欲望と安全は両立しない
週末、国際有機農業映画祭に行った。
印象に残るドキュメンタリーや対談が多くあって、農業のことだけじゃなく、自分の生き方や選択についても深く考えさせられた。ここにまとめておきたいこともいっぱいあるけど、それよりもまず、忘れないうちにこれだけは。。。
映画祭の最後に、急遽、先日亡くなられた中村哲さんを追悼して、中村さんのアフガニスタンでの活動のドキュメンタリーが上映された。
温暖化の影響による干ばつで枯れてしまったアフガニスタンの地に、中村さんは、用水路を作り、農業を再開できる土地を蘇らせた。
用水路を作る際、どれくらいの量の水を引いてくるかが議論になったらしい。
中村さんは、「人間は欲深いもので、『水はあればあるほどいい、もっともっと引いて欲しい』と言う人も多かった」と話していた。
ただ、水を増やそうとしすぎると、洪水が起きやすい状態になる。そのため、用水路には必要な分だけの水を引いてくることになった。
「欲望と安全は両立しないんです。何事も、ほどほどが、ちょうどいいんです。」
その言葉にハッとした。
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ある報告によると、「世界のトップ62人の大富豪が、全人類の下位半分、すなわち36億人と同額の資産を持っている」ということがわかっている。
ビルゲイツの資産だけで、一年間、1億人もの人々を養っていけるらしい。
あまりに異常だ。なんでそこまで人は富を得ようと思うのか、とよく考える。資本主義社会の仕組みがそうだからか。それとも、そもそも人の欲望は果てなくて、何かを得たら、どこまでも欲しくなるのか。
世界の億万長者と言われている人たちは、どこかおかしいのかな、と考えていたけど、その人たちと私は、別の生き物というわけではない、ということを考える。
自分も例外ではなく、欲深い人間の1人なんだ、という自覚を持ちたい。それから、欲望と安全は両立しない、ということも忘れてはいけない。
欲深く、何もかも際限なく得ようとしすぎると、結局、破滅の道を辿るのかな、と思う。用水路に水を引きすぎたら、洪水が起こるみたいに。人の心も同じだ、と思った。
自分の心も安全が大事。欲望と安全は両立しない。何事もほどほどがちょうどいい、ほどほどに生きていこう、と、中村哲さんからもらったメッセージを温かく心に刻んだ。
心からご冥福をお祈りします。
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