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個人差をなくせ!股関節の形状を活かす臨床


臨床で股関節介入の悩みの多くが、個人差による股関節の形態の違いです!

男女差もありますし、同性でもその形態は個人差が出ます。
その個人差をいかにして徒手評価で数値化できるかどうかが
我々の臨床の鍵です。


そんなブラックボックスである
股関節の介入に自信を持つための武器が……


頸体角と前捻角を理解することです!


どう活かすべきなのか、さっそく内容に入りましょう!

股関節の形状理解


頸体角:X線上において、①大腿骨骨幹部軸と大腿骨頸部軸でなす角度。125-130°が正常角度。徒手では無理ですね……

頸体角はX線上でしっかりと確認しましょう!
頸体角が大きければ(130〜)股関節は外転位、小さければ内転位という解釈にもなります。

よって、大きい場合は外転筋が短縮位、小さい場合は内転筋が短縮位になりやすいです。

前捻角(正式名称:大腿骨頸部前捻角):THAにおける股関節ROMの確保や脱臼リスクに直結する。臼蓋の前捻と大腿骨の前捻角の合算が30~50°であれば骨性のROM制限が起きにくい。臨床では大きければ股関節は内旋位、小さければ外旋位となると考えるべき。正常角度は15°。


つまり、前捻角は
股関節周囲の軟部組織の短縮や伸張状況に影響を与えるので
股関節ROMにも影響を与えることが考えられます。


実際に臨床では………


前捻角が大きいほど股関節屈曲ROMが大きく、内旋位のため内旋筋群が短縮位になっている上に外旋筋群が延長位になっているので収縮力が低下しています。

前捻角が小さければ股関節屈曲ROMが小さく、外旋位のため外旋筋群が短縮位になっている上に内旋筋群が延長位になっているので収縮力が低下しています。


やたら外旋or内旋ROMが大きくactiveに動かせない股関節を持つ患者さん、なんて臨床経験をしているセラピストは多いはずです。

あなたも身に覚えはあるのではないでしょうか。


前捻角の徒手評価


クレイグテスト(対象となる股関節の中間位を評価する方法)
評価方法:腹臥位、膝関節屈曲90°が開始肢位。大転子の一番飛び出している部分を触診しつつ、股関節を内旋していく。その内旋時に大転子の一番飛び出している部分が最も外側に位置する部分がその股関節の中間位となる。

前捻角が大きい人ほど、股関節の内旋角度が大きく下肢の床に対する角度が小さくなります。

このようにX線で頸体角を把握し前捻角を徒手評価で理解することが臨床を一歩先に進めるためのコツです。


臨床での活かし方


頸体角は外転or内転
前捻角は外旋or内旋


これがわかるので、介入する際にはあらかじめこの二つの角度を評価しましょう!

そうすると、その患者さんの股関節の形状がわかるので筋組織がどのようになっているかを理解しやすくなります。


頸体角が130°以上で前捻角が15°以上であれば、
股関節は外転・内旋位が取りやすい。

頸体角が130°以上で前捻角が15°以下であれば、
股関節は外転・外旋位が取りやすい。

頸体角が130°以下で前捻角が15°以上であれば、
股関節は内転・内旋位が取りやすい。

頸体角が130°以下で前捻角が15°以下であれば、
股関節は内転・外旋位が取りやすい。


このような形状になります。
これをパターン化してしまえば、臨床も評価速度がグッと上がりますのでぜひお試しください!



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