抗ウイルス治療が新規発症T1Dに有効

ウイルス、特にいくつかのエンテロウイルスは、β細胞を傷害したり自己免疫を誘導したりすることにより、1型糖尿病の発症や進行に関係している。今回、新たに発症した1型糖尿病の小児において、プレコナリルとリバビリンの併用による抗ウイルス治療が、膵β細胞に残存するインスリン産生能を保護する可能性があることが、第2相試験の結果から示唆された。
この研究には、登録後3週間以内に糖尿病と診断された96人が参加した。26週間の抗ウイルス療法を受けた小児は、プラセボを受けた小児に比べて、インスリン産生の指標であるC-ペプチド値が高かった。有害事象の発生率は群間で同程度であり、重篤と分類されたものはなかった。
しかし、抗ウイルス療法は12ヵ月までC-ペプチド値に有意差を認めなかったことから、「持続性の低悪性度ウイルス感染症に対する抗ウイルス療法の効果を実感するには長い時間がかかる可能性がある」と研究者らは『Nature Medicine』に書いている。

解説:JAMA. Published online October 25, 2023. doi:10.1001/jama.2023.20633


Krogvold, Lars, Ida Maria Mynarek, Erica Ponzi, Freja Barrett Mørk, Trine Witzner Hessel, Trine Roald, Nina Lindblom, ほか. 「Pleconaril and Ribavirin in New-Onset Type 1 Diabetes: A Phase 2 Randomized Trial」. Nature Medicine, 2023年10月4日. https://doi.org/10.1038/s41591-023-02576-1 .

これまでの研究で、新たに1型糖尿病(T1D)と診断された患者の膵島における低悪性度のエンテロウイルス感染が示されている。 第2相、プラセボ対照、無作為化、並行群間、二重盲検試験であるDiViD(Diabetes Virus Detection)介入試験において、新たにT1Dと診断された小児および青年(6~15歳)96人は、β細胞機能の維持を目的として、プレコナリルおよびリバビリン(n=47)またはプラセボ(n=49)による抗ウイルス治療を6ヵ月間受けた。主要エンドポイントは、混合線形モデルを用いて、治療開始(診断後3週間未満)から12ヵ月後の平均刺激Cペプチド曲線下面積(AUC)とした。このモデルでは、ベースライン時、3ヵ月後、6ヵ月後、1年後の対数変換した血清C-ペプチドAUCを縦断的に使用した。主要エンドポイントは達成され、12ヵ月後の血清C-ペプチドAUCはプラセボ群と比較してプレコナリルおよびリバビリン治療群で高かった(線形混合モデルにおける平均限界効果=0.057; 95%信頼区間=0.004-0.11, P = 0.037)。治療の忍容性は良好であった。この結果は、抗ウイルス治療が新規発症T1Dの小児および青年において残存インスリン産生を維持する可能性を示している。このことは、T1Dの予防と治療における抗ウイルス戦略をさらに評価する根拠となる。

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European Union Drug Regulating Authorities Clinical Trials identifier: 2015-003350-41.




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