見出し画像

タンパク質は慎重に選びましょう

どうも、予防栄養学アドバイザーの中村です。
今回はタンパク質の選び方について解説いたします。
タンパク質はお肉やお魚、大豆に含まれる栄養素ですが、私たちの体を形作るだけでなく、神経の伝達物質やホルモン、酵素などの材料となって体の機能を維持するのにも重要な栄養素です。

どんなタンパク質を食べるか

タンパク質なら何でも良いというわけではありません。
特に重要なポイントは必須アミノ酸(体のなかで合成できないもの)がバランスよく含まれていることです。
このバランスの良さを表す指標としてアミノ酸スコアというものがあります。
※必須アミノ酸についてはこちらの記事をご覧ください。

必須アミノ酸がバランスよく含まれるのは動物性のタンパク質です。
そのため牛、鶏、豚、魚の摂取が重要です。
ベジタリアンの方は大豆がアミノ酸スコア100となっていますので、大豆は外せません。

タンパク質は非常な重要な栄養素ですが、選び方によっては身体にとって良くない物質を取り込んでしまいます。
特によく食べる肉類は注意が必要です。

牛肉の選び方

牛肉には穀物を餌にしているグレインフェッドビーフと牧草を餌にしているグラスフェッドビーフがあります。
グレインフェッドビーフは遺伝子組み換え穀物を食べている可能性が高く、有害な除草剤や防虫剤を吸収している可能性があります。
こうした有害な物質は可能な限り体内に入れないことが重要です。
なぜなら有害物質は最終的に『体のなかで炎症を起こす』ことになるからです。

一方、グラスフェッドビーフは牧草を食べているのでそうした心配がありません。
これは牛乳でも同じことが言えます。
グラスフェッドビーフの生産者は健康に留意している方が多いので、牛乳をたくさん出すためのホルモン剤や乳腺炎に対する抗生物質などにも配慮されていることが多いです。
またエゴマなどを食べてオメガ3脂肪酸を豊富に摂取している牛もあるようです。
牛肉には基本的に亜鉛が豊富に含まれますので、亜鉛が不足しがちな日本人はグラスフェッドビーフを積極的に摂るようにしましょう。

鶏肉の選び方

次に鶏ですが、同様に自由に歩き回れるように育てた平飼いの鶏を選びましょう。
鶏舎でぎゅうぎゅう詰めにされている鶏は不健康で遺伝子組み換え作物を餌にしていることが多いです。
牛肉の飼料でも同様ですが、遺伝子組み換えということは除草剤に耐性がついていて、除草剤が付着しても枯れないようになっています。
つまり、除草剤の成分を動物が摂取して、体内に残存していることが考えられるということです。

一方で、平飼いの鶏にはイワシを餌に混ぜてオメガ3を強化している飼料などを与えている場合が多いです。
この場合は、体内にオメガ3脂肪酸が残存しているので、とても健康的です。
また、鶏肉には基本的にカルノシン(イミダゾールペプチド)が豊富に含まれおり、疲労軽減の効果があります。

豚肉の選び方

豚肉はオメガ9脂肪酸が豊富なイベリコ豚が良いです。
ドングリを餌にしていることがオメガ9脂肪酸を豊富にする理由です。
オメガ9脂肪酸はオリーブオイルにも含まれるオレイン酸です。
オレイン酸には抗炎症作用やインスリン抵抗性を改善する効果があります。

以前は豚肉を食べると肥満になるというイメージがありましたが、逆に肥満を解消するために豚肉を摂取しなければなりません。
豚肉には基本的にビタミンB群が豊富に含まれており、皮膚や粘膜の健康維持やエネルギー代謝の改善に効果があります。

魚の選び方

魚選びは水銀などの重金属問題に気をつける必要があります。
日本近海も水銀濃度が高いことが分かっています。
小さな魚はそれほど心配しなくても良いですが、大きな魚はそうはいきません。
小さな魚を少し大きな魚が食べ、少し大きな魚をもっと大きな魚が食べるということをしていくうちに、水銀濃度がどんどん高くなります。
これを生物学的濃縮と言います。
マグロのような大きな魚には注意が必要です。

一方、小さな青魚はオメガ3脂肪酸、特にDHAやEPAが豊富なので積極的に摂るようにしましょう。
心臓病や動脈硬化、アルツハイマー病予防に効果があります。

大豆の選び方

最期に大豆ですが、国産有機のものを選択しましょう。
アメリカやカナダ産のものは遺伝子組み換え食品である可能性が高いです。
大豆はアミノ酸スコアが100で全ての必須アミノ酸を効率よく摂取することができます。
また、更年期以降の女性には嬉しいフィトエストロゲンが豊富です。
これで骨粗鬆症を予防することができます。
大豆に含まれるゲニステインは乳がん予防や乳がんによる死亡リスクを下げる効果があることが分かっています。

大豆を選択するときにやはり納豆が最強です。
大豆にはレクチンというちょっぴり有害なタンパク質も含まれますが、発酵によりレクチンを減らすことができます。
また納豆に含まれるビタミンK2(メナキノン)は骨を強くしたり血液凝固作用があります。
ナットウキナーゼという酵素も有名ですが、これは動脈硬化予防に効果があります。
納豆について詳しく書いた記事もありますので是非ご覧ください。

植物性タンパク質と動物性タンパク質の比は3:7が良いようです。
動物性タンパク質の割合が多くなると死亡リスクを上昇させてしまうので、間に納豆を摂るようにすると良いでしょう。
ちなみに肉と魚の比は1:1が良いようです。

この記事が参考になった方は是非『スキ』や『フォロー』をお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?