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事業を移管(事業譲渡)したら税務署に見つかるのか?
1つの法人で複数の事業を行っている場合、事業ごとに法人を分ける方が、何かとメリットがあることに気付きます。
■事業譲渡とは?するメリットは?
〇複数法人に利益を分散した方が法人税などの税金が安くなる
〇1事業1法人の方が経営管理しやすい(売上・利益が把握しやすい)
〇事業ごとに責任を明確にし、評価をしやすい
〇事業を売却する場合、法人ごと売却した方が、税金は低くなるケースが多い
さて、ここで2つのまったく別の事業を行っている法人があるとしましょう。
A社(社長1名)の事業内容
①X事業:売上2億円 利益1000万円 従業員20人
②Y事業:売上1億円 利益200万円 従業員10人
ここで、B社を新たに設立して、Y事業を従業員ごと移管することを考えます。
社長の立場で考えると、A社もB社も同じ自分の会社ですから、2つの事業を2つの会社にしただけ、という認識に間違いはありません。
ただ、現実はそう簡単にはいきません。
なぜなら、A社はB社に事業を移管したのですから、その対価(お金)をB社から受け取らなければならないからです。
これを法律上で「事業譲渡」といいます。
■事業譲渡の問題点
事業譲渡をするときの問題点は、
〇事業譲渡の対価が適正でなければならない
(第三者であれば出したであろう金額設定)
〇A社がB社から受け取るお金には法人税などがかかります
〇A社がB社から受け取るお金には消費税もかかります
〇B社が支払う実際のお金を用意しなければなりません
など、多数考えられます。
そこで、頭の良い人は考えるわけです。
■事業譲渡はバレない?
「A社とB社で事業譲渡をやっても、そんなお金を払わなければいい。
だって、税務署はそんなことわからないから」
はい、確かに税務署からすれば、B社が新たに設立された法人で、その事業を最初からやっているのか、もしくは他から事業を移管されたのかは、外形的にはわかりません。
しかし・・・です。
この事業譲渡が税務署にバレてしまう可能性は、こよなく高いと言えます。
なぜなら、税務調査に入られる確率が高いからです。
新たに設立された法人で、初年度から「売上1億円 利益200万円 従業員10人」というのは、なかなかありません。
非常にうまくいっている会社です。
しかも、法人が設立されて2年間(正確には2期)は、資本金が1000万円以上など、特殊な理由がない限り、消費税が課されませんので、税務署も目をつけやすいのです。
だからこそ、初年度から売上などの規模がある法人には、かなり高い確率で税務調査に入られることになります。
税務調査に入られてしまうと、実態を知られることになりますので、「実質的に事業譲渡なので」ということで、多額の追徴税額が課されることになります。
このように、事業譲渡がバレないだろうという理由で、対価を払わずに事業を移管するケースが多いのですが・・・
すでに説明したとおり、税務署にはほぼバレることになります。
また、これが悪質だと認定されれば、重加算税も課されてしまうことも想定できます。
「税務署にはバレないだろう」は危険な発想ですから、注意してください。
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