実習中に教えている『筋肉の収縮様式』について
はじめに
これは
・実習(臨床)では『筋肉の収縮様式』をどう捉えているのか知りたい
・実習の際に最低限覚えておきたい『筋肉の収縮様式』の基礎について知りたい
・『筋肉の収縮様式』の基礎を復習しておきたい
・実習がなくなったから漠然と不安を抱えている
そんな方におすすめのnoteです。
どうも!
Twitterやブログを中心に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の実習生のサポートをしている長谷川元気です。
今回は『筋肉の収縮様式』の基礎について、私が実習で学生さんに伝えていることを中心に触れていきます。
実習は養成校で習う知識(点)を、臨床でも使える知恵(線)として学ぶ大切な場です。
しかし、2021年1月現在、一昨年から猛威を振るうCOVID-19の影響によって”実習を受けることができなくなってしまった”という学生さんも多く、臨床へ出る不安を目にすることも多くなってきました。
そこでこの度、私、はせがわはそんな学生さんのために、実習で培うであろう知識をここで共有し、”少しでも臨床へ出る不安を軽減できたら”という想いで、このnoteをシリーズ化しています。
シリーズはこちら
こんな時だからこそ、できることをお互いに積み上げていきましょう。
理学療法士の未来は決して暗くありません。
私たちが切り開くのです。
「こんないい職業は他にない」
実際に働いて、日々感じていることです。
ぜひ、同じ臨床のステージで、楽しい話ができることをお待ちしております。
そんな想いで生きている人もいるんだなということは覚えておいていただけると嬉しく思います 笑
さて、お待たせしました!
ここらで切り替えて本題に移ります!!
どうぞお楽しみください♪
トレーニングする際には『目的』が重要!
前回のnoteではトレーニングには『目的』が大事だよーという話にも触れました。
「なんのためにトレーニングするの?」
必ず自問してくださいね。
例えば、その方が
”100m走るスピードをあげたい”
のか
”フルマラソンのタイムをあげたい”
どちらか知っておかなければ、むやみにトレーニングしても、著しい効果がでませんよね。
この瞬間の力と持久力を鍛えるためのトレーニングメニューは、全く異なるものであると、感覚でもわかりますよね。
臨床でいえば、
”立ち上がり動作の介助量を減らしたい”
のか
”着座動作の介助量を減らしたい”
ではメニューも変わってきそうですよね。
ということで、今回はその『トレーニングの目的』を意識するためのキーワードとなる『筋肉の収縮様式』について触れていきます。
そのために、まず、臨床ではどうやって目的を決めているのかという思考を整理していきましょう。
問診・評価して『目的』を炙り出す。
目的を決めるためにはまず、問診をして患者様のHOPEを聞き出します。
そして理学療法評価へと移っていくわけですよね。
そうすることでHOPEに対するNEEDを抽出することができます。
こうしてざっくりとトレーニングをする目的を設定します。
さらにこの目的の中で、「この方のトレーニングには運動療法が必要だ」となった際に知っておきたい知識があります。
それが今回のテーマ『筋肉の収縮様式』です。
筋肉の収縮様式について
筋肉の収縮様式とは、
関節運動を伴わない静的な『等尺性収縮』
関節運動を伴う動的な『等張性収縮』
関節運動を機械で一定速度に調整する『等速性収縮』
のことです。
それぞれについて簡単にまとめます。
『等尺性収縮(アイソメトリック)』
関節運動を伴わないため、筋の長さが変わりません。
だから”等尺”なんですね♪
(実際には筋肉自体は短縮しますが、腱が伸びるので全体の長さでいうと変わっていない収縮様式です。)
よく「プランク」などの体幹トレーニングが例として挙げられています。
臨床では関節運動を起こさないようにできる筋トレのため、骨折後のギブスやシーネ固定中、動作時痛が強い方にもこの収縮様式をよく用います。
そのため、イメージとしては、筋トレというよりは、姿勢保持、廃用予防目的で使われている印象です。
※『長さ‐張力関係』なんて知識もこれに関連してありましたよね♪
『等張性収縮(アイソトニック)』
これは2つに分けられいて、
関節運動として筋の長さが短縮する《求心性収縮(コンセントリック)》
関節運動として筋の長さが伸長する《遠心性収縮(エキセントリック)》
があります。
筋トレといえば、このイメージが強いですよね。
臨床でもそれは同じです。
よく挙がる例として、スクワット中の大腿四頭筋を考えてみると、
腰下げるときは遠心性収縮。
腰を上げるときは求心性収縮。
となります。
臨床では、どの筋の遠心性、求心性が問題となっているのかを見分けていくことが大事です。
それは動作中の姿勢や肢位などのアライメントによっても、変わってくるからです。
つまり、動作分析が重要になっていきます。
また、よく筋トレ本とかでは「筋肥大のために遠心性収縮運動をしよう」と言われていますが、臨床では気をつけたほうがいい場合もあります。
たしかに筋肉への負荷が遠心性>求心性となっている(1.5倍くらい違うと言われている)ため、筋トレ効果としては高いものとなります。
ただ、患者様の多くは筋肉に損傷がある状態です。
そんなときにさらに負荷をかけたら、、、だめですよね。
なので、痛みや損傷度合いにも注意しておきましょう♪
『等速性収縮(アイソキネティック)』
特殊な機械を用いて評価する目的で使われます。
ただ、この知識はスポーツ選手やアスリートくらいしか使わないかな。。。
って感じです。
私は学校の授業くらいでしか使ったことはありません。
スポーツリハビリテーションの道に進む方は、チェックしてみても良いかと思います。
臨床での理想と現実
筋にはこうしたいろいろな収縮様式があります。
リハで行いたい理想的なトレーニングは、患者様の抱くHOPEに合わせたNEEDの動作において、必要とされる収縮様式を用いたものです。
これがトレーニングの目的となります。
しかし、実際にはその収縮様式をすることでのデメリットが多く生じてしまうこともたくさんあります。
ここから先は
¥ 120
最後まで読んでいただきありがとうございました! このnoteはレッドブル片手に作成したものです。 サポートいただいたお金は、執筆時の”翼”としてありがたく活用させていただきます!