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エストロゲンの減少は女性の肥満と関係する?しない?


こんにちは、青木です。


女性ホルモンの代表格のエストロゲンですが、
出産や更年期といった女性のライフステージに
影響を及ぼすホルモンでもあります。


エストロゲンの減少は女性の体に
様々な変化を与えますが、
一般的に肥満と関係するとされています。


今回はエストロゲンについて、
研究論文からの報告を踏まえながら
肥満との関係について深掘りしたいと思います。


ではどうぞ。

結論

エストロゲンの減少は女性の肥満に直接的、間接的に影響を及ぼす

エビデンス

参考論文


「Ovarian hormones and obesity.(卵巣ホルモンと肥満)」

閉経後のエストロゲンの損失は、総脂肪組織量を増加させ、除脂肪体重を減少させ、体重の正味増加につながります。

Leeners, B., Geary, N., Tobler, P., & Asarian, L. (2017). Ovarian hormones and obesity.. Human reproduction update, 23 3, 300-321 .


「Weight control and the management of obesity after menopause: the role of physical activity.(体重管理と閉経後の肥満の管理:身体活動の役割)」

https://doi.org/10.1016/S0378-5122(02)00328-6

閉経後の体重増加は、内因性エストロゲンと身体活動の低下に関連しており、ライフスタイルの変更によって改善することができます。

Dubnov, G., Brzezinski, A., & Berry, E. (2003). Weight control and the management of obesity after menopause: the role of physical activity.. Maturitas, 44 2, 89-101 .

エストロゲンが肥満と関連する理由

エストロゲンの機能


エストロゲンは脂肪細胞の分化を抑制したり、
脂肪組織に貯蓄されている脂肪細胞の代謝を
促進する役割があると言われています。


また、エストロゲンは中枢脂肪組織量を減らし、
保護的な心臓代謝効果を有する
グルテオフェモラ下皮下脂肪組織量を
増加させる役割があるとも言われています。


閉経後のエストロゲンの減少は、
この保護脂肪分布を逆転させてしまいます。


こういった機能を持つことから、
エストロゲンが減少すると脂肪組織が増えて
肥満が進んでしまうと考えられます。

身体活動低下による影響


閉経後はエストロゲンの低下に加え、
自律神経系の不調が加わります。


これにより、睡眠障害や血管運動症状、
うつ症状などが引き起こされます。


睡眠障害やうつ症状は、
例えば友達や家族と出かけたり、
近所を散歩して体を動かしたり、
何かする意欲を低下させる要因のため、
自然と身体活動量が低下してしまうのです。


結果、エネルギー消費が低下してしまい、
肥満が進んでしまうというわけです。

まとめ


いかがだったでしょうか?


産後や更年期に体重が増えてしまい、
ダイエットを始める方は多いと思います。


色々話しを聞いていくと、
食べる量は変わらず、
運動量も以前と同じくらいに戻っており、
だけど体重は増える、または変わらない、
そのように仰る方はとても多いです。


もちろん、全ての方に
当てはまるわけではありませんが、
ホルモンバランスの影響や、
それに付随する身体症状の影響を
今一度見直すと要因が見てくるかもしれません。


ただ、ホルモンバランスを非薬物療法で
改善することはなかなか難しく、
おすすめの方法を伝えることはできません。


ですが、体重増加の原因となるものが何なのか、
それが少し分かるだけでも安心材料に
なると思います。


少しでも参考になれば幸いです。



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