月を宿している

記憶がさっぱりないくらい忙しい時ってのがある。幸せなことでもあるしちょっともったいないことでもある。何かを見落としていそうだ。後から思い出せることならいいが、そうでない中に何か大事なものを見ずに過ぎてしまってやいやしないか、不安にもなる。

本当はこうしたいこと、こうした方がいいと思うこと、それらが宙を舞って手からすり抜けていくようで、それらをしないうちに私が何か自分でないものになってしまいそうだ。穏やかに考えたり、いやむしろ考えないでいること、そんな時間が必要だ、そんな気がする日々だ。

あぁそうだ、月を見てないな、最近。だからかもしれない。そんな風にねじ伏せる根拠なき根拠を私は持っている。早く月を見なきゃな。

同じように、生理がくると直近の重苦しい日々に妙に納得がいく。あぁ自分も月を持っているようなものだな。逃げられない、逃げたと思ったらまたやってくる満ち欠けだ。しかし来ないとそれはまた不安をもたらす。厄介だけれど、現象というよりは私の体そのものだものな。

しんどさを受け入れる、毎月やってきたじゃないか。今度も大丈夫だ、ほんの少しの辛抱だよ。


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