ののはな通信 ネタバレ読書感想文

女子校で出会う二人の
静かな恋
二人の間で交わされる秘密の手紙の数々。
幼い恋から始まる物語は、やがて大人となった二人の人生へとつながっていく。

あらずじは多分こんな感じ

正直「面白いんかな?」って
でも三浦しおんさん好きやしな。って
そんな気持ちで手に取りました。

アタシには高校で出会った大切な大切な親友が居て
その子への愛は特別で逆にこういう本を読んでしまうと
恋愛感情にまとめられてしまいそうで
そんなちっぽけな感情じゃないんだけどなって思ってしまいそうで
若干嫌煙してしまっていました。

でも似てた
アタシがその子を想う気持ちに似てました
あんなに嫉妬に狂う感情や触れたいと思う気持ちはなかったけれど
離れなければ、離れよう、も存在しないけれど。
でもあえて言うなら離れても大丈夫。
会えなくて減るような気持ちではない。と断言できる感覚。
それを文字にされているようでした。

高校で出会って
幼い感情をぶつけ合った日々
そして再び連絡を取り合う40代

アタシも今40代で
表面上は年相応
人間関係も年相応
日常は潤滑で属するコミュニティでの役割はしっかり?果たしてる

けれど二人が送り合うメールの中で
たまに顔を見せる
幼いままの感情
その反面でそれだけに引きづられないバランス
絶妙に今の自分達40代を表現してくれているなってなりました。

現実が見えてくる
日常に追い立てられる
何かを忘れたくもないし
その愛についてだけ一日中考えて過ごせたらと思うけれど
そうは行かなくて
時間を消費する毎日
それでも決して消えない
「あなたが近くに居てる」と言う感覚
この世界のどこかに存在するあなたに
恥ずかしくない毎日を過ごそう
報告できる日が来ても本当の事をちゃんと伝えられる毎日を過ごそう

ののが言う
「祈る神を持てたら良いのに」
その言葉が印象的
その神のために起こる戦争もあるけれど
その神に祈る事で満たされる気持ち
救われる事もある事がすごく印象的でした。

往復書簡スタイルの小説だからこそ
内側がえぐられる
見せなかった気持ち
隠した言葉
でも確実に存在した感情
それが出された手紙からも
届けなかった手紙からも溢れていました。

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