アリー/スター誕生(2018)
奇跡のような夢と崇高な愛の物語
レディ・ガガだからこそ成しえた、極上のエンターテイメント作
世界の歌姫、レディ・ガガの映画初主演作に選ばれたのは、『スター誕生』(‘76年)のリメイク。歌手を夢見るウェイトレスが、その類いまれなる才能を見い出され、一躍スターダムを駆け上がります。
ガガの圧倒的な歌唱と、情熱的なラブストーリーが心を揺さぶる、極上のエンターテイメント作品です。
レディ・ガガと言えば、かつては奇抜なファッションやエキセントリックなパフォーマンスなど、強烈な個性が悪目立ちしているきらいがありましたが、それは自分に素直に生きている結果だったのでしょう。
ひとたび言葉を発すると、控えめでチャーミングな人柄を感じさせます。クラブのダンサーからスターに上り詰めた努力家でもあります。そんな、ひたむきに生きるガガだからこそ成しえた、渾身のパフォーマンスが見どころです。
ガガは本業の歌唱だけでなく、女優としてもなかなかの技量を見せます。アルコール依存症になり、落ちぶれていくジャクソンを、献身的に支えるアリーを演じ切り、崇高な愛の物語へ昇華させました。
俳優ブラッドリー・クーパーの監督デビュー作としても注目。クローズアップを多用した映像は粗削りですが、ライブの醍醐味や、アリーとジャクソンの心模様といった、エモーショナルな部分を描き出し、映画の世界へと自然に誘ってくれます。
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