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集団思考(groupthink)

○集団思考または集団浅慮

 凝集性の高い集団において、集団内の意見の一致を重視するあまり、批判的な意見を排除したり、集団の能力を過大視するなど客観的に意見を評価しなくなり、愚かな意思決定をすること。
 ジャニス(Janis、I.L.)は、1961年のアメリカ軍によるキューバ・ピッグス湾侵攻作戦失敗の経緯を分析する中で、当時のケネディ政権の意思決定過程に着目し、集団思考の兆候を挙げた。

先行要件

①集団凝集性が高い
②外部と接触がなく、閉鎖的
③指示的で強力なリーダー
④他の選択肢評価の欠如
⑤高いストレス・外部からの脅威

集団思考の「症状」

(1)無敵幻想
 過度に楽観的になり、危険の兆候に対して注意を向けなくなる。
(2)集団の道徳性に対する信念
 自分の集団の道徳規準にのみ従う。
(3)合理化
 不都合なことは問題にせす、自分たちの決定を正当化する。
(4)外集団のステレオタイプ化
 「敵」に対して否定的な見方をする。
 外部との対立が生じても、問題視しない。
(5)自己検閲
 集団の合意に疑念を示したり、逸脱した発言をしたりすることを避ける。
(6) 全員一致の幻想
 多数派の見方や判断を、全員の一致した意見だと思い込む。
(7)反対者への同調圧力
 集団の判断に異議を唱えてはいけない圧力がかかり、異議が歓迎されない
(8)自薦の監視人
 
一致した決定にとって不都合な情報を考慮しないように働きかける成員が出現する。

集団思考への対策

  1. 反対意見表明の奨励

  2. リーダーは、はじめ中立を保ち、最後に意見を述べる

  3. 小グループに分かれ討議し、後から統合する

  4. 外部の専門家を招く

  5. 悪魔の擁護者(devil's adocate)を仕立て、 意見の反対立場に立たせる。

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