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AlloyDB for PostgreSQLを試してみた

PSP株式会社の羽田です。
今回はGoogle Cloudの新しいデータベースであるAlloyDB for PostgreSQL(以下 AlloyDB)について書いていこうと思います。AWSの類似サービスであるAuroraとの比較もしてみましたので、AlloyDBの利用を検討されている方の一助になれば幸いです。

AlloyDBの特徴

・優れたパフォーマンス
標準的なPostgreSQLの4倍、Auroraと比較して2倍のスループットを実現

・高可用性
メンテナンス含めて99.99%のSLA(Service Level Agreement)

・リアルタイムのビジネス分析
標準的なPostgreSQLと比較して最大100倍高速な分析クエリを実現

・機械学習による管理
GoogleのAI/ML技術をデータベースへ活用できる。VertexAIでモデルを作成し、AlloyDBのSQLの中から呼び出す。INSERTするデータをリアルタイムで不正検知などが可能。

AlloyDBの構成

AlloyDB_構成

 クラスタという管理単位があり、その中に読み書きを行うプライマリインスタンス、プライマリインスタンスとは別ゾーンに配置されるスタンバイ用のフェイルオーバーレプリカ、読み取りを行うノードをまとめて管理する読み取りプールが配置されています。

AlloyDBとAuroraの性能比較

同じSQLを実行した際のスループットで性能比較を行いました。条件は以下のようにしました。

・対象テーブルのレコード数:327万レコード
・使用ツール:pg_bench(PostgreSQL同梱のベンチマークテスト用ツール)
・実行SQL:条件付きSELECT文

AlloyDB_サーバの性能

スループットは以下のようになりました。

AlloyDB_性能比較

サーバの性能に違いはあるもののAlloyDBの方が優れたパフォーマンスを発揮しています。

AlloyDBとAuroraの料金比較

AlloyDBとAuroraを1ヶ月利用した際の料金についても比較してみました。利用条件は以下とします。

・性能比較で使用したサーバを使用
・1ヶ月は730時間とする
・ストレージは100GB利用
・ネットワークは100GB利用
・I/Oリクエストは1秒間に10回ずつ読み書きする
・サーバの構成はAlloyDBがプライマリインスタンス、フェイルオーバーレプリカ、読み取りプールを1台ずつ、Auroraがプライマリインスタンスとリードレプリカを1台ずつとする
※リードレプリカはプライマリインスタンスで障害が発生した際にフェイルオーバーします。フェイルオーバーレプリカと読み取りプールの両方の機能を含むため、今回は1台としています。

以下、利用料金となります。

AlloyDB_料金比較

サーバやI/Oリクエストによって変わってきますが、基本的にAlloyDBの方が利用料金は安くなるかと思います。大きな違いとしてAlloyDBはI/Oリクエストに料金が発生しないため、I/Oリクエストが多くなる場合はAlloyDBが特におすすめといえます。

まとめ

今回はAlloyDBについてまとめてみました。実際に利用してみて総じて優れたデータベースであると感じました。AlloyDBは現在プレビュー期間で200万円分まで無料で利用可能となっています。ご興味のある方は是非使ってみてください。

今後ともPSPをよろしくお願いいたします。