いつでも心は晴天で。【#才の祭】
「おひさまの下に出られないの」
夏なのに長袖の服。その手には、しっかりと日傘の柄が握られている。
彼女は、青空の下を歩くことができない。
彼女とは、偶然図書館で出会った。
僕の仕事は司書。予約していた本を取りに、そして読み終わった本を返しにくる彼女は、とても印象深かった。
夏でも、肌の露出が一切ない。
きっちりと肌を覆うかのように、黒色のロングワンピースにカーディガンを羽織り、あまり空調が効いているとは言えない図書館で、静かにハンドタオルで汗を拭っていた。
その