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ハレ切り。

アシスタントとして、すぐ覚えさせられたのがストロボの扱い方と、コレだった。カメラ周りはずいぶん経ってから。ハレ切りは、フレアやコントラスト低下になる光がレンズに入らないよう黒いボードなどで遮ることで、撮影では逆光、半逆光になるライトがどこかにあるし、またレンズ性能も悪かったので必ずやった。4x5以外ではフードもあるけど、だいたいギリギリの位置にライトを置くことが多いので、カメラが固定されていれば、パーンドアのような立派なもので切ることもあるし、A3くらいのボード(表が白で裏が黒)をスタンドにクリップで止めたりして切っていた。面倒なのはモデルなんかで手持ちでカメラを振り回すときに、くっついて切りながら動かさないといけない。画面に入ると、怒られるし、人によっては黙って足で蹴られることも。
もう一つのストロボの扱いは、下手にやると故障の原因になるので、守るべき決まった手順があった。スタジオではサンスターが多かったが、どのメーカーでも何かトラブったらすぐ代替えを持って飛んできてくれた。手伝いに行った他所のスタジオで一番手強かったのが、フレンチバルカー。これは手順を間違えると発光管が爆発するぞと教えられて、ほんと触りたくなかった。チャージの早さ切り替えスイッチにはウサギと亀の絵がかいてあって、かわいいのだけど爆発は怖い。
 手順というか、注意事項は、コードの抜き差しは電源を落としてカラ打ちしてから。電源落としてもコンデンサーに溜まっている電気を逃がす必要があった。電源入れたまま抜き差しすると電極が焼けて痛むし、まれに爆発も。また、出力を下げたら、カラ打ちをしないと希望の出力にならない(機種が多かった)。これ、先生がメーターを測っている時に出力を下げた場合には炊きながら「捨て」とか「カラ」って言ってた。しまうときはモデリングライトを消して、10分ほど灯体を冷ましてから電源を落とす。その際にカラ打ちしておく。くらいかな。今のジェネはカラ打ちしなくても大丈夫なのもあるけど、癖ですね、必ずやる。モノブロックでも必ず。ジェネには出力の切り替えスイッチもあり、挿す位置によっても出力比が変わるので、よく見てやらないと間違えることになる。また、スタジオ内は何本もケーブルが床に這いまわっている状態なので、踏みにくい位置によけておく。なんにしろコードなど踏むとすごく怒られた。
 シンクロコード。フォーンジャックが一般的になったけど、コメットのは特殊な三本足で、逆に差すとキヤノンではうまく動作しないことがあった。必ずやっていたのが、シンクロコードのカメラ寄りのところで輪っかを作り、三脚のノブに引っ掛けてからカメラに刺す。これでもしコードに足をひっかけても、コードの先端やカメラのシンクロ接点を壊さないようにする知恵だった。昨今は発信機でシンクロさせるから、ほぼ使わないけど。そういえば、手をパンと叩くと音に反応して発光する受信機もあったなぁ。

もし引っ掛けても最悪コードの破損くらいで済む。もっとも引っ掛けるとカメラ位置が動くのでそっちのほうが大問題でした。

それと、ブツとかライト位置の指示で、右とか左とか、上下でいうと、混乱するので、時計の時間で指示された。カメラ位置から右だと3時方向に少し寄せてとか、手前だと6時に引いてとか。回転させるのは時計か反時計って。
そんな風にして、少しずつ覚えていったのでした。

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