苦手の話

不器用な人間なので苦手なことはたくさんある。数えきれないくらいある。
あれもこれもと言い出したらきりがないのだけれど、中でも特に苦手なのがATMでお給料日にお金を降ろすこと。算数が得意な方からしたらいったい何がどう苦手なんやろうね、と思うでしょう、そうでしょう。
引き落としがおいくらで、だから残高をいくらいくら残さないといけなくて、こちらの口座にあれそれ用にいくらいくら移して、手元に食費やら含めてえっと、これだけ残して、てなわけだから、あれえっと、いくらおろすんや、はてさて、といつも迷子になる。
それらをまとめてメモ用紙に書き起こして通帳に挟んであるのだけれど、何かしらのイレギュラーな支払いが舞い込んできたりするのだから、困ってしまう。そして、ATMというのは後ろに人が並んでいるのが相場ときている。一人また一人と増えるほど簡単な引き算も困難を極め、挙句、足すのか引くのかそんなことさえ分からなくなる。
焦る頭で何とか用を済ませ、他行の支払い用に預入をすればなんか残高がおかしいぞ、もう一度先ほどのATMの列の後ろに並びなおし、また一から、ということになる。
こういう日常のなんでもなさそうな雑事につまずくとなんでしょうね、なんだかとてもポンコツな気持ち。
あー、みんなしれっとお金を降ろしてなんてスマートに帰っていくのでしょうね、とATMの前にあるベンチで諭吉の整理を行う身の上です。
さて、今月ももうすぐお給料日。はらどき。

また読みにきてくれたらそれでもう。