DSM (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)
クレペリンは精神症状の原因に注目する病因論(etiology)に基づいて、精神症状の分類を行い、大きく外因性・内因性・心因性の 3つに分類した。
○外因性(exogenous)
外部環境から加えられた身体要因(脳の損傷や服薬による影響)により生じた症状。
○内因性(patogenous)
遺伝的な身体要因によって生じた症状。
○心因性(psychogenic)
心理的な要因によって生じた症状。
精神症状は病因が複数にまたがる可能性があり、完全に特定することが困難である。
厳密な分類は困難で、病態水準と同様に言葉のみが残っている。
○DSM
アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association) が発表した「精神疾患の分類と診断の手引き」のことで、症候論(semiology) に基づく分類が特徴。
症候論とは、観察される症状によって精神疾患を分類すること。
客観的に観察される症状のみに注目し、観察できない内因要因には注目しない。
○操作的診断基準(operational diagnostic criteria)
定められた各症状をチェックし、該当する症状が規定数以上あれば、その精神疾患が診断されるといったDSMによる診断のこと。
DSM‐ⅣからDSM-5へ
・自閉性障害やアスペルガー障害などの広汎性発達障害を、自閉性スペクトラム障害として整理。
・多軸診断の廃止。
○ ICD (International Classification of Diseases)
世界保健機関(WHO)が発表している「国際疾病分類」。
死因や疾病の国際的な統計基準。
精神疾患だけでなく身体症状も含めたさまざまな疾病・死因の分類がなされている。
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