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においが身体に及ぼす変化を検証してみた件

きっかけ

におい(ここではあえて平仮名で)って凄いですよね

カレーのにおいを嗅げば幼きあの頃に戻れたり、エンジェルハートなる香水を嗅げば、高校の時に好きすぎたあの子を今でも思い出したり...

まあ落ち着いたり興奮したりできる訳ですよ


要は特定の"におい"を嗅ぐと、一瞬で記憶が鮮明に呼び起こされて情景を思い出したり(プルースト効果)、

人によってはフラッシュバックされてトラウマを思い出しかねない事態に繋がる

これって凄い事ですよね?
この記憶を呼び起こし、思い出す行為って走馬灯と同じような危機回避能力でもあるんですかね?知らんけど...


と、前置きが長くなりましたが、とりあえず"におい"が一瞬で効果を及ぼすことに興味を抱いたので、特定の "におい" によって疼痛軽減・関節可動域拡大・筋出力強化を図れないか?

それがわかれば、施術で良い状態を出した時に"特定のにおい"を嗅がせ、その状態を記憶できるかもしれん!と

『痛みが出たらセルフケアとして、それ嗅いでみてね!』

で済む事もあるかもしれない

そう思ったのがきっかけでした



ざっと嗅神経について

・嗅覚を司る嗅神経は第1番目の脳神経

・鼻腔の嗅上皮に分布する嗅細胞の基部から頭蓋腔内の嗅球に向う神経突起であり、直接脳に神経突起を送る点から感覚神経の原始型として注目される

・嗅神経は頭部外傷で損傷を受けやすい

・同じにおいでも濃度を変えるとにおいが変わる仕組みは、数百種類の嗅覚受容体の多様性による
→ 数十万種類のにおいパターンを作る

・鼻腔内の流速がにおい応答感度を制御する

辺りでしょうかね?
細かい解剖学的な話はググれば出ますし、わかりきっていると思われるので割愛



検証してみた

今回用意した検証は以下の通り

エッセンシャルオイル 基本的7種類
(ハーブ系,柑橘系,フローラル系,エキゾチック系,樹脂系,スパイス系,樹木系)

・アロマの会社 A, B, Cの3社
(精油する過程や原材料のオーガニック具合などで違いが出そうな氣がしたので安定的に入手ができる3社をピックアップ, 忖度はない)

・被験者 : 患者さんの中から無作為に選出した老若男女 総勢189名


・評価項目 :
①疼痛軽減 : 疼痛VAS10 → 5以下で効果ありとする
②関節可動域拡大 : Before&Afterで変化あれば効果ありとする(頚,肩,腰,股の関節で一番動きが出ていない箇所を観測基準点と決める)
③筋出力強化 : 被験者の主観で力が入れやすいと感じ、観測者も実感できたならば効果ありとする(立位で前に手を組ませた状態で上から力を加える or 後ろに手を組ませた状態で上から力を加える時のぐらつき具合を確認する)


・検証方法 :
吸引 : 直接3秒間嗅いでもらってから検証
※複雑化が目に見えていたので,痛みの患部に塗布したり, 筋反射テスト的な検証は今回はなし


・検証手順 :
事前に①VAS, ②関節可動域, ③筋出力を確認
(変化なし、効果あり◎、弱化△)

→ 1度嗅覚をリセット(被験者本人に自身のにおいを5~10秒嗅いでもらう)してから, 無作為に選んだ順番でオイル 21個の検証をする

→ ①②③ 各パターンで効果ありのオイルを抽出

→ 一通りにおい検証が終わってからの施術後(60分後)、再び効果がみられたにおいを嗅いでもらう



※参考にした指標
VAS
当日の天気,温度,湿度
心拍数
LF/HF


検証内容(抜粋)

Ex.
2019/03/19 10:00~ 15.7℃
外気1014.6hPa / 湿度36%
1-初回 32歳女性 主訴『L4,5辺りの腰痛、左股関節痛』
②関節可動域→ハーブ系(B社) ③筋出力→柑橘系(A社)
②関節可動域弱化③筋出力弱化→エキゾチック系(A社)


2019/03/19 11:00~ 17.6℃
外気1013.9hPa / 湿度31%
2-初回 48歳女性 主訴『頭痛、頚肩部痛』
変化なし①VAS
②関節可動域③筋出力→エキゾチック系(A社)
②関節可動域弱化→柑橘系(C社) ③筋出力弱化スパイス系(C社)


2019/03/19 12:00~ 16.9℃
外気1013.1hPa / 湿度29%
3-初回 49歳男性 主訴『腰痛、頚肩部の重だるさ』
変化なし①VAS
②関節可動域→ハーブ系(B社) ③筋出力→柑橘系(B社)
②関節可動域弱化③筋出力弱化→エキゾチック系(A社)


2019/03/19 18:00~ 15.4℃
外気1010.2hPa / 湿度52%
4-初回 58歳女性 主訴『左臀部痛、背中の張り』
①VAS②関節可動域③筋出力→フローラル系(A社)
①VAS増大②関節可動域弱化③筋出力弱化→ハーブ系(C社)


2019/03/19 19:00~ 14.2℃
外気1011.0hPa / 湿度57%
5-初回 42歳男性 主訴『右股関節痛、腰痛』
①VAS②関節可動域③筋出力→ハーブ系(B社)
②関節可動域弱化③筋出力弱化→エキゾチック系(C社)

これを毎回やれば、特定の"におい"での効果を脳にインプットできるだろうと仮説して取り組んだが甘かった...


予想に反して検証を見直さないといけなくなった



なぜか

Ex.
2019/04/02 10:00~ 9.6℃
外気1012.1hPa / 湿度35%
1-2回目 32歳女性 主訴『L5,S1辺りの腰痛』
変化なし①VAS
②関節可動域③筋出力→エキゾチック系(A社)
②関節可動域弱化③筋出力弱化→柑橘系(B社)

→ 2週間後、検証を兼ねた施術に伺い、施術前に前回抽出した効果ありだったハーブ系と柑橘系オイルを嗅がせてみたが、VASや関節可動域の変化が見られず


逆に前回の時には嫌がっていて②③の項目で弱化していたエキゾチック系のオイルで可動域拡大と筋出力アップが見られた


このような事象が1つ2つではなく、この後も大多数みられたので、嫌な予感はしていたが各被験者には5回まで検証に付き合って頂きました
※検証にご協力頂いた皆々様!本当にありがとうございました好きです



検証結果を受けて

毎回毎回効果の出方が違う人と、似たような"におい"で増減のパターン化がみえる人とあまりにも検証にバラつきが出るので、そっと検証は終わりを迎えた


ただ全く無駄だった訳ではない事は、声を大にして言いたい!



まとめ

・個人の主観や時期で"におい"も変わり、効果の増減が違う ≒ 特定の”におい”は絞りづらい

・短期間での好き嫌いは、主に湿度により "におい" の好き嫌いがガラっと変わる人が多い → 総数47.6%実感

本人が好きな "におい" は総じて効果が出やすい総数58.7%実感

これが感覚的ではなく、一応数字としてわかっただけでも検証した甲斐があるってもんです


アロマを施術で使われる方!
自信をもって『その人が嗅いだ時に好きだと感じるオイル』を薦めてみてください!!!

ほぼ6割が良い方向に効果が出てます(※ガミ調べ)

MLM系統のオイルも少し検証してみたい氣もするけど、しばし"におい" の検証はいいかなとは思いました


【探求し続ける力が、人を発見者にする】



ここまでお読み頂きありがとうございました

しばし、別件の施術検証も続けます
次回のnoteもお楽しみに‼(°▽°)

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