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ソース原理と私:『すべては1人から始まる』に出会えてよかったこと。

はじめに

昨年、2022年11月に刊行されて話題になっていた『すべては1人から始まる』の積読を一昨日読了しました。個人的には感動的な出会いだったので備忘録に書いておきます。

書籍はこちら↓

私のグラレコ読書メモはこちら↓
本書だけではなく、ロバート・キーガンの大人の「発達段階」についても調べて書いてあります。

ソース原理のこと

Source principle(ソース原理)とは、人のあらゆる活動において「特別な役割を担う1人」がいるという考え方です。提唱者であるPeter Koenigは、この1人のことをsource(ソース)と呼んでいます

https://r3s.jp/magazine/jp/source_principle

ソースの役割は、1人の個人が傷つくかもしれないリスクを追いながら最初の一歩を踏み出し、アイデアの実現に身を投じた時、自然に生まれるもの。

『すべては1人から始まる』より

と説明されています。この文章を読んだときは泣きたくなりましたというか泣きました。

自分とソースのこと

自分は、この概念は知りませんでしたがソースになった瞬間というのは、、とよくよく遡って考えてみると、1997-8年ごろにネット上でプロジェクトを始めたのが始まりだったかもとこれを書いていて思い出しました。それからも何度かソースとなり、またそのように扱ってもらった経験があり、今もまだソースの旅の途中です。

そして、ソースとなってうまく行ったものもないわけでないのですが、うまくいかないという経験もたくさんしました。プロジェクトのソースとしての役割が突然切断されたり、中断したことも少なくありません。それが自分としては辛く、なんとかしたいものだと自覚したのが2009年の年末くらいでした。

ソースとしての責任感とプライドがよい方向に働けば良いのですが、それゆえに勘違いもあれば暴走したり衝突したりということもあり、なかなか苦しいものがありました。

今も、自身で「これはやらねば」と思うことに取り組み会社も作ってみたものの、どう実現していいのかわからずに七転八倒しています。起業塾やスタートアップの相談などもしてみたものの「自分がほんとうに知りたいこと」の芯にあたる手応えが得られない数年を過ごしてきていました。

この『すべては1人から始まる』には、自分の「知りたかった」ことの芯にことごとくヒットしたちおう手応えがあました。

自分が知りたかったこと

自分がソースになった時に悩んだこととをいくつかあげると

・ソースとしての主権(責任)をどこまでもてばいいのかがわからない
・組織の中での上の指示や決断と合わない時、どうやって対峙すればいいのかわからない
・プロジェクトのメンバーとの距離感や関わり方がわからない

とくに人に預けるとか任せるということの感覚がわかわらず、組織にいるときはそれなりの座組を組んでもらえてサポートをしてもらえる環境もありましたが、独立してみるとこのあたりがさっぱり想像がつかないのです。

こういうことを自然にわかってできている人も周りにもたくさん存在するのですが、自分は何をどうしたらうまくいくのかさっぱりわからないという不安がついて回っていました。

大人もまだ発達段階であるということ

この本の中で、ロバート・キーガンの大人の「発達段階」は5段階あると言及されていたので、調べてみました。これをみると漠然と自分に足りない何か?が明確になりました。

日本語での記事もそこそこあるのですが、調べたこのページはよかったです。翻訳にかけて読めば英語が苦手でも大丈夫。

ステージ1:衝動的な心(幼児期)
ステージ2:インペリアルマインド(思春期・成人人口の6%)
ステージ3:社会化された心(成人人口の58%)
ステージ4:自己オーサリングマインド(成人人口の35%)
ステージ5:自己変容する心(成人人口の1%)

Part 1: How To Be An Adult— Kegan’s Theory of Adult Development

なんと、 伸びしろがいっぱいあるではないか! それがはっきり示されたのが嬉しかったです。ずっと漠然と「なにかがたりなーい」と思い続けてきた数十年でしたから!

大人の成長のためのお金のワーク・アイデンティティのワーク

後半部分は、ソースとして成長していくために必要なワークとしてお金との向かい合い方、自分をどのような人間とみているか?を見直すワークが用意されています。

提示されているものはシンプルではありますが、これがなかなか、、泣けました。クリアできるかどうかは横に置いても、課題がわかったということは嬉しいこと以外のなにものでもありません。

あ!あと、このアイデンティティのワークって実は「食」や「健康」も入るんじゃないか!ということをめちゃくちゃ思ったので、このあたりを深掘りしてみたい。

みんなを生きるな。自分を生きよう。

いま学んでいる #デジタルハリウッド大学大学院  の学部ほうののコピーです。 (By @TDFSHND)

このメッセージに惹かれるものの、一方で「みんな」との折り合いをどうつけるのか、 一人じゃ生きられない(いろんなことが実現できない)こととどう折り合いをつけるのかにもぞもぞしている自分がいました。

これもソース原理で言うところの「全ての人は自分の人生というプロジェクトのソースである」という言葉ですっと解決しました。

一人一人が自分の人生というプロジェクトのソースとしての自覚と責任をもちながら、外に向かっていろんなプロジェクトのソースになったり、サブソース(協力者)になっていくという世界観が見えました。

このソース原理でいうところの、自分がソースとしての自覚を持ち、そのヴジョンを明確にしな責任をもち、自己成長を続けながら他者と共に生きていく、わかっている人には当たり前すぎるのかもしれませんが私にとってはずっとずっと「知りたかったこと」でした。

私自身はデジタルハリウッド大学大学院にいますが、それぞれにソースとしてどう成長していくかを先生方に助けてもらい学生同士がリスペクトし合う関係性はまさにソースの鍛錬の場のように感じています。

この本に出会って個人を生きることと、他者と共に生きることとの調和の道のりが見えて生きる希望が手に入りました。このの出会いに心から感謝せずにはいられません。

こういう出会いはそれぞれのタイミングがあると思います、が、マイプロジェクト(自分の人生を含む)を持ちつつなんだか課題を感じてる方に読んでいただけるとめちゃくちゃおもしろい!んじゃないかと思いました。

著者のトム・ニクソン氏、翻訳された 山田裕嗣 氏,、青野英明 氏、 嘉村賢州 氏に心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。

↓ グラレコメモも誰かの読書のお役に立てていただければ幸いです。

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