。
一方で、優勝した令和ロマンは結構ぎりぎりの決勝進出だったようにも思います。完成度もオリジナリティも高いネタでしたが、少し宗教くさいというか、題材がカルトっぽかったのです。
決勝では異なるネタで勝負していましたが、順番が違えば、それを披露していたかもしれないし、優勝を逃していたかも。
準決勝と決勝当日のネタの違いまとめ
正直、敗者復活のネタの方なら決勝行ってただろうなと思うコンビが多すぎます。特に、ロコディやエバース、ななまがりは準決勝の出順もよかっただけに、悔やまれますね。
要は、爆発しなかった決勝ネタですが、準決勝ではしっかりウケ量もあり、完成度も抜けて高かったのです。
アキナが、滑った例の年は、配信で見たらそれほど…ってこともありましたが、今回は配信においてフースーヤを冷静に見れたくらい。どれも面白かったです。
当時、個人的に優勝あると思ったメンツは、さや香・真空・ダンビラ。
と思いきや、決勝後半の展開全く読めませんでした。令ロもヤレもさらに面白かったし。
トップバッターで令和ロマンがしっかりウケて、会場が温まりきっていなかったわけでもない。しかしなぜ、爆発に至らなかったのでしょうか?
爆発しない決勝会場、なぜ?
よく決勝は、予選とまるで空気が違うといわれますが、今年はその差が顕著に出ていたようです。
会場の緊張感は、芸人のみならず、観客にとっても負いかぶさってきます。観客の集中力が裏目に出てしまうことがあるようです。
たとえば、ダンビラムーチョのカラオケネタ。最初の『天体観測』の歌唱中、ところどころで小さな笑いが起こる計算でしたが、集中して聴く観客とがんばって歌う二人組という不思議な構図になってしまい、笑いよりも凄みが勝ってしまったようでした。他の予選ではそんなことなかったので、決勝という舞台の冷ややかな空気感によるところが大きかったのだと思います。思ったよりウケないせいで、『アイドル』の時の原田フニャオが予選より音痴になっていて、その時にはもうダメそうな雰囲気が漂い出していました。このネタ、コンディション次第でもっと客を巻き込んで爆発させられるネタなんです。
また、大吉先生のポッドキャスト『いったん、ここにいます!#38 特別編』では、今年観客席に男性の比率が高かったことも明かされました。
男性の場合、女性よりもウケ方が重くなるそうです。これも、爆発するに足りなかった一つの要因だと思います。
会場の重さを塗りかえるため、漫才師は自分たちで丸ごと空気を作り変えないといけませんでした。
慎重につかみを長めにとった後一気に引き込んだ令和ロマン、おびただしいボケ数でスピード感を掌握したヤーレンズ、重い空気を力技で無理やり起こしたさや香、この3組が功を奏たのは納得です。
逆に、後半組になってしまったダンビラ、くらげ、モグライダーあたりは、いよいよ会場の重さに翻弄されていたようにも思われます。
さらに悔しいことに、カベポスターとモグライダーは、トップバッターだった前年の方が圧倒的に仕上がっており、追い風の中の決勝大会となりました。
ただ、真空ジェシカは間違いなく今年が一番仕上がっていたので、私自身結果に首を傾げ、ほぞを噛みました。大吉先生曰く、男性客の笑いは一番多かったそうですし、志らく師匠曰く、高得点をつけて最終決戦に駒を進めたかったらしいので、刺さる人には刺さってたんだけどなあ。
ヤーレンズの直後だったし、くらべられちゃったかなあ。
まだ芸風が浸透していないのか、川北に本気でひいてる観客もいたって。マジ?みんな決勝を生で観たくて、サポーターズ加入してる人もいるのに、マジ?
決勝審査員7名の審査レベルも本当に高くて、ネタの単純な面白さで選んでいるわけではないことを、毎回認識あらためさせられます。
今回、ネタの点数が伸びなかった理由は明確なため、触れません。トップバッターを基準にするから、まあそうよねっていう。
そんなセメントみたいな決勝会場をよそに、敗者復活会場は沸きに沸いていました。
敗者復活にめっちゃ最高のアップデート
今年、予選審査員の更新だけでなく、敗者復活の人数とルールもようやくアップデートを迎えました。
しかも、どのアップデート内容も最高だったんです。
めっちゃ最高ポイント① ネット投票廃止
いつも議論の的になっていたネット投票による敗者復活。それを一切廃止して、新たな審査方式に一新したのは画期的でした。
そのおかげで、いつも通りなら上位に食い込むのがやっとだった、ヘンダーソン、ナイチンゲールダンス、シシガシラにスポットライトが当たったのも嬉しかったです!
