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納豆を食べましょう!ビタミンK2の知られざる効果について

どうも予防栄養学アドバイザーの中村です。
納豆食べてますか?
私は正直昨年の秋ごろまでほとんど食べたことがないぐらいでした。
でも納豆に多く含まれるビタミンK2の健康効果を知ってからは『なんて素晴らしい食品なんだ』と毎日食べています。

ビタミンKに対して誤解していませんか?

私は完全に誤解していました。
正直に言って、まずビタミンKに『K1』と『K2』があることすら知りませんでした。
ビタミンKと言えば「脂溶性のビタミンで血液凝固に関する栄養素でしょ」というぐらいの認識でした。
もっと言えば、「脂溶性ビタミンは卵が全てカバーしてるから卵さえ食べておけば大丈夫でしょ?」と甘くみていました。
これは全くの間違いでした。
ビタミンK1とK2は全く異なる栄養素だったんです。
ビタミンK1は確かに血液凝固に関する栄養素ですが、ビタミンK2は生活習慣病を予防するために必要不可欠な、とんでもない潜在能力を秘めた栄養素です。
現代社会の食生活における『救世主』です。

ビタミンK1について

まず、一般的に知られているビタミンK1ですが、これは『フィロキノン』と言います。
植物が光合成をする際にも必要な栄養素で、緑色野菜を食べることでたくさん摂取することができます。
ヒトにとっては血液凝固に欠かせない栄養素です。
フィロキノンがないと血液を固めることができません。
傷ができたときに血が止まらないということになってしまいます。
皮膚や粘膜など見えている部分はもちろんのこと、体内で起こる出血でも同様です。
血液が止まらないというのは致命的なので、フィロキノンも重要な栄養素であることには違いありません。
ただし、一度使ったフィロキノンをもう一度再生させて使うことができるので、不足することはほとんどありません。
ちなみに、血栓の予防などで用いられるワーファリンというお薬はこのフィロキノンの再生を阻害することでその効果を発揮しているようです。

ビタミンK2について

ビタミンK2はメナキノンという物質です。
ヒト以外の動物では植物からフィロキノンを摂取すると体内でメナキノンを合成できるようです。
ヒトの場合も腸内細菌叢が一部合成してくれていますが、十分な量ではないので必ず食品から摂取する必要があります。
動物のお肉や、納豆など細菌が合成してくれたメナキノンを摂らなければなりません。

ビタミンK2は血液凝固には一切関わりません。
簡単に言うと骨や歯を丈夫にして、動脈硬化を予防してくれます。
骨や歯は年齢とともに弱くなります。
そして血管は年齢とともに硬くなります。
これらが老年期に起こる骨粗鬆症、脳卒中、心筋梗塞、肺塞栓、認知症などの疾患と直接的に関わっています。
つまりビタミンK2は老化に伴う深刻な病気を予防する栄養素と言えます。

ビタミンK2が骨や歯を強くする仕組み

日光に当たると骨が強くなるというのは聞いたことがあるのではないでしょうか?
その際に話に出てくるのはビタミンDです。
日光に当たると皮膚の内側ではコレステロールからビタミンDの前駆体(プロビタミンD)ができます。
そのプロビタミンDは肝臓や腎臓、免疫細胞などで代謝されるとビタミンDとして様残な健康効果を発揮します。
そのうちの一つが『オステオカルシン』という物質の合成です。
オステオカルシンこそ骨や歯を強くするための鍵となる物質です。
ただし、ビタミンDの仕事はここまでです。
実際にオステオカルシンを活性型に変える仕事をするのは、実はビタミンK2なのです。
オステオカルシンは『ビタミンK2依存性タンパク質』なのです。
ビタミンK2がなければ燃料のない車と同じです。
オステオカルシンが活性化されると骨にカルシウムを引き込みます。

ビタミンK2が動脈硬化を予防する仕組み

同様に、ビタミンDがマトリックスGlaタンパク質(MGP)という物質を合成します。
MGPもビタミンK2依存性タンパク質です。
ビタミンK2がなければこの素晴らしいタンパク質もゴミと一緒です。
ビタミンK2がMGPを活性化させると、動脈にあるカルシウムを回収してくれます。
既にできたプラーク(動脈硬化が起こる際にコレステロールよりも先にカルシウムが沈着する)であっても、そこからカルシウムを回収します。
つまり動脈硬化を予防したことになります。

納豆が重要である理由

さて、冒頭で納豆がビタミンK2を含む素晴らしい食品と紹介しましたが、どうして納豆を推しているのかを説明します。
先の説明では光合成をする植物を食べている動物の肉にもビタミンK2が含有しているはずです。
しかし、最近の牛、豚、鶏は光合成をする植物をあまり食べていないんです。
霜降り肉が糖化現象を起こした筋繊維であることは一目瞭然です。
つまり糖や油脂を多く含むエサをたくさん食べているわけです。
青々と茂った牧草を食べている、つまり放牧されている『グラスフェッドビーフ』ではないんです。
ずばり穀物を食べている『グレインフェッドビーフ』です。
豚や鶏も同様に自然な環境で育っていません。
残念ながらグレインフェッドビーフにはビタミンK2が含まれていないんです。

さらに、グラスフェッドビーフなど動物から摂れるビタミンK2は『メナキノン-4』(MK-4)です。
一方、納豆など細菌から摂れるビタミンK2は『メナキノン‐7』(MK-7)です。
両者の働きは同様なのですが、代謝のされ方が違います。
MK-4よりもMK-7の方が強くて長持ちなんです。
ですから、MK-4はたくさんこまめに摂取する必要があり、MK-7は一日一回少量摂れば良いことになります。
そして、納豆1パックにはその必要量の2倍以上のMK-7が含まれています。

もっと言います。(納豆の業者ではありませんよ(笑))
ビタミンK2は骨粗鬆症や動脈硬化(脳卒中、心臓病)を予防するだけではありません。
糖尿病、不妊症、アルツハイマー病、しわ、がんなどの効果も報告されています。
そのメカニズムのなかには、アディポネクチンと呼ばれる長寿ホルモンの分泌や、慢性炎症の原因である活性酸素(フリーラジカル)の発生を抑制することなどが含まれます。
フリーラジカルについてはこちらで詳しく説明していますのでご参照ください。

つまり、納豆を毎日1パック食べることで様々な生活習慣病を予防することができます。
ただし、国産の遺伝子組み換えでない大豆を使っていることを確認してください。
また、付属のタレやからしに含まれる添加物にもご注意ください。
この『添加物』に関する注意点も後日紹介したいと思います。

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