見出し画像

腰痛に即効性のある治し方はあるのか?

最近、整形外科では腰痛で困っている方が多くご来院されますね。

この一年で特に増えたのではないかと思います。

本稿では、リハビリ現場でお伝えしている、今すぐできる腰痛対策をお伝えします。


①自己流で行って良い痛みか判断する

腰痛には自己管理してはいけない症状があります。

・転倒などの外傷後の痛み(骨折)

・寝てじっとしていても痛い(重篤疾患の可能性)

・強い痛みが膝より下まで広がる(神経根症状)

・陰部周囲の痺れや痛み、尿が出づらい(馬尾徴候)

・足の脱力感がある(筋力低下)

これらに一つでも当てはまる場合は、「特異的腰痛」に分類されるため、専門的な治療が必要となります。余計なことはせず早めに整形外科に受診をしましょう。

一方、上記症状がない場合、あなたの腰痛は「非特異的腰痛」と呼ばれる神経学的検査や画像診断で原因がはっきりしない腰痛である可能性が高いです。実は腰痛を訴える方の85%がこれに当たると言われています。


非特異的腰痛が疑われたなら、次に進みましょう。

②原因に当たりを付ける

まず立って前屈、後屈、側屈、捻りをしてみましょう。

特別に痛い方向はありますか?

以下のどれに当てはまるでしょうか?

A.どれも痛みが強く可動範囲も乏しい(炎症期/急性期)

B.痛い方向、楽な方向がはっきりしている(脊椎の不具合)

C.慢性的な痛みで、痛み恐怖感がある(脳機能の不具合)


A:怪我した直後と同様に、組織が過敏な時期です。

腰に過剰な負担をかけないようお腹を軽く凹ますようにお腹に力を入れると背骨が安定し、動きに伴う痛みが軽減できます。コルセットなどお持ちであれば、使うと良いでしょう。湿布(抗炎症薬)も有効な時期です。

その上で、過度な安静を避け、できるだけ通常通りに生活するよう心掛けて下さい。それが長引かせず回復する近道です。


B:炎症期を過ぎ、背骨の機能不全が残っている時期です。

背中や股関節(お尻、太もも裏)の柔軟体操が有効となります。

積極的に動くことが治療となります。

①お尻(殿筋群)のストレッチ:背中や腰をなるべく丸めずお臍を腿に近づけましょう。

画像2

②太もも裏(ハムストリングス)のストレッチ:膝を伸ばし、背中や腰をなるべく丸めずお臍を腿に近づけましょう。爪先を起こすとより効果的です。


画像3

③体幹のストレッチ


画像6https://style.nikkei.com/article/DGXMZO57080230S0A320C2000000/


画像4https://style.nikkei.com/article/DGXMZO57080230S0A320C2000000/

身体を傾けた側とは反対の足にしっかりと体重が乗るように意識するとより効果的です。


画像6https://marisol.hpplus.jp/article/21806

腰を反るのではなく、肩甲骨を後下方に引き寄せ、胸を前に突き出すように行いましょう。


C:炎症も機能不全もないのに、心理的ストレスが痛みを助長している。

近年、この社会心理学的な要因に注目が集まっており、科学的な根拠も蓄積され始めています。

このタイプに当てはまる人は、こちらのような本を読んで腰痛への理解を深めると良いかもしれません。

画像1

人生を変える幸せの腰痛学校 -伊藤かよこ

③痛みが出ない範囲で繰り返す

腰痛のある人は、普段の生活の中で長時間同じ姿勢をとっていたり、不自然な姿勢をとっていることが多いのが特徴的です。

いきなり生活習慣を直すことはできなくとも、1日の中で腰痛に繋がる悪循環を断ち切るように小まめに体操を行うことが大切です。

また、辛い痛みを我慢してまで強く行うと痛みにより筋肉はより緊張して硬くなろうとします。できるだけ呼吸が止まらない程度の強度で、リラックスして時間をかけてストレッチ(20秒~30秒を反復)などを行うと良いでしょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでもお役に立てば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?