腹斜筋群の機能解剖から体幹機能を捉える
脊柱の圧迫骨折や分離症、脊柱管狭窄症(LCS)、脊椎ヘルニア、さらには上下肢の整形外科的疾患において体感機能を重視するのが主流になった現代のセラピスト業界。
確かに体幹機能をあげておかないと身体機能の改善には繋がりにくいし、そもそも動作時の安定性向上にはなりません。
言わずもがな体幹機能は重要です。
が、
大切→鍛えるべきポイント→エクササイズの方法→とりあえずプランクだ!
なんて思考になってませんか?
明確な理由があってそれを実施するのであれば問題ありませんが、何となく実施して効果があまり出ていないにもかかわらず継続するのは考え直さないといけません。
では、体幹機能障害を改善するにはどんな運動が適しているのか?臨床ではどんなことを考えるべきなのか。
今回の記事はそんな疑問に対して解説していきます。
■腹斜筋群の構成要素
そもそも論で、体幹はどこまでなのか?という議論がずっと続いています。
腹部及び腰部だけが体幹だ!
という意見もあれば、
胸郭も含めて体幹だ!という意見も少なくない。
定義されていない部分かなと思います。
でも、言葉の意味を正確に捉えるとしたら私的にはこう考えます。
脊柱が通るところ全て体幹
です。
体幹=身体の幹という訳です。幹はそのものの土台や主軸という意味になります。発生学的にいうと人間の身体は脊索という部位から発生していきます。
この脊索がやがて脊柱になるわけですが、一番初めにできるということは人体において最も重要な部分だと認識できます。
となれば、必然的に脊柱が通る頚椎から腰椎、そのさきの仙椎が体感になるという判断ができるかな、と。
この辺りは人によって意見が分かれますが、私は少なくともこう考えています。
そして、その体幹を構成する一部として腹斜筋が存在しています。
腹斜筋は〜群と言われる通り、内外に大別されます。そこから繊維ごとに分かれます。
腹斜筋群と言っても細かく見ると、繊維が分かれており、それぞれ機能も異なるため、分けて考えることがポイントです。
内腹斜筋と外腹斜筋の違いは、外腹斜筋が第5肋骨まで付着するのに対し、内腹斜筋は第10肋骨までしか付着しないこと。
このポイントをしっかりと抑えておいて、臨床でみていくことをおすすめします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?