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『発達障害の「診断」と「脳」について医師、脳科学者、心理士が語りつくす夜』のメモ

「発達障害は脳画像で診断可能か?」というテーマの大変面白く勉強になったスペースの簡単な文字起こしをしました。

『発達障害の「診断」と「脳」について医師、脳科学者、心理士が語りつくす夜』のメモ
2022年8月8日(月)21:00~23:00 Twitter Space にて配信(録音聴取は30日間可能)
https://twitter.com/i/spaces/1OyKADZbXwwxb
ホスト:村中直人先生(心理士)
発言者:K先生(医師)、井手先生(脳科学者)

*以下の表記では、村中先生(M)、K先生(K)、井手先生(I)とさせていただきます。
*この記事は、当note管理者いづみが「個人的な勉強のために要点のみを短く記録した非公式メモ」です。そのため各先生方のお話のニュアンス等重要な情報については含まれていません。聴覚言語が得意ではない方がスペースを聴く際の視覚的な補助になればと思い公開記事にしました。
*もし誤解を招きかねない不適切な表記等があれば文責の「いづみ」までDM等でお知らせいただけば適宜対応いたします。
*くれぐれも「本記事の内容のみに基づいて(スペースを聴かずに)」「各先生方に直接問い合わせること」は無用にお願いします。ご多忙な先生方にご迷惑をかける可能性があれば記事を非公開・利用不可にする等の対応を検討します。
*以上の条件を守っていただければ、スペース聴取の補助として、個人・グループの学びに自由にご利用くださってかまいません。
*個人利用を越える場合はご一報ください。

【参考:用語集】
ADHD:注意欠如多動症。発達障害の一つ。多動性や不注意がみられる。
ASD:自閉スペクトラム症。発達障害の一つ。コミュニケーションの困難やこだわりがみられる。
EEG:脳波。脳の電気活動を記録。
QEEG:定量的脳波検査。脳波の状態を画像にする。
TMS:経頭蓋磁気刺激法。脳に磁気刺激を加える治療法。うつ病等の治療の補助で使われることがある。
rTMS:「反復」経頭蓋磁気刺激法。rは繰り返しの意味。
MRI:磁気共鳴画像法。体内の断面像。病院で使われる。
fMRI:磁気共鳴「機能」画像法。脳の活動部位を調べる。研究で使われる。

【0:7:40 趣旨説明と自己紹介】
M:発達障害について異なる専門家3人で話をする。発達障害という言葉が一般に広がっている。認知度が高まるとよい面もあるが、疑問を感じる情報も流通している。何がわかってきていて、何がわからないのか、専門家でない(一般の)人が発達障害に触れるときに気をつけることについても話したい。コメントは拾えたら拾いたいと思っている。自己紹介から始めたい。
K:精神科の医師。一般の人にわかるように話をしたい。大学病院や研究所を経て2009年からクリニックの院長。発達障害の人を多く診ている。
I:研究者。実験を行って発達障害に関わっている。脳画像解析を使って発達障害の人の感覚と運動の問題を扱っている。実験心理学の手法で感覚の特徴を評価して、脳画像で脳活動を見る。
M:スペースのホスト。臨床心理士。17,8年前から学習支援。ニューロダイバーシティや叱る依存についての書籍がある。前半は進行役。
M:3人で話をするのは初めて。発達障害に関する誤解が広まりかねないような現在の状況に対して、できることがあればやりたいという気持ちで集まった。

【前半:基本の話】
M:前半の筋道をたてたい。参加者には詳しい人やそうでない人がいると思うので、まずは基本の部分を話したい。発達障害の診断はどうなっているか、どんなことが行われているか、基礎の一般論からお願いしたい。→K先生
今回は脳が大きなトピックス。脳波や脳画像について、どうやって記録するのか、何がわかるかなどの脳科学的な検査や調査について。また現在脳活動を調べることで発達障害は診断できるのか(できないという結論はあるが)→I先生

