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ミュージカルビジネス好循環アイディア

こんにちは。オリジナルミュージカル制作にゼロから挑むユッキーナです。今回の記事では、いま私が思い描いているミュージカルビジネスの好循環アイディアのうちのひとつをご紹介しようと思います!

まずはこちらのグラフをご覧ください。

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今回紹介するアイディアを思いついたきっかけは、このグラフでした。これは、ステージエンタテイメントの公演数をジャンルごとにまとめたグラフです。ミュージカルは毎年8,000公演前後で横ばいに推移しています。この様子から、大型劇場の数は限られているし、毎年公演数を増やしていくということが物理的にも難しいことがわかります(チケット収入で得られる収益がの上限が目に見えているということ)。

しかし、このグラフの特徴はミュージカルの公演数に対して、演劇の公演数が圧倒的に多いことです。2018年の演劇公演数は約32,000公演。ざっとミュージカルの4倍です。それは演劇に携わる方々の活動が活発だということ。うらやましい。なぜ演劇はこんなに公演数が多いのでしょうか。

その理由の候補として私が思いついたのは、

・演劇は脚本があれば公演できるから

です。ここでは脚本の良し悪しは別とします。脚本さえあれば…。脚本さえ作ることができれば…!

ストレートの演劇に詳しいわけではないので私のイメージですが、演劇をされる方々は、よく少人数でのオリジナル作品の公演を実施されている印象があります。3人から5、6人が集まって、みんなで作品を創り上げて、劇場を借りてチケットをさばく。そういう団体が全国にとても多いから、公演数がこんなに多いのではないかと考えました。

ではひるがえって、ミュージカルはというと。そういう小規模団体はごくごくわずかと言えます。その理由は、ミュージカルには脚本と「音楽」が必要だからなのではないでしょうか。

まず、日本ではミュージカル音楽をつくれる人材が育っていないと思います。脚本と本当の意味でマリアージュした音楽をつくるのには、ミュージカル音楽への知識と、高い技術を要します。だからこそ、オリジナルでミュージカルをつくるのがとても難しい。

つくれないならば、どこかから借りてこようと思っても人気作品は権利でガチガチだし、そもそも3人~5、6人の小規模でできるミュージカル自体がとても少ない。ミュージカルというとどうしても大人数になってしまって、それだけの人数を束ねて自主公演をしようと思うと、それはもはや劇団の領域です。そこで私が考えたのが少人数オリジナルミュージカルの台本と音楽提供です。

しかし一方で、ストレートの役者さんたちからよく聞く悩みもあります。

・集客、チケットノルマが厳しい

集客のために知り合いを呼びすぎて友達がいなくなったなんて話も多々。つまり、オリジナル公演の新規観客の獲得がとても難しいということ。もしオリジナルミュージカルの台本と音楽を提供されたって、集客できない、、という役者たちも多い可能性があります。それに対しても対策を打たなくてはなりません。


以上をふまえた上で、私が描いたミュージカルの好循環ビジネスモデルの全体像が以下となります。

ちょっとごちゃごちゃしていますが順番に見ていきます。まずは左ルート、緑の文字で書かれたルートから説明します。

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はじめに私たちProtopiaが少人数の用のオリジナルコンテンツを制作し発表します。Protopiaでは、原作・脚本・音楽を自主制作しているので労力はかかるものの、制作費は実質0円です。制作費がかかっていないので、焦ってコストを回収する必要がありません。したがって①良心的なロイヤリティで作品を提供することができます。

そうすれば、役者たちが少人数で自由にミュージカルの自主公演を実施することができます。自分たちでやる公演ですから認知度や集客力に関わらず、活躍の場を作ることができます。プリンシパルに挑戦する機会が少ない役者たちも、②主演で活躍ができ、ご自身の演技力や存在感を十分にアピールすることができるはずです。

それによって、これまでその役者の魅力に気づいていなかった人たちの中から新しいファンが生まれるかもしれません。Protopiaが作品提供する条件には「告知や本番で上演した作品がProtopiaより提供された作品であり、観劇者もまたこの仕組みを利用できることを明言すること」という条件があるので、そこで③Protopiaの認知が上がり、また私たちProtopiaの作品を使って自主公演をしてくれる役者たちが増えていく。そういう理想図が左ルートです。


次に右ルート、青い文字で書かれたルートです。

はじまりは同じです。私たちProtopiaが作ったコンテンツなので、権利に縛られることなくProtopiaはこの作品をA.自由に広告・プロモーションできます。

すると新たな観客たちに作品を認知させることができます。作品の内容に興味をもって劇場に足を運ぶわけですから、これまでとは異なり見てみないと良し悪しがわからないというリスクを減らすことができ、B.安心して観劇することができます。

作品の認知がそれなりに広がるまでは認知拡大のプロモーションという位置づけでProtopiaでも公演を実施していくつもりですが、タイミングをみてそれはやめようと思っています。

つまり、作品の広告・プロモーションはProtopiaが実施するが、それを回収する受け皿は「役者たちが自由に実施する自主ミュージカル公演」