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枯草の根

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社会不適合でも頑張って生きてる、と証明するには文章を書くしかあるまい。そんなことを思いながら、書いているのです。
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#日記

手と手をとって

 吐きたい愚痴は飲み込んで、楽しさ求めて飲み込んで。不覚に吐いても飲み込んで。見られぬように舐め尽くす。潔癖症なスカトロジイ。快楽愉悦のユートピア。「果実」を食べても不可失楽園。笑顔の化粧は血に守られて、天に唾せば躊躇い傷と。水を飲め飲め、吐瀉祭。宴の後には大掃除。

 殺せ。この機械人形を。中身を引きずり出せ。

技術の進歩は、人間の進化ではないか、と考える。

例えば、枕。元来、ニンゲンという種は地べたに頭を置いたり、壁にもたれかかったりして睡眠を取っていた。しかし、頭を安らげるために石や腕に、頭を置いて寝ることを獲得した。

それから、枕という道具を発明し、より睡眠時の頭部の安定を求めた。

これはもはや、「ニンゲンは『枕』と呼ばれる道具を用いて頭部を安定させて眠る種に進化した」と呼んでも良いのではない

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不可思議な心境

 最近、味わったことのない心境に、感情の大部分を支配されている。今まではこんなことはなかった、と、そう思っていたところで意味はない。今はその例外の中にいる。

 正直に言えば、戸惑っている。相手を戸惑わせている以上に。それでいて、楽しい。今までに味わったことのない感覚を、今味わえているということが、楽しい。今まで通りの感情ではない今の私の心が、楽しい。新鮮かつ、不可思議であるからだ。

 これは、

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心に飾るヴァニタス

 ヴァニタスは、芸術の分野で用いられる概念。絵画の中に、髑髏や朽ちゆく花、果物、肉や、壊れる時計など、頽廃を入れることで死の自覚を呼び起こす。

 近い概念としては、「死を想え」といった意味の「メメント・モリ」や、「ダンス・マカブル」が挙げられるだろうか。

 いずれも、「死」を強く意識させる。慎重、ネガティヴを思わせる概念だが、「死を避けることは出来ないのだから踊れ」といったニュアンスも存在する

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世間での認知度がおぞましいほど低いこと。直木賞で選ばれるような「大衆文学」はエンターテインメントなのでストーリーでドキドキさせたり感動させたりするのに対し、芥川賞で選ぶような「純文学」は、自己の内面をどのように表現するか、の芸術目的の執筆なので、オチがないのも当然だし起伏も不要。