K:大人の発達障害がをメインに診ている(子どもも変わりないと思う)。医師は診断(見立て)と治療を行う。立場によってそれぞれの発達障害像があると思うが、支援のためには共通項が必要。そのために診断をつけるが、難しいところがある。簡単な検査ですぐに診断がつくことが本当にあるのかは疑問。診断をつける作業は地味である。(精神科は)精神障害を診る。発達障害も診るが重なっていることもある。診断には2つある。
①従来診断:それぞれがやってきた診断方法。患者さんを個別に深く見るが診断内容にばらつきも出る。
②操作的診断:DSM-5とICD10(11へ移行中)。DSMを使うことが多い。各支援者の共通項になる
例:DSMの診断項目では、ADHDでは9項目のうち5項目を満たすという基準がある。12歳以前から症状がみられること(以前のDSM-Ⅳでは就学前までだった)、2つ以上の状況で症状がみられることなどの条件もある。
ASDでは2項目がそろっていること、発達早期から症状があること。
診断には客観的な視点と情報が必要。そのために周囲の人に来てもらったり電話したりすることもある。子どもの頃の記録(母子手帳や通信簿の所見など)を見ることもある。1回で診断がつくことはほぼない。何回かかけて、診察の間の[現在の]困りごとなども聞いて、情報を集めてから診断をつける。2,3ヶ月かかることもある。
心理検査:発達障害で使う心理検査はWAIS-ⅣやWISC-Ⅳ、自己記入式ならAQ-JやCAASなど。診断には補助的な情報。WAISは主に支援の方向性を決めるために利用する。
ASDで知的もある人は、脳の器質的異常(てんかん等)がみられる場合があるため脳の検査をすることがあるが、発達障害そのものの診断に直接役に立つということはない。
M:検査は補助的な手段であり診断のメインは検査ではない。他の原因を除外するために使う目的もあるということ。

M:fMRIなどの検査や研究についての基本的な知識をお願いします。
I:自閉スペクトラム症(ASD)が研究の中心で、参考程度にADHDを調べたりする。脳画像解析で「診断」をする方法が明らかになっている研究はない。診断には補助的に使われていると思う。
臨床と研究では使われ方が違う。
脳波について:臨床では電極は19チャンネル。周波数帯域を特定できる。安静時は主にアルファ波が出る。ガンマ・ベータ波は認知的な活動中に出る、脳内の長い距離の接続。シータ・デルタ波は目を閉じる・眠っている状態で出る。周波帯成分で脳の「活動状態」がわかり、てんかん、睡眠障害、器質的障害がを判別する。発達障害の人が脳波を調べる場合は、別の障害(併発症状)を調べるために使われているのではないか。
研究では64, 128, …多くのチャンネルを使って、多くの領域間の「結びつき」を調べる。特定部分だけではなく複数領域の活動の同期。例えば、前頭葉と頭頂葉の(遠い)領域間の結びつきが弱いとか、前頭葉内の近い領域間の結びつきが強いなど。
また、複数の発達障害の人たちと、複数の定型発達の人たちの間の比較を行う、一人の人を比較しても明らかにはならない。
複数のADHDの人と、多数の定型発達の人のデータベースを比較して、QEEG(定量的脳波検査)によってどのような特徴があるのか、頭を上から見下ろす形で色を付けて図示することができる。脳波の成分を分離して相対的な強さを調べる方法で、シータ波とベータ波の比率からADHDと定型を区別する研究がされている。80%以上区別できたという報告もある。ただし一貫した結果ばかりではない。気分障害や行動障害からADHDを区別する精度は50%程度に落ちるという結果もある。この結果は、ADHDの特徴を高い精度で区別しているのか?それとも気分障害等の特徴も含めて区別しているのか?今のところは疑問符がつく。FDA(アメリカ食品医薬品局)では、診断の補助的に使用する検査であると記載されている。
MRIは2つある。
MRI:解剖学的な脳の状態を画像化する。病院で行うものはMRI。。
fMRI:機能的な状態(血流の変化を推定)を画像化する。神経活動を推定するもの。
こちらは研究で使われる。刺激提示に対する反応する時に脳で起こる活動を血流の変化で見る。複雑な解析によって信号源を推定する。複数の人の間の統計的な差をしらべる。個人を比較することは難しい。
M:ある集団と別の集団の特徴について平均値を比較するデータは、個人の特徴の理解(や診断)には使えない。個人と複数を比較するのは別の方法や話。神経科学研究と臨床は違う。

