膝関節シリーズ〜学生レベルを臨床応用する〜
安齋です!
膝関節シリーズです!
早速話を進めます。
【膝関節〜屈曲ー伸展運動〜】
自動屈曲:あらかじめ、股関節が屈曲している場合であれば140°まで達する。股関節が伸展していると120°まで達することができる
→ROMの教科書に載っている参考可動域はあくまでも前提条件として
股関節伸展位の膝関節屈曲角度
ということになります。。
他動屈曲:160°まで達する。踵を臀部に接触させることができるのはこの可動域があるから。この運動は膝関節の自由度を測るために重要なテスト
→よく耳にする踵殿間距離(HHD:Heel height difference)はこのこと。本来、膝関節はここまで自由度がある。膝関節の可動域がここまで得られないということは、おおよそが大腿四頭筋の拘縮や膝関節の関節包の拘縮が疑われます。
→まずは基礎を評価するために、大腿直筋の伸張性評価(エリーテスト)を行うことが優先事項。そこから膝蓋骨の可動性評価、脛骨の可動性評価など行うと評価の流れとして正確になります。
【屈曲ー伸展時における脛骨関節窩に対する大腿骨顆部の運動】
関節運動には滑り転がり運動があるが、なぜこの運動があるのか。
→膝関節は大腿骨と脛骨となる関節。その形状は、
・大腿骨顆部はタイヤの様な形
・脛骨関節窩は窪んだ形
この形状を考えてほしいです。
仮に、転がり運動のみだと、脛骨関節窩を転がった場合、関節面から外れてしまう。つまり脱臼。
脱臼させないためには、転がって、前方移動する必要があります。
だから、関節運動において転がり滑り運動は大切。
・大腿骨の内側顆と外側顆では転がり運動の範囲が異なる。
・内側顆:完全伸展位から10〜15°まで
・外側顆:完全伸展位から20°まで
この運動範囲の違いが膝関節の正常な関節運動をすることができます。
ちなみにこの運動は、正常歩行での膝関節におけるダブルニーアクションに完全に一致しているということだけ把握してください!
【屈曲ー伸展運動における解剖学の知識を臨床に活かす】
ここまで知識をざっくりと書きましたが、これをどうやって臨床に活かすといいのでしょうか。
これらを臨床に使えるように圧倒的に噛み砕いて書いていきます!
転がり滑り運動をどう活かす?
まずはここから説明する。
膝関節における転がり滑り運動が正常に起こるということは、
純粋な膝関節の屈曲ー伸展運動ができるということ。
ということは、関節可動域に問題ないということになります。
あとは、筋力向上やability up、stability upのための臨床介入を行えばいいということです。
では、そうでない場合はどうしたらいいか。
仮に完全伸展ができない場合を一例に挙げますね。
完全伸展ができないということは、
・Humのストレッチが掛けにくい
・Quadの収縮が全張力の関係性を捉えられない
ということ。
ここで、じゃあどうしたらいいのか。
完全伸展ができないのは、
・Humの筋性拘縮
・膝蓋上のうの拘縮
・膝蓋下脂肪体の可動性低下
・Quad weakness
などの問題点が挙がります。
今回は純粋に関節運動を正常化させるというところにフューチャーすると、
・完全伸展直前の脛骨外旋が機能しない
ということ。
脛骨の外旋を正確に入れるには、
・大腿骨ー脛骨のアライメントの補正
・大腿二頭筋外側頭
・大腿筋膜張筋(TFL)
これらの介入が必要になります。
ただし、TFLは膝関節屈曲位でのみ外旋作用をする。
アプローチは、
①リアライメントしつつ、②徒手療法で脛骨の前方移動と外旋を促しながら、③完全伸展位からアセスティブに膝関節屈曲運動をする。
これがファーストアプローチに。
このアプローチを行い、クライアント自身での膝関節伸展が介入前よりも出やすくなったのなら、セカンドステップ。
セカンドアプローチは、
①端座位での足関節外転運動を行いつつ、②大腿骨は徒手療法で内旋方向にアプローチする。
これにより、重力下での関節運動が可能となります。
セカンドアプローチまで行った後に、また膝関節伸展可動域が変化すればOK。
サードステップは、
①フロントランジで、②対象側を前に置き荷重側とし、③膝関節屈曲時に徒手療法で脛骨外旋を加える。
これがサードアプローチとなります。
ここまで分ける理由として、
再学習が必要となった以上、いきなり重力下での運動をしても代償動作でしか動けない。ならば、しっかりと順番を作成して、介入することが必要。
今回の記事はこのくらいです!
ではまた!!!!
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