めっちゃ最高ポイント② 勝敗の決め方と順番の決め方
まず、勝ち残り方式に変更となり、今年は全組勝ち上がるための本気ネタ、集大成をぶつけてきたので、すさまじく盛り上がったし、最高に面白かったです。さすがに、からあげ4枠は閉幕です。
たしかに、勝ち残りだと序盤の組ほど不利になります。そこで、準決勝の順位によって出順を決定する。苦情の出しようがないです。
めっちゃ最高ポイント③ 決勝審査員次期ポスト
芸人審査員として、以下の5名が登場しました。全員芸風の好みも少しずつ違い、完璧な布陣でした。
めっちゃ最高ポイント④ 屋内
芸人も観客も寒くない。会場があったかい。
以上のアップデートも素晴らしいのですが、一番めっちゃ最高だったのは、客多すぎてウケまくっていたことです。
あれだけ笑い声が響いていると、最高のコンディションで漫才できますね!ウケ方、めっちゃ最高!フースーヤ、ずっと拍手笑いしてるやついたんじゃないか?
で、ウケすぎておかしくなってそうかと思いきや、審査は冷静でマジ最高!めっちゃ最高!史上最高!
最高じゃないところ、ほとんどなかったんですが、
もっと最高にできるポイント ちょっと遠すぎるゆえの
広すぎる会場では、その場にいても音響と映像で見て聞いているようなもの。あまりにもデカい声が有利でした。あと、シシガシラがカメラモニターで得しすぎていたので、そこだけ。傲慢ですが、テレビ用のカメラと会場用のカメラ分けたりできますか?
雑談:M-1の話題
新たな審査員
今年から、海原ともこが審査員に就任しました。
やはり、志らく師匠の勇退を悔やむ声は多かったですね。奇天烈な漫才にツボはまりがちだったので、ジャルジャル、トム・ブラウン、ランジャタイ、ヨネダ2000、ウエストランドなど、志らくに救われたコンビは少なくありませんでした。
後輩のネタをたくさん見てきた巨人師匠からの大吉先生、審査基準が読めない恵美ちゃんからの山田邦子。この二人は、なんとなく後継って感じがしました。そういう意味では、ともこさんは志らく師匠の代わりではないですよね。
ともこさんの審査員就任に何の不満もないので、できれば志らくの後継を1枠増やして頂けると、何も言うことありません。
あと、志らく-1グランプリ、楽しみに待ってます。
令和ロマンとABCお笑いグランプリ
今年、令和ロマンが勝てなかったABCお笑いグランプリ。少女漫画のネタは、ABCよりあとに思いついたネタだそうで仕方ないですが、バックナンバーの漫才も面白くていまだに記憶に新しいです。
令和ロマンは、芸風が確定する前に優勝できたのがめちゃくちゃ良かったなと思います。これからまだ自由に、しゃべりでもコントでも歌でも漫才作れちゃうのが最高じゃん!
今年、唯一令ロに勝てたダブルヒガシは、このまま来年決勝いくべし。
唯一残った○○枠
侍スライス枠も2022年に消滅し、からあげ4枠も2023年に消滅してしまいました(今年のトム・ブラウンやニッポンの社長を含めるのは違うし)。
ところが、唯一残った3回戦すべり枠(通称ちゅんま枠)、今年は銀矢倉という最高の収穫がありました。
唯一残ってしまったこのちゅんま枠は、絶えないでほしいな。
あと、おれおも枠(M-1のOPナレーション「俺たちが、一番、面白い」で映る芸人)で、初決勝のマユリカ阪本が選ばれるという意外な場面もありました。準決もトリだったし、運営から異常に推されるマユリカ。あのー、あれだね、荷が重いね。
歌ネタ漫才とM-1
歌ネタ漫才がM-1決勝に向いてないっぽいので、今までの歌ネタ戦績ランキングで、今回は終わりです。
笑いの考察#3そろそろ書くので、待っててください。
それでは、ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
これからも大好きなお笑いについて存分に書いていくので、よろしくお願いします。
令和ロマン、おめでとう! めっちゃ最高の大会! Ⅿ‐1大好き!
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