ピラティスを教える職業とは
多くのインストラクターの方々がこのテーマについて
思いや見解を話されています。それだけこの職業に対して
熱い思いがあるからだと信じています。
長くピラティスインストラクターの方々と接し、
私も様々な方向性で、卒後教育の一環として、
インストラクター向けワークショップを開催しながら
明確になってきたところを話てみたいと思います。
あくまでも個人の経験の中で感じた部分であり
違う、違う、そうじゃない😎って感じる方もいるでしょうが、
これからインストラクターになろうかなと思っている人や
指導に悩んでいるインストラクターに向けて解説していきます
3つの方向性
学ぶものが異なる
まずは、どこでピラティスを学ぶか。
これは2024年、ピラティスブーム何回目?
数年の間にピラティスを学べる場所が日本各地に増えた気がします。
大きく分けて3つ。
クラシカルピラティスは言わずと知れたジョセフ・ピラティス氏の
元祖ピラティスです
ニューヨークにスタジオを移動させて数少ない継承を許された方がいて
世界で二十数名しかいないインストラクターにその全てのコンセプトを
継承しています。元祖を学ぶのであれば、ここしかないです。
次に、国際団体として名の知れているのは5~6団体でしょうか
今は日本各地にもその支部ができていますので、海外の団体の
資格を保有するのであれば選択肢があります
ただ、1つ押さえておくべき点は
「創設者のバックグラウンド」
どの分野の出身かよって、そのピラティスメソッドに多くの
部分が反映されています。かならずしもバックグラウンドと
一致しない場合は、その専門分野の方々と共同でコンセプトを
創り上げているかと思います。
カリキュラムもそうですが、
主に目立つのはティーチングの仕方です。
声のトーンや用いる専門用語、言葉の種類、
クライアントとの接し方に大きな差があります
海外の団体の創設者と日本の支部の指導者の
バックグラウンドが異なる場合は、コンセプトよりも
指導の仕方に大きな差が出てくると思っていてください。
もう1つは
ブームのおかげで様々な企業・会社が独自の研修制度で
ピラティスを勉強してそれらを「運動の1つ」として
クラス提供する場合です。
これらは、ピラティスの一部分として捉えておくといいでしょう。
例に挙げるとヨガがインドからアメリカに渡ったときのように
そして、ファッショナブルなアメリカヨガがインドに逆輸入される
という背景。
根底にあるものは別のもの。
だけど、健康維持やその促進に貢献できるというメリットがあります
何よりも気軽に参加できて、自宅の近くだったら最高です
という声をよく聞きます
インストラクターとしての活動意思
どこで学ぶかということはもちろん大事な選択になりますが、
どの方向でインストラクターとして活動するか考えているか。
それがもっとも重要になってきます
ご自身のバックグラウンドが活かせる場合と
全く異なる業種を始める場合とでは
受講や資格取得後に活動拠点を考えていないと
思っている以上にやることがあります。
資格取得した団体と異なる会社、または使用するマシン
顧客の層やニーズが自分の想定とは異なる場合
個人事業を1から始める場合には集客力・場所・管理運営
所属する場所のオーナー、経営者、指導者の方向性
自分の知識と技術の不足を感じる場合
1つの職業として考える場合は様々な事を検討して
スタートするか、学んでいる間に準備することをお勧めします
求められる対応能力
ピラティスでは身体機能を向上させるということが根底にあるので
身体の機能や仕組みはある程度、知識として備わっていた方が
良いと思います。もちろん、あとから勉強することは可能ですが、
大小限らず団体、研修であっても、エクササイズ以外で
覚えたり、考えたりすることがたくさんあります
もちろん、それらをご自身の強みで補うことができたりします
コミュニケーション力が高い
ポジティブマインド(自分にも相手にも)
思考・解説・応用能力が即時判断できる
知識以外で、対応能力が求められます
どんな場面でもお客様に対して、身体に対して
あらゆる方法を見いだせる方が、知識に勝てる場合があります
補足
インストラクターになってから多くの方が悩む事
理想的な姿勢に戻したいけれど、ピラティスをして
エクササイズをやっても良くならないのはどうして?
それは、養成コースでは習わない分野が多いから
おおまかに姿勢というものにはこういう指標があります
という形で養成コースカリキュラムに含まれる事があります。
身体は理想的な関節や筋肉の関係性が研究・科学的に
わかっています。
日常やスポーツによって身体に負荷がかかると
効率の悪い、関節に負荷のかかる動かし方になり、
あちこちが痛くなったり、生活しにくくなったりします。
姿勢の変化に気づき、それらをより負担の少ない
理想的な姿勢を目指しましょう。という形で
ピラティスのカリキュラムでは勉強することがあります。
ここからピラティス(おおよそ60分)行う、
多くのエクササイズの組み合わせによって
様々な方向に関節を動かし、筋肉を使い、
調整機能を働かせていきます。
その組み合わせ、全体の流れと個人の集中力や
意識を使ってよりよい姿勢の使い方を学習します
理想的な姿勢が正しい姿勢、ゴールではないのです。
その過程がとても重要になります。
解剖学的にピラティスを習った場合、バックグラウンドで
運動生理、運度機能の知識がある、別の評価方法を
知っている場合は自分の知識と併せて姿勢の評価を
進めることが可能です
しかし、それらを知らない場合(学んでいないので)
こまかな身体の機能の評価なしで、こまかな修正を
試みようとします。
わかっていない原因に対して、理想の姿勢を教えて
しまうことで、結果・効果が出にくくなっているのです。
至ってシンプルに
60分身体を動かすプログラムを作成し、行うこと。
教科書通りでない姿勢であっても
安全面、怪我のないよう柔軟に対応を判断すること。
それらを繰り返すのです。
“In 10 sessions you will feel the difference, in 20 you will see the difference, and in 30 you’ll have a whole new body.”
ここに辿り着くのです
30回、約3ヶ月ならば週に2~3回は通う計算です
ということで、プライベートセッション
もしくはグループクラスを併用すると
その予算は、費やす時間とは。
通う時間が少なければ、気づきの過程は予測より
遅いですし、ライフスタイルの活動に身体は勝てません。
その対価、価値に見合う情報提供、サポートはできているのだろうか
私は常にそこに意識を向けています
相手の時間、コストその全てをこの60分に使ってくれる人の
事を考えたらインストラクターは常に前を向いて
学び続けることが大事なんだと思えます。
ピラティスインストラクターの人
これから目指す人
どんな自分でいたいか
自分の強みと弱み
機会と脅威
まだまだ求められることが変化する時代です
自分の方向性を明確にして、
新しいピラティス時代にチャレンジしていきましょう