上田泰史先生翻訳によるアルカンの評伝が出版

長年ピティナ・ピアノ曲事典の編集に尽力されてきた音楽学者の上田泰史氏翻訳による新刊書「評伝 シャルル=ヴァランタン・アルカン ピアノの錬金術師」が7月21日に発売されました。上田氏はこの4月より京都大学へ准教授として着任し、当研究所の研究員として今秋に就任予定です。この評伝の内容について、上田氏より下記のコメントを頂きました。

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アルカンが生誕200年を迎えた2013年、フランスでアルカン伝が刊行されました。著者は、ブリジット・フランソワ=サペ氏とフランソワ・リュグノー氏のお二人です。この度刊行されるのはその邦訳で、本書が増補・改訂を経た最新版となります。日本語による情報の乏しかったアルカンの人生と作品、彼の時代を、史料に基づいて丹念に辿ることで、仏ロマン主義器楽(ピアノ曲、室内楽)という未開拓の世界に新たな光が当てられます。アルカンは、いまやショパンやリストを語る上でも無視できない存在です。巻末には、充実の年表、ディスコグラフィ、訳者註・解説も付いていますので、ロマン主義や鍵盤音楽史にご関心がおありの方は、ぜひ、ご一読いただければ幸いです。

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