見出し画像

【しろくまきりんさん応援記事】雑草の中に咲くひまわりのように

しろくまきりんさんの書かれた『失くした指で花を摘む』は、喪失の物語である。そのラストに救いはあるのか? それは読んだ人それぞれのとらえ方だろう。
夫婦、親友、葛藤、仕事、夢、そして喪失。
全てが植物のように絡み合い、全てがリストの曲のように複雑でもの悲しい美しさを放っている。
シンプルなピアノ曲『チョップスティック』を親友と奏で、夫と奏でた『いずみ』。彼女はきっと夫と親友の幸せを心から祈ったであろう。
ピアノの音が空気に溶けていくような、儚くも美しい物語の先。残された二人には、雑草の中強く咲くひまわりのように、希望に向かって真っすぐとシンプルな幸せをつかんでもらいたい。私は心からそう願う。

この記事が参加している募集

#創作大賞感想

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?