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猫のぴーちゃん

娘の所に猫を送り届け家に帰ると息子がソファで寝ていた。

しばらくして目覚めソファに座った息子の目は真っ赤に泣きはらし、ポロポロ涙がこぼれる。

「どうしたの⁉︎悲しい夢でも見たの⁉︎」
びっくりして聞く私。

「ピチコが生き返る夢を見た」

それは泣くよね。
ママだって、そんな夢見たら泣いちゃうよ。

ピチコとは1年前に虹の橋を渡った大事な大事なウチの猫。

「ピチコが生き返って、ねぇねに向かってワーッて走って行って膝の上にドンって飛び付いて、ねぇねが(いてーっ)って叫んでたんだけど、その横でママが笑ってた」

ピーちゃんが生き返るとこ以外は、いかにもあり得そうな光景。

ピーちゃんは息子には完全なる女子だった。
「ピチコ、今度生まれてくる時は人間で生まれておいで。ゆーきも人間で生まれてくるから、そしたら結婚しようね」と見つめ合い語り合う2人だった。


でも何故か娘には素っ気なく人間さながら喧嘩もしていた。

でも、娘が泣いていると「え?え?どうしたの?」みたいな素振りで周りをウロついたり
娘が一人暮らしをする為に出て行った後、娘の部屋に佇んだり、娘が置いて行ったブランケットを壁とタンスの間に引っ張り込んで、そこにうもれていたり、本当は大好きなんだよね。

まさか、こんなに早く天国に呼び戻されるなんて思ってもみなかった。

夢占いを見たら
「新しいペットが来ても私はあなたのそばにずっといます。」って意味だったらしくて
「ピチコはねぇねに、あんなだったけど本当は好きだったんだなー」って涙を流す息子。

猫を娘の所に送り届けた日に息子が見た夢。
娘は猫を迎えるにあたり、ピーちゃんに悪いって心のつかえがあったんだって。
だからこの話を聞いて娘も泣いてた。
ピーちゃんからのメッセージ、ちゃんと伝えたからね。
ありがとね。ぴーちゃん。

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