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血液検査 血球成分 Hb (ヘモグロビン)

Hb(ヘモグロビン)とは

Hbとは赤血球中の蛋白質であり、酸素と結合することで全身に酸素を運搬する役割があります。その増減により症状が出現するため、運動時、リハビリを行う時には確認しておく必要があります。

Hbが高値の時

Hbが高値の時の症状としては、頭痛、めまい、のぼせ、耳鳴り、高血圧などがあります。体水分量の低下により相対的にHbが増加する(相対的多血症)。低酸素による赤血球の産生(エリスロポエチン産生)の増加(二次的性多血症)によりHbも増加する。

下痢や嘔吐による体水分量の低下は、循環血液量の低下に伴い頻脈になる傾向があるため、運動時の心拍数は確認する。こまめに水分補給を促してもよいと思われます。Hb高値の場合でもSpO2を評価し、低酸素血症の有無を評価する。Hb高値の時には血液粘度が高まるため、他の凝固系検査値や抗凝固療法の有無も確認する。喫煙や肥満などの生活習慣によりHbが上昇することがあるため、生活習慣も把握し見直す必要がある。

Hbが低値の時

症状としては、めまい、息切れ、倦怠感、頻脈、易疲労性、手足の冷感、血色不良(チアノーゼ)などがあります。骨髄での産生低下やエリスロポエチン産生抑制などによりHbが減少してしまいます。その他、赤血球の破壊亢進(溶血性貧血など)によりHbが減少することもあります。

運動、リハビリ時に注意すべきこと

Hbが減少すると酸素の運搬の運搬能力が低下するので低酸素血症、各種臓器への酸素不足に伴う症状(チアノーゼ、易疲労性など)を確認し、運動時、リハビリ時にSpO2が90%未満ににならないか確認する。しかしながら、安静時でSpO2が100%近くの場合で労作時においてそこまで低下するってことは、それなりに身体への負荷がかかっているということになりますので、運動時にSpO2の低下を認める場合は休憩を挟んだ方が良いと思われる。

急性期病院での評価や既往歴に呼吸器疾患の病歴がある方では手足に冷感チアノーゼといった身体症状も評価しておく。血中酸素濃度の低下に対して心拍数を増加させることで全身に酸素を送ろうと代償するため、安静時ならびに労作時における頻脈の有無を確認する。具体的には120台になった時には休憩して状態を観察しましょう。

貧血が進行しHbが8.0g/dLを下回る場合は輸血を必要とすることがあります。輸血が必要な場合は一時、運動、リハビリを中止した方が良い。

がんリハビリの実施基準では7.5g/dL以下ではリハビリ中止が推奨されています。



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