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中小企業経営者が知るべき”勝てる“経営・マーケティング知識

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中小企業が勝つための経営・マーケティングの知識・ノウハウをお届けします。
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2021年2月の記事一覧

【いつ値引きすべきか?】プライシング(値決め・価格決定)のマーケティング

「値決めは経営である」 これは、京セラ創業者でJAL再興の立役者でもある稲盛和夫さんのあまりにも有名な言葉です。 同じ商品・サービスを売るのであれば、もちろん高い方が利益がでることを頭では理解しながらも、値上げをすれば売れなくなるのが怖い、と思うのは当然でしょう。 だからといって、安ければ販売数は増えるかもしれませんが、いったん安売りした商品・サービスをまた定価・適正価格に戻すことも難しいわけです。 ここでは、マーケティング的に考えたプライシング(値決め・価格決定)とい

差別化ってどう考えて実践すべき?

KACHIELの久保憂希也です。 前回の記事では、「競合他社と同じことをすれば利益はでないから、差別化こそが利益・収益力の源泉」であることを解説しました。 「差別化」と言葉にするのは簡単ですし、誰しもが競合他社に真似されないビジネスモデルを構築したいわけですが、さて何を・どうするか?を考えるとかなり難しくなります。 弊社の顧客である税理士・会計事務所業界では、昔から差別化の基本形として「業種特化」と「業務特化」が言われ続けています。 ●差別化の方法①「業種特化」とは?

少しの努力で売上・利益アップになる【アップセル】を解説してみた(後半)

さて、ここまではアップセルを行うための商品・サービス設計について詳しく解説してきましたが、ここからはアップセルを実践するための手法を取り上げていきましょう。 ■絶対に実践すべき!購入時のアップセル まず、アップセルを行うタイミングを大きく2つに分けて理解してください。 ①申込・購入時に上位商品・プランを勧める これはすぐに実践することができるアップセルの方法です。 居酒屋で、顧客の予約申込みが「飲み放題付3,300円」であった場合、来店時に 「このプランだと発泡酒な

【差別化】こそが収益力の源泉

KACHIELの久保憂希也です。 前回の記事では、「DXとはデジタル化によって差別化し競争力をつける」ことだと解説しました。 今回はその【差別化】を掘り下げてみましょう。 経営学の分野である「競争戦略」を勉強したことがある方はよく理解していると思うのですが、そもそも会社の収益力・(長期的な)利益は、競合他社との差別化からしか生まれません。 弊社が約10年前に、税理士事務所向けのセミナー・DVD販売を開始した当初は、どんなセミナーでも集客が容易にできて、率直に言って簡単に

少しの努力で売上・利益アップになる【アップセル】を解説してみた(前半)

弊社ではPush型の営業行為を一切行わず、Pull型のマーケティングだけを実践しています。 一般的にはマーケティングだけで売上を上げていこうとすると、売上に対する広告宣伝費の割合で10~20%投下する会社も多いわけですが、弊社の広告宣伝費は売上に対して1.8%(2020年12月決算期の実績)です。 我々は、士業と呼ばれる専門家(主には税理士・会計事務所)に対して情報提供等を行うという非常にニッチで、ターゲットゾーンが狭いビジネス形態であることから、広告宣伝費を多額に投下す

【DX】って何を・どうすればいいの?指針となる考え方

前回の記事では、最近ビッグワードになっているDX(化)は、単純なデジタル化やネットへのシフトとはまったく違うということをお伝えしました。 では「何を・どうすればいいの?」と感じた方も多いと思いますので、身近にあるケースを取り上げてみましょう。 私が会食などで利用する、ある有名中華料理店なのですが、コロナ禍のなかでテーブル上のメニューをなくしました。 その代わり、机の上にQRコードを大きく表示しています。 そのQRコードを読み取れば、スマホなどでメニューが見れるというもので

流行りの【DX】は何が間違っているのか?

KACHIELの久保憂希也です。 2~3年前からビッグワードになってきた「DX」(「デジタルトランスフォーメーション」の呼称)。 コロナショックにより、在宅勤務へのシフト・巣ごもり需要の増加から、DX(化)なるものがさらにメディアで取り上げられるようになりました。 私も昨年くらいから、いわゆるDX関連の書籍をまとめて読んだりしていますが、メディア記事も含めて、そのほとんどはDXではなく、単なる「デジタル化」の話のような気がします。 ●在宅勤務:社内のデータ化・クラウド

簡単に売上・利益アップになる【クロスセル】を解説してみた(後半)

■クロスセルで超重要ポイント(超細かい) さて、「簡単に売上・利益アップになる【クロスセル】を解説してみた(前半)」ではクロスセルを実践するうえでの考え方や概要を書いてきましたが、ここでは弊社が実践している、クロスセルの効果を上げる手法を公開します。 弊社が自動で行っているクロスセルで、最も効果が高いのは申込確認メール(自動返信)です。 申込直後に表示しているサンキューページは一般的にも実施されており、顧客がすでに慣れてしまっていることから、「そんなページでは買わないよ

顧客をリスト化する~経営危機がきても売上を安定させる方法~

KACHIELの久保憂希也です。 コロナ禍のなかで、売上が急激に下がったという、苦しい状況の経営者の方も多いかと思います。 ただ、苦境だからこそビジネスを根本的に見直すという機会でもあります。 景気・業況が良いと、自然と「売上はあるもの」だと思って経営をするので、一気に悪くなったときに全く対応ができないのも事実です。 今回は「顧客をリスト化する」重要性について考えてみたいと思います。 東京で緊急事態宣言が出された翌日、私の携帯電話にショートメールが入りました。 以前