「ライフ」or「ワーク」?
就活生の間でワークライフバランスという言葉が流行っている。
自分が就活していた時周りの女子はみんなこれを声高に叫んでいた気がする。
そして就職した今、またその言葉を耳にする。
「プライベートの時間が、、」
そういって会社に愚痴り、辞めていく同年代を見てきた。
今の若者にとって仕事は自分のプライベートな人生とは切り離されているものだ。仕事の自分とプライベートの自分、二つの人生を生きているように感じる。
自分の場合不器用なのでそれが難しい。土日に活発的に遊ぶことは来週仕事をする体力を削ることのように感じてしまう。
たまの休みに人間関係が構築できていない誰かと会うことなどいちばんの苦痛だ。
もちろん私がバリバリの仕事人間というわけではない。ただ単に仕事も休みも同じHPで取り組んでいる不器用で弱い人間というだけだ。
ただ、仕事でビッグチャンスを掴む人間は常に仕事のことが頭の片隅にある人間な気がする。若者がプライベートと呼ぶ時間にも仕事に関するあれこれが流れ込む。
そもそもワークとライフは対立する概念ではなくライフの中にワークが内包されているものだと思う。
仕事をすることを自分の人生と切り離そうとする行為はかえって心理的なストレスを生みかねない。
人間は、特に会社に入りたての若手にとっては仕事とプライベートを器用に切り替えることはかなり難しい行為だと私は考える。
取引先の会社の入社半年の新人がバンド活動を優先すると言って会社を辞めたらしい。
両立が難しいことだと入って気がついたそうだ。
彼の選択はある種正しい。バンドで身を立てるなら普通の器量の人間にとってサラリーマンは辞めるべきだ。
ただ、半年前の自分には問うてみるべきだ。なぜバンドと掛け持ちで会社に入ろうとしたのかを、、
そこには浅はかな安定への憧れが見える。夢のバンドマンに唯一ないといっていい安定した給料だ。
ここで彼が考えるべきなのは仕事は人生を豊かにするツールではないと言うことだ。そんなオプション的なものではなく仕事は人生そのものに直接内包されているものである。
仕事とバンドを天秤にかけるのではなく、同じ皿に乗ったどちらかを下ろしてあげる作業である。
一つの皿に何を乗せるか、何を下ろすか。おろしたものでも、乗せたものものでも人生の軌道は大きく変わる。
どうすべきかは、試行錯誤をするしかないだろう。慎重に、丁寧に。
そこには切り離された二つの人生ではなく、乗せられる重量の決まった一つの人生しかないのだから。
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