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影響力(influence)

○チャルディーニ(Cialdini, R.B.)は、他者に影響を及ぼすことを意図した方略をあげている。
(1)返報性
 価値あるものを受けとったら、同じ程度に価値あるものを相手に返すことを人々に要求する(返報性の規範)。
 他者に対して何らかのものを与えた場合、他者が同じものを自分に返してくれることを期待するようになり、人々の行動に強力な影響を及ぼす。
(2)一貫性
 人はある立場を取ると、その立場に合致した行動や態度を表出するようになる。
 コミットメント(立場を明確にすること)を強める条件として、公的な表明、行為の繰り返し、自由意思の存在、努力などがあげられる。
(3)社会的証明
 人は自分と類似している他者の態度や行動を基準にして、自分の態度や行動の「正しさ」を評価する傾向がある。
 特定の状況である行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断しやすい。
 ①自分の決定に確信がもてないとき、あるいは状況が曖昧なとき、②自分と他者の類似性が高いとき、に強い影響力を及ぼす。
(4)好意
 人は自分が好意を感じている知人からの要請を受け入れる傾向がある。
 身体的魅力と類似性が好意と承諾に影響する要因となり、他者の態度を変化させる際の影響力が強い。
(5)権威(authority)
 影響の与え手は、自分が権威であるように受け手の認知を導くことによって、他者に対する影響力を高めることができる。
(6) 希少性
 人は入手困難な対象や行動を望ましいと感じる傾向がある。
 入手が困難であることは、品質のよさを単純に結論づけるような簡便な判断方略を使用するときの手がかりとなる。
 影響の与え手は、期間で数量が限定されていることを強調することで他者に影響を及ぼすことが可能になる。

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