【0:56:07 脳の検査で発達障害の診断をすることはありえるか?】
M:今日の本題である、脳の検査で発達障害の診断をすることはありえるのかの話に入りたい。現在は脳の検査は補助的な手段である。今後診断することはありえるのか。またその価値や意味は何か。脳・調査・診断の関係について。
K:医師になった30数年前から精神科での診断はほぼ変わっていない。脳の検査で診断することは難しい。脳は複雑系であり線形数学ではわかりにくい。NIRS(近赤外分光法)があり保険適応になっている(うつ病の補助診断)が、うつ病は、双極性障害・統合失調症と波形が違うため区別ができる。やっているのは日本だけ。また完全に分かれるわけではない。統計的な差は[複数の]山になるが重なりがある。重なった部分はわからない。感度[陽性のものを正しく陽性と判定]と特異度[陰性の物を正しく陰性と判定]が大事。感度が90%以上ないと臨床では使えない。例えばPCRでは99%以上。抗原検査の精度はもっと低い。QEEGはまだ研究段階にある。どの国の診断フローチャートにも出てこない。
M:感度の低い検査で診断すると、病院で誤診することになり怖いと感じる。
K:すでに現実に起こっている。ただ逆[陰性の物を間違って陽性と判定]は聞かない。
I:fMRIやMRIがASDやADHDを特定するというめどは立っていない。今明らかになっているのは、ASDの人の中でも活動のばらつきが大きいということ。脳の別の部位同士の結びつきが弱くなっているという知見があるが、ASDの人は結びつきの強度が人によってばらばら。定型発達の人の方が結びつきが共通している。ASDの人を(グループとして)特定するのは難しい。ADHDも、特定の部位ではなく、複数部分の結びつきに関してみたほうがいいだろう。メタ分析(複数の研究結果を集めて多くのデータで一貫性を検討する研究)では傾向が消えてなくなってしまうという報告もある(2020年ごろ)。それぞれの研究で実験条件や結果が違う。また装置や解析も違う。ばらつきが大きい結果を平均化すると、定型発達との違いがみられなくなってしまう。ASD当事者内でグループに分けて、各グループの行動の特徴を明らかにしていく方向がよいのではないか。診断に用いることを考えると、長期的には方法が出てくるかもしれないが、現在は細分化して見ていった方がよい。
QEEGに関しては、一貫した方法をとる論文は少ない。ADHDと定型を80%区別するという結果があるが、うつ病・行動障害を含めると区別できるのは50%に落ちる。個人的な考えとしては、出版バイアス(論文に出版されるときに、ネガティブなデータは発表しにくく消えていき、結果に差があるデータの方が掲載しやすい)があるのではないか。実際の診断場面で見られないのはそういうこともあるかもしれない。
M:出版バイアスについてのメタ解析研究はどうですか?
I:QEEGではまだメタ解析ができるほどの研究の数がない。MRIでは出てきている。
M:一つの論文では一つの知見がわかる。似ているたくさんの論文を集めて分析の傾向を確認するのがメタ解析。
M:このテーマで思うのは「わかりやすさの罠」。始まって一時間、基本的なところを順を追って整理して、やっと本題に入れる。わかりやすくしようとしても時間がかかる。
脳の検査で発達障害がわかるとすることに対する不満感がある。発達障害はいろいろなところから出てくる。例えば従来のThree pathwayモデル(ブレーキとなる抑制系の違い)、新しいのは報酬系(時間が遠い価値が割引され、近いと敏感により強いものを求める傾向)、また体内の時間処理が乱れている(体内時計が早くスピード感がある)。他にもデフォルトモードネットワークによる説明など。たくさんの特性の濃淡からそれぞれの人の特徴が作られている。脳検査は、特性のどの部分を測っているのか?何が言えるのか?丁寧に追うと難しい話になってしまうジレンマを感じる。わかりにくくややこしいけれど大事な話ということになってほしい。

【1:22:10 フリートーク、質問への答え】
M:ここからはフリートークで話をしていきたい。来ている質問も時間の許す範囲で答えたい。
K:診断は入り口であって、そこから治療を見据えていく。困りごとからアプローチを考える(支援、薬など)。脳の状態から治療は直接つながらない。
M:脳波は脳の活動を測っている。簡単に診断ができることは売りだが、その後の対応につながるのか。診断の価値や意味はどうなるか。
K:診療には困りごとがあって来る。発達障害に隠れた精神障害やトラウマ・愛着の問題がよくある。発達障害の部分だけがわかるというのはどういうことなのかわからない。
M:質問「病院ごとに診断が異なる。診断のブレを患者側はどう受け止めればよいか」というものが来ている。
K:本来、操作的診断基準なら揃うはず。それぞれの医者なりのやり方があり、精度の問題になる。一番大事なのは診断の後の支援と治療である。その後の支援のやり方が合っているところに通うとよい。診断自体も変わってくることがある。例えば大人のADHDはわかりにくい。成長に伴ってマスクする術を身につけていて、時間がかかってわかることもある。このように診断があいまいになることによって、1日で診断をつけるところに魅力を感じるのはわかる。精神医療側もわかりやすい形で診断・治療ができるように患者側に伝えていかなければならない。
M:質問「感覚の過敏・鈍麻と発達障害(ADHD、ASD)の位置づけはどうですか」
I:感覚特徴と社会的特徴(困難)の両方を調べた調査研究によれば、ASDでは両方とも高い割合で起こる(相関する)という結果がある。また、より詳細に質問紙で回答し分類すると、感覚過敏が強いがコミュニケーションの困難は低いというグループもある。基本的には感覚過敏・鈍麻が揃っている人にASDの割合が高い。ただ、表面的に見えるものと中に持っているものが乖離していることがある。
M:本人にとっては感覚過敏は当たり前になっている。内側の特性と表面に出てくる状態にはズレがあると感じている。つまり全体では相関がみられるが、個人の状態としてはいろいろである。
K:発達障害の特性はスペクトラム。一方精神障害だと、以前の状態から変化している。つまり戻るところは見えている=リハビリテーションが必要。発達障害はもともとそれが普通で来ている。新たに作り出す=ハビリテーションが必要。
M:そのテーマは「ニューロダイバーシティ―」と共通する。興味深い質問「K先生とM先生の立場は違うか?発達障害は存在するvs.作られた?」[M先生は]個人的にはK先生と立場は近いと思っている。
K:私もとても近いと思っている。
M:ニューロダイバーシティ―には反精神医学という歴史もある。ただ、存在するか作られたかという二項対立ではない。脳や神経に由来する特性は確実に存在する。その意味では発達障害は「完全に作られた」ものではない。例えばADHDで行動抑制の働き方が[多数派と]違う、報酬回路の反応などの神経学的な違いは存在する。障害化していく時に発達障害というカテゴリーが必要となり、社会的資源の分配などが必要になる。特性に価値づけしているのは人間の側。[環境との]相互作用の中で医療や支援が必要なくなったりする。相互作用の考え方は、わかりにくいが非常に重要。
K:困った人が来たら援助する、そのために病名が必要。DSMの判断基準には、社会的職業的等障害を引き起こしているという項目がある。特徴が揃っていても困っていなければ診断はつけない。発達障害があっても社会的に成功している人はたくさんいる。困っている人には診断や支援が必要である。その話と発達障害があるなしは別のことである。
M:K先生とはきちんとお話しするのは今日が初めてだが価値観の近さを感じる。
I:脳機能解析、つまり脳の状態からASDの人の特徴を明らかにしよう、個人をASDやADHDとして[そうでない人から]区別しようという方向もあるが、これまでの研究からは、ASD / ADHDの人は多様であり、明確な脳の特徴で診断をつけるような障害ではないとわかってきている。理解が広まっていき、個人個人に合わせて社会の側がどうやってサポートできるかを考えて示していく方向に向かうべきだと思っている。またその先に、個人的な苦痛を軽減するようなものを考えていくことも必要だと思っている。
M:I先生とは何度か話をしてきている。質問に「発生要因はわかっているか?」というものがあった。だんだん発生原因よりも、日々の生活でどういうメカニズムで起きているのかに関心が移っている。ニューロダイバーシティ―の視点が研究に持ち込まれるようにもなってきている。違いを考えたときに、平均(多数派)から外れている=劣っている(障害)と自動的に意味づけてしまうバイアスがある。研究の中にはASDの人の方が優れている結果もあった。違いの理解は日々の生きやすさのために使っていくべき。
K:「双極性障害10年通院、新たにADHDの診断、発達障害の併発の診断は難しい?」という質問。ADHDと双極Ⅱ型の区別は難しい。鑑別の対象であるが、また、併発する場合もある。新たな診断の視点は治療の新たな展開が期待できる。経験からもこれまでよりいい方向に行く可能性が高い。精神障害と発達障害が併存する人は多い。約2割程度にADHDが隠れているというデータもある。うつ病が4割というデータもある。発達障害の人は2次障害になる可能性が[相対的に]高い。
M:二次障害が少ない社会を作るにはどうすればいいかと関心がある。
I:ポジティブなコメントが多くうれしい。
【1:53:22 まとめ、告知】
K:診断は地道でわかりにくい作業。1日できれいな絵が出てくることにひかれる気持ちはわかる。ただQEEGは正式な診断基準には入っていない。rTMSについては日本精神神経学会からもコメントが出ている。海外においても効果は確認されていない。18歳以下への影響も確認されていない。薬物治療に効果が出ないうつ病の18歳以上の人に限定されている。QEEGのデータが多数あるのなら学術誌に論文を出してほしい。感度と特異度を明確に出してくれれば信じられる。NIRSは大学で治験をやって厚労省が認可した。民間でも研究することはよいと思う。TMSをコロナの後遺症に利用しようとする研究をしている先生がいる。被験者を集めデータを取って、自費治療を目指す。また、血液検査でうつ病のマーカーの研究をした先生もデータを集めて論文を発表した。自費治療になり補助診断としてやっている。きちんとしたプロセスを踏まえればいいと思う。
大人の発達障害の人が多く来る横浜駅近くのクリニックをやっている。
I:RTMSは研究の段階。重要なのは磁気刺激をしている条件に対してシャム(統制群)[この場合磁気刺激以外の手続きは全て同じようにする群]を比較するのが標準的なやり方。両群に差がなければそれは期待効果である。コントロールがちゃんとされているかどうかを見極めることが大事。今のところ発達障害の特徴が改善されているという研究はほとんどない。研究は再現性が大事。複数の再現報告があって初めて効果があるという研究者間の同意ができる。RTMSはそこまで行っていない。統制群や再現性は研究の信頼性のフィルターになる。
8月12日に『科学から理解する自閉スペクトラム症の感覚世界』という書籍を出版する。妥当な情報かどうかわかるフィルターとして役立ってほしい。感覚過敏は主観的なものであるが、定時的・画像的に客観的に示すこともできる。
M:個人的な言葉では、簡単な診断方法を求める社会の動きは「違っていることは劣っていること」を強化する怖さを感じる。違っていることは本来劣っていることでも欠如していることでもない。多数派を除外して「発達に特性がある」という時に友人の発言を思い出す。「宇宙人という言葉を使うときは、自分を宇宙人だと思っていないよね?」つまり自分を除外している。多数派は標準であり少数派に特性があると言っている。本来はみんな特性を持っているということを忘れないようにしている。わかりやすさに負けることがあるが、K先生やI先生と議論できて、それをたくさんの人が聴いてくれることに新しさを感じる。
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今後また配信をするかもしれない。先生方みなさまありがとうございました。

【関連文献】
ニューロダイバーシティの教科書 - 株式会社 金子書房 https://www.kanekoshobo.co.jp/book/b533956.html
〈叱る依存〉がとまらない / 村中 直人【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011884
科学から理解する 自閉スペクトラム症の感覚世界 - 株式会社 金子書房 https://www.kanekoshobo.co.jp/book/b605690.html
ハートクリニック・ブログ: 横浜院長のひとりごとアーカイブ https://www.heart-clinic.net/square/site-yokohama/

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