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再受験生向けの塾をしたくなかった理由

私は現在起業を目指している37歳専攻医。
いつもはポジティブな記事を書くように努めているけれど、
今回はちょっとネガティブな記事を書いてみる。

37歳専攻医のトライ ~人を頼る編~」の記事に書いてあるように、起業の資金をためるにあたって、再受験生向けの塾をひらくように勧められた。

けれど、再受験生向けの塾を開くのは自分的に大きな抵抗があった。

医学部再受験とは、一般に
一度大学に入学した人が一般入試を経て1年からの入学を目指すこと
途中の学年に入る編入試験とは区別される。
たしかに、医学部再受験は何年も前から一定の需要がある。
事実、ネットで「医学部再受験」と検索すると、実に多くのサイトがヒットする。(約38,400件!)
多くのひとが再受験を目指している証左だろう。
が、私は再受験生向けの塾を開業するのは気がすすまなかった。

今回はその大きな理由3つ紹介しようと思う。


高校生を教えるのとは違う

再受験を目指すひとの多くは、高校生と違い、一度は大学に入学した、または就職したという経験がある。
そのせいか、どうも「自分は青臭い高校生とは違う」と妙なプライドを持って受験勉強に挑む場合が多く、その歪んだプライドを指導者にぶつけてくることも多くある。

歪んだプライドを指導者にぶつけてきた結果、指導がうまくすすまないということは得てしてある。

例えば、
勉強時間を確保しない、自分の実力にあった問題集に取り組まない、再受験情報サイトの情報に振り回される、ワンチャンばかりを狙う、etc…

(ちなみに、こういったことは多浪生でも見られるので、再受験生だけに当てはまるわけではない。)

それでも学業や仕事の合間を縫って勉強してくれる場合はいいのだけれど、
勉強しない再受験生の場合、「勉強できない or 成績が上がらないのは指導者のせい」と責任転嫁をしてくることもしばしば。
(もちろん、指導方法に欠点がないとは思わないけれど。)

これには私の偏見も含まれているが、大抵は高校生の方が素直に夢に向かって勉強してくれるので、こちらも比較的対応がしやすい。

年々ハードルが高くなっている

少し前に女子学生・多浪生・再受験生の医学部入試差別が取り沙汰されていたが、公平な入試がなされたとしても医学部合格へのハードルは高くなっているといえる。
医師の数を減らす動きが現在ではあり、そのため一般枠の定員が減少傾向である。
加えて、各地方自治体では「地元に残ってくれる医師の確保」が喫緊の問題で、地域枠を拡充させている医学部もある。
また、AO入試により、最初から1~2浪までしか受験資格を与えない医学部もある。
なので、これまでは自分の実力にあった全国の大学を受験するという方法で合格を掴んだ再受験生が一定数いた。
しかし、これからは地域枠などの受験資格の影響で、そもそも受験できなくなる可能性や面接での志望動機で不利になる可能性が高い。

そして、30歳を超えた再受験生は受験に失敗するとリカバリーが効きにくいため、そのフォローがしかねるということも一つの大きな理由だった。

医学部入学後が辛い

再受験生は医学部入学後のことは何にも考えないことが多いが、今一度入学後の生活に思いを至らせてほしい。

入学後は2~4年まで(場合によっては1年~)は勉強と実習一色の生活が待っている。
特に再受験生はその勉強スケジュールについていけないことが多い。
私の周りには、私を含め5,6人再受験生がいたが、留年、仮進級をせずに卒業できたのは、2人だけ(当時独身で20代)であった。

学士編入勢で既婚、子持ちが何人かいたが、進級できている人は配偶者の支援を受けられている人がほとんどであった。

それくらい勉強はハードである。
正直、勉強量は、医学部入学後 >大学受験 である。

また、これは私の大学での話になるが、大学入学後にトラブルを起こす率が再受験・学士編入勢で高かった。(繰り返すけれど一般の話ではない!)
どういう理由かは定かではないが、社会経験の浅い現役、1~2浪生を「コロコロ転がすのは簡単」と調子にのってしまった結果だと思う。

「自分はそんなこととは無縁だ!」
と思っているひとは、是非その決意を持ち続けてほしい。


以上のような、勉強面と大学入学後のトラブル率の面からやはり再受験生向けの塾を開くのは気がすすまなかった。

再受験生のみんながみんな、に当てはまる訳ではないことはわかっている。
立派な再受験生もたくさんいる。
ただ、立派な再受験生は淡々と自分で猛勉強して合格を掴んでいる。
私が開こうとしたような塾は必要ない。

なので、私は資金を違う方法で作ることにした。

あまりネガティブな記事をネットに上げるのはどうなのだろう、と自分でも思うけれど、少し思うところがあったので書いてみた。

これからは、起業についてポジティブに配信していきたいので、
どうぞよろしく!




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