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禁煙治療失敗への対応:継続 or 増量

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Cinciripini, Paul M., Charles E. Green, Sanjay Shete, Jennifer A. Minnix, Jason D. Robinson, Yong Cui, Seokhun Kim, ほか. 「Smoking Cessation After Initial Treatment Failure With Varenicline or Nicotine Replacement: A Randomized Clinical Trial」. JAMA 331, no. 20 (2024年5月28日): 1722. https://doi.org/10.1001/jama.2024.4183.

Key Points

質問: 喫煙中止の初期治療が失敗した後の最良の治療戦略は何ですか?

発見: バレニクリン(varenicline)またはニコチン置換療法(combination nicotine replacement therapy)を受けていた参加者が6週間後に禁煙できなかった場合、薬を継続する、投与量を増やす、または薬を変更するように再ランダム化され、さらに6週間治療を行いました。投与量の増加は、最初にバレニクリンを服用していた人に最も大きな利益をもたらし、ニコチン置換療法を受けていた人は、投与量の増加とバレニクリンへの変更のどちらからも同様の利益を得ましたが、副次的な禁煙指標は投与量の増加が長期的な利益をもたらす可能性があることを示唆しています。

意味: この研究は、最初の禁煙試みが失敗した後の最良の救済戦略について、臨床医にガイダンスを提供します。


Abstract

抄録

【重要性】
ほとんどの喫煙者は最初の禁煙試みで成功しません。
【目的】
バレニクリン(varenicline)または複合ニコチン置換療法(CNRT)による初期治療後の非禁煙者に対する最良の次の戦略を決定すること。
【デザイン、設定、および参加者】
二重盲検、プラセボ対照、逐次多重割り付けランダム化試験を使用して、490人のボランティアが6週間のバレニクリンまたはCNRTを受けるようにランダム化されました。6週間後、禁煙できなかった参加者は、薬物療法を継続する、変更する、または投与量を増やすように再ランダム化され、さらに6週間治療を行いました。研究は2015年6月から2019年10月までテキサスのたばこ治療クリニックで実施されました。
【介入】
初期治療は2 mg/日のバレニクリンまたは21 mgのパッチと2 mgのトローチの複合置換療法でした。再ランダム化された参加者は、初期療法を継続する、バレニクリンとCNRTを切り替える、またはバレニクリンを3 mg以上または42 mgのパッチとトローチに投与量を増やす、のいずれかを行いました。全員が毎週の短いカウンセリングを受けました。
【主なアウトカムと測定】
治療終了時の12週目における生化学的に確認された7日間の禁煙率。
【結果】
490人のランダム化された参加者(女性210人[43%]、非ヒスパニック系白人287人[58%]、平均年齢48.1歳)は平均して1日20本のたばこを吸っていました。第1フェーズの後、CNRT群の54人が禁煙に成功し治療を継続しました。禁煙できなかった191人のうち151人が再ランダム化され、再ランダム化に戻らなかった40人は第2フェーズで初期のCNRT条件を継続するように割り当てられました。
第1フェーズの非禁煙者191人の治療終了時の禁煙率は、投与量を維持した90人(47%)で8%(95%信用区間[CrI], 6%〜10%)、投与量を増やした50人(33%)で14%(CrI, 10%〜18%)、バレニクリンに切り替えた51人(34%)で14%(95% CrI, 10%〜18%)であり、いずれの戦略も初期投与量の継続よりも99%以上の確率で利益をもたらしました。
第1フェーズの後、バレニクリン群の88人が禁煙に成功し治療を継続しました。
禁煙できなかった157人のうち122人が再ランダム化され、再ランダム化に戻らなかった35人はバレニクリン条件を継続するように割り当てられました。

第1フェーズの非禁煙者157人の治療終了時の禁煙率は、
バレニクリンの投与量を増やした39人(32%)で20%(95% CrI, 16%〜26%)
CNRTに切り替えた41人(34%)で0%(95% CrI, 0〜0)
バレニクリンを継続した77人(49%)で3%(95% CrI, 1%〜4%)であり、バレニクリンを初期投与量で継続することが投与量を増やすよりも悪い結果である確率は99%以上でした。
さらに、バレニクリンの投与量を増やすことは18%(95% CrI, 13%〜24%)の絶対リスク差(RD)を持ち、99%以上の確率で利益をもたらしました。
6ヶ月の継続禁煙の副次的アウトカムは、CNRTとバレニクリンの投与量を増やすことのみが初期治療の投与量の継続よりも利益をもたらすことを示しました。
【結論と意義】
バレニクリンによる治療後に禁煙できなかった人にとって、投与量を増やすことは継続よりも禁煙を促進し、CNRTで初期治療を受けた非禁煙者にとっては、投与量を増やすことまたはバレニクリンに切り替えることが禁煙を促進し、実行可能な救済戦略となり得ることを示しています。
【試験登録】
ClinicalTrials.gov Identifier: NCT02271919
Trial Registration ClinicalTrials.gov Identifier: NCT02271919


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