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運用者のキャリアを考える│運用歴7年目の僕から新卒の彼女に伝えたい5つのコト

専業代理店で丸4年、総合代理店のグループ会社で約3年。約7年間を代理店の運用担当&メディアプランナーとして歩んできた僕ですが、来年から事業主側へ転職が決まっており、今年度はひとつの節目なように感じています。

このnoteでは、せっかくなので7年間の運用者・メディアプランナーとしての学びを、キャリアの中で出会った『今も胸に残る好きな言葉たち』にのせて、まとめてみたいと思います。

細かいこと全部は書けないので、運用者として歩み始めた、現職のかわいい後輩に伝えたいことをピックアップしてお伝えします。

1. 運用は、クリエイティブから先に考える

CTR・CVRが100%なら運用なんていらんねん

当時の部長

運用担当として、管理画面を見る時間が長くなり、機能やアップデートを追いかける日々が続くと、入札やキーワード、クエリによってパフォーマンスをなんとかしようとしてしまいがちですが、

最強のサービス、最強の広告文、最強のLP、最強のフォームがあって、CTR・CVRが100%だったら、運用なんかいらないんですよ。

まぁ、実際はそんなことありえないので、無理なんですけど、

そのくらいクリエイティブって大事なんだよ。運用=管理画面、キーワード、クエリ、ターゲティングの調整、じゃないんやで

と、入社1ヶ月の僕に、わざわざ時間を取って、マンツーマンで教えてくれた当時の部長に感謝です。この理念のおかげで、管理画面に閉じることなく、今のキャリアを歩むことができたと思います。

更にいうと、今の僕的には、

どのカテゴリ(市場)の、どんな人たち(ユーザー)に、なんて言えば(クリエイティブ)、このサービス・プロダクトが、CTR・CVRが100%になりうるか

の視点で考えるかもしれないですね。

2. この先どうなるかを読んで提案する。そのスキルこそが運用者の”腕”であり”個性”

入札調整とクエリの除外は、運用のうちに入らん

当時の課長

手動入札全盛期(?)だった6〜7年前、

CPAが低かったので、〇〇(キーワード)の入札を上げました

CPAが高いので、全体的に入札を下げました

僕のレポートは、こればっかりでした。で、普通に毎月怒られてました。今ではちゃんと怒ってもらえててよかったなと思います。

入札やクエリ除外は、運用ではなく、やって当然の「保守・管理」

「運用」者として、世の中の動き、検索市場の動きを捉えて、先に手を打て。その提案とスキルが運用者の”腕”であり”個性”。他と差がつくところは、そこしかない。

先のキャリアを見越してなのか、早い段階で”こなす仕事”を叩き切ってくれた当時の課長に感謝。

自動入札が台頭する今、入札屋さんではこの先厳しいことは言うまでもないでしょう。 

3. 見ただけではわからないことこそ、レポートで報告し、議論する価値がある

数字なんて、ただの数字やで

当時の課長

レポートを見て、上がった下がったを語ることは、別に悪くありません。

でも、その数字の動きから何がわかるのか。何が起こったせいで、こんな数字になっているのか。それを読み解く、いわば”解釈”こそが議論すべきことであって、見てわかる報告はいらない。し、お前である意味がない。

これも、運用者の師である当時の課長に、何度も言われていたことでした。

まず管理画面でわかる事実は、広く深く把握する力が絶対に必要。そして、解釈すべき数字を正しく整理する力も、両輪として必要不可欠です。

ロジックツリーを無視した文章(例 CTRが上がったので、CVが増えました)や、辻褄があってない報告(例 競合が増えたため、入札強化をした結果、CPCを下げられました)や、もはやよくわからない感想(例 CVは減りましたが、クリックは増えてるので、問題ないと思います)にも、たくさん出会ってきました。

これじゃ、筋のいい仮説が立つはずがありません。

数字なんてただの数字。だからこそ、さっさと数字の見方を覚え、ちゃんとレポートを書けるようになって、仮説を立て、それについて考察や対策を考える時間を増やすべきです。

注意:ロジックツリーでわかることや、管理画面で確かめればわかることは「解釈」とも「分析」ともいいません。それは、やって当然の”確認”です。

4. 勉強するよりも、社内で誰よりも早く実行して、とにかく早く失敗してみるべし

くぐってきた修羅場の数が、運用者の格を決める

???

もはや誰の言葉だったかわかりませんが、好きな言葉です。似たようなことを漫画で言ってたのを、勝手に僕がすり替えて覚えてるのかもしれません(”格”とかいうあたり、ハガレンもちょっと混ざってそう…)

運用者であっても、メディアプランナーであっても、共通していることは、

自分でやったことのある施策しか、自信を持って提案できない

ってことです。

大学院に行こうが、資格を取ろうが、なにをしようが、百の知識より十の経験。どんな勉強よりも、経験のほうが勝ります(一の経験、はちょっと言い過ぎ)

会社の風土によると思いますが、僕が社内で信頼してもらえたのは、先輩たちの言うことをよく聞いて、真面目に管理画面に向き合ったからではなく、

世間にあふれている事例を勝手にひっぱってきて、社内の制止を振り切って提案し、失敗しながらも、自分で経験を積んで、成長してきたからだと自負しています。

”若気の至り”で許されるうちに、どんどん至っていきましょう。いずれとんでもない修羅場に出会います。事故も必ず起こします。でも、トラブルを乗り越えないで一人前になった人なんていません。

仕事の責任は上司が取ってくれます。積極的に、自分の頭で考えて、試して、経験を積んでいきましょう。

5. 運用と真剣に向き合った先は、広い広いマーケティングの世界につながっている

これは今の僕が思ってることです。

管理画面にしばらく向き合っていると、管理画面たけじゃどうしようもない事態に出会います。それを「営業」や間に入る「コンサル」、「サービス・プロダクトの質」のせいにして終わることもできますが、

運用課題と捉え、視野を広げてみると、検索結果画面にうつる競合の広告文や、検索語句、その先にある検索意図などに目が向きます。

検索そのものに向き合っていると、検索される前に起こっていることの影響の大きさに気が付きます。それが、時にディスプレイ広告かもしれないし、動画広告かもしれない。僕の場合は、ブランディングでした。

ブランディングのことを自分で勉強して、専業で自分なりに色々やった結果、デジタルだけじゃなく、マスやオフラインにも興味が湧いて、それらの広告効果を測定して、最適化できるようになったら、より企業に貢献できるんじゃないかと思い始めます。運用者からデータアナリスト、メディアプランナーへ転職したのも、そういう理由でした。

それから4年後。1年2ヶ月の育休を経て、来年から、スタートアップでBtoB領域のマーケティング担当として、4社目のキャリアをスタートします。

入ってみないとわかりませんが、サービス企画やコンテンツ作成にも携われそうな予感。今思うと、管理画面と向き合うだけじゃ歩めないけど、管理画面と真剣に向き合ったからこそ歩めているキャリアな気がしています。

これから運用者としての一歩を踏み出す後輩ちゃん、そして、若干運用者としてのキャリアに不安を感じ始めた2〜3年目の方々。

そんな皆さんの参考になれば幸いです。


ちなみに、本文とは関係ありませんが「スキ!」を押してもらえると、ランダムで僕が好きな名言が出るようにしてみました。

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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