論文を過信し過ぎている
おはようございます、大学生のRikuです。
現在大学で心理学を学び、将来は心理セラピストになりたいと思っています。
今回は、研究論文を過信している人が多いという話をします。
昨今、インターネットの普及によって、アクセス出来る情報の量が格段に増えました。
そのせいでどの情報が正しくてどれが正しくないのかの判断が難しくなっています。
そんな中で、統計的なデータやどこかの大学で行われたような研究結果と共に紹介されている情報は、少し信憑性があるように見えると思います。
特に、あまり研究論文に触れることのない人は、論文があるというだけで「これは科学的にも正しい」と思ってしまいがちですが、この考え方は危険です。
実は、毎年180万〜200万の研究論文がどこかしらのジャーナルサイトに発表されていると言われています。
1年でですよ!?1年間の間に200万もの数の論文が世に出ているんです。
つまり、現在、この世に存在する論文の数は計り知れません。
そして、そもそも研究論文の役割というのは、その分野の過去の研究や発見に新しい知識や情報を足していく事です。
例えば、心理学でも、まだ分かっていない事が山ほどあります。
そのわかっていない事を少しずつ解明するために多くの研究者が研究を行い、新たな知見を心理学の歴史に足していくんです。
なので、研究に成功や失敗という概念は存在しません。
例えば、「AとBを組み合わせたらCになる」と仮定して研究を行った結果、CではなくてDになったとします。
仮説とは異なるので失敗に見えますが、これも「AとBを組み合わせたらDになる」という新たな発見になります。
なので、一つの論文にフォーカスして「これは正しい」「これは正しくない」という事は出来ません。
そして、先ほども述べた通り、毎年200万もの研究論文が世界中で発表されています。
これだけの数の論文があれば、自分の主張を有利に進めるような論文を探してくる事は簡単です。
つまり、自分が主張したい事に都合の良い結果が出ている論文だけをピックアップして、自分の主張があたかも信憑性があるように見せるのは容易だという事です。
なので、サイトやニュースで新しい情報を得た時に、どこかの研究が一緒に紹介されていたら、信じ込む前にその研究自体を疑ってみてください。
本当に信憑性はありますか?本当にその人の主張と合っていますか?
とは言っても、現在世に出ている論文の9割以上が英語で書かれています。
なので、英語が苦手な人にとっては論文の信憑性の判断も難しいと思うので、1つだけ簡単にフォーカス出来る箇所を紹介して終わります。
それはサンプル数です。何人の参加者を対象にその研究が行われたかを見てください。
例えば、あなたが、東京に住んでる人のスタバの平均の利用頻度を調べたいとします。
それを調べるために、あなたが知り合い20人にどれくらいの頻度でスタバに行くかを質問したとします。
その結果、大体週1〜1.5回でした。なので東京に住んでる人のスタバの利用頻度は1〜1.5回くらいである、という結果に信憑性がありますか?
ないですよね?なぜかというとサンプル数が少なすぎるからです。
でも東京に住んでる人全員に聞くのは物理的に不可能です。
ではどれくらいのサンプルを取ればいいのでしょうか?
科学的に信憑性が担保されるサンプル数は、対象としたい総数の10%です。
なので例えば、3,000人を対象に行うんであれば300人でいいし、1万人を対象にするなら1,000人必要ということになります。
しかし、例外があって、対象にしたい総数の10%が1000人を超える場合は1000人でオッケーです。
例えば、4万人を対象にするなら10%は4000人ですが、1000人で十分です。
つまり、日本人を対象とした主張なんであれば、サンプルは1000人ひつようになります。
なので、「300人のアメリカの大学生を対象に行った」という研究結果を、日本人全体に当てはめるのは危険だという事です。
なぜなら、サンプルが1000人未満なので。
このように、たとえ研究によって信憑性のある情報に見えても、その研究自体に信憑性があるかどうかは別問題です。
なので、あまり過信し過ぎない事をオススメします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
毎朝、心理学や哲学に関する話を1つ書いています。もし、興味がある方は読んでいってください!
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