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東京都の帰国子女入試の厳格化

あまり知られていないことなのですが、現在の(2023年入試)の帰国子女入試は帰国子女ではなくても受験することが可能な学校が一定数あります。

帰国子女枠入試は通常2月1日の解禁日より前に実施されます。

帰国子女入試を利用すると、一般受験の場合よりも受験機会が増えるというメリットがあります。



帰国子女ではないのに、帰国子女入試を受ける児童とはどういうことなのか。

主に二つのパターンがあります。



一つ目は小学校をインターナショナルスクールで過ごし、インターナショナルスクールを卒業する予定の児童。



インターナショナルスクールの小学校を卒業した場合、小学校を卒業していないので、公立の中学校の入学を認められないことがあります。各自治体により対応は異なるようです。

一方、私立中学はその判断は各学校に任されています。


小学校時代を国内でありながら海外で過ごしたのと同等と扱い帰国子女として取り扱うことが多いようです。




次のパターンが、一定の英語力があることを条件に帰国子女として受験することを許可することです。

極端な事例で言うと、渋谷教育学園幕張中学です。(千葉県ですが・・・)


この学校の帰国子女入試の受験条件は「受検する3月に小学校卒業の学齢に達していること」だけです。

何らかの事情で1年間修学年限が足りなくても受験できます。

合格できるのであれば、インターに通っていなくても大丈夫です。

入試科目は英語一科目。求められる英語力は英検1級以上。



大学受験も含めて見たことのある英語の入試問題としては最も難しいものの一つだと思っています。



それでなくても、英検準2級以上を持っていると帰国子女入試を受験できる学校がいくつもあります。






帰国子女入試は本来、海外駐在をする駐在員の子女は、入試の対策が十分にできないことが多いので、便宜を図ってください、という文部省からの要請で始まったものだと理解しています。


帰国子女を多く受け入れているうちに学校側はあることに気が付いてきたのです。



学校側はどのような生徒が欲しいのでしょう。


建前上はいろいろな国の文化を知っている生徒がいることで学校内に多様性を持たせることができるので受け入れをしているということでしょう。



でも、実際は帰国子女の多くは一般入試で入学する生徒よりも英語力が高く、結果として大学受験で良い結果を出していったのです。




英語力がある生徒を効率よく集めるためには、帰国子女入試はうってつけだったのです。



時代が流れ、近年では帰国子女でなくても小学校時代に英検2級程度を取得する子も増えてきました。

学校とすれば、帰国子女同様に英語力がある一般生はほしいわけです。


なので、一般入試よりも前に合格を出して囲い込みができる帰国子女入試でも一般性が受験できるように変わってきたのです。





入試で英語を取り入れている学校は首都圏では150校を超えています。

一般入試の英語受験と帰国子女の一般生受験とでカオスな状態が生まれつつありました。



そこで、東京都私立中高協会は1年以上3年以内(海外在住1年以上・帰国後3年以内)というルールを明確に決めたのです。



かなり、レアなケースの入試についてですが、英語入試につながる変化の一歩になるように思っています。

6月29日追記
帰国子女入試の厳格化は東京都の私立中学だけの話のようです。
神奈川県は厳格化の予定は無いことを私立中高協会会長が明言しています。

https://note.com/protutor/n/n562bda231b5e

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