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経営者必見!元国税調査官が教える税務調査のほんとうの知識

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全国の税理士に税務調査の正しい対応方法・交渉術を教える元国税調査官の久保憂希也が、中小企業経営者~個人事業主のために伝える税務調査のほんとうの知識
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#法人

個人事業主と法人における経費の違いとは?

事業を個人事業主として行っている場合で、「法人にした方が節税になるの?」という質問・相談が多くあります。 また、不動産投資・運用を行っている場合も同じで、当初は個人名義で不動産を購入していたが、法人を設立して不動産投資・運用をした方がいいのか、という疑問を多くの人がお持ちでしょう。 今回は税務上、個人と法人の「経費の(範囲の)違い」について解説します。 ■原則的な経費の考え方と違い 税務上、確かに個人(事業主)と法人の場合では、下記のとおり、経費がどこまで認められるか、

法人に対する税務調査の最新傾向がこれでわかる!

一般的にはあまり知られていないようですが、毎年国税庁から、税務調査に関する事績(金額などの数値、方向性など)が発表されています。  今回は、直近で公表された内容から、法人に対する税務調査の傾向などを解説しましょう。 ■税務調査の件数は・・・  平成30年12月に国税庁から公表された資料がこれになります。 「平成29事務年度 法人税等の調査事績の概要」  なお、「平成29事務年度」とは、「平成29年7月~平成30年6月」の期間を指しています。  まず、法人に対する税務

何月決算法人が税務調査に有利か?(後半)

前回の「何月決算法人が税務調査に有利か?(前半)」では、法人の決算月による税務調査の時期と、税務署が実施する税務調査の件数との関係について解説しました。 結論は、「6~1月決算の方が税務調査に入られにくい」わけですが、今回はその理由をさらに掘り下げて検証するとともに、「税務調査は春に受けた方が有利」という事実を解説します。 ■何月決算法人が多いのか?まず、日本では何月決算法人が多いのでしょうか? その偏りについて検証してみましょう。 毎年、国税庁から「決算期別の普通法

事業を移管(事業譲渡)したら税務署に見つかるのか?

1つの法人で複数の事業を行っている場合、事業ごとに法人を分ける方が、何かとメリットがあることに気付きます。 ■事業譲渡とは?するメリットは? 〇複数法人に利益を分散した方が法人税などの税金が安くなる 〇1事業1法人の方が経営管理しやすい(売上・利益が把握しやすい) 〇事業ごとに責任を明確にし、評価をしやすい 〇事業を売却する場合、法人ごと売却した方が、税金は低くなるケースが多い さて、ここで2つのまったく別の事業を行っている法人があるとしましょう。 A社(社長1名

税務調査の時期は決算月で決まる

税務調査は秋が最盛期で、年明けから確定申告時期は調査件数が少なく、また春になると急激に増えるというサイクルを毎年繰り返しています。 目次 ■. 税務調査の最盛期 ■. 春の税務調査、秋の税務調査 ■. 時期がズレた調査には要注意 ■税務調査の最盛期では、税務調査の時期はどのようにして決まっているのでしょうか。 法人に対する税務調査は、原則として、国税は下記の基準で税務調査の時期を決めています。 秋(7~12月)の税務調査:2~5月決算法人 春(1~6月)の税務調査

反面調査って何ですか?

税務調査にはいろいろな種類のものがありますが、よくあるのが今回取り上げる「反面調査」です。 そもそも、「反面調査」とは何でしょうか? 反面調査は、税務調査に入った会社・個人事業主の取引先や銀行などに対して、波及的に税務調査に入って、取引実態や金額を正確に把握するために行われるものです。 目次 1. 取引が打ち切りになるケース 1.1. ケース1 1.2. ケース2 2. 反面調査の法律規定 1. 取引が打ち切りになるケース反面調査は、法律でも認められています。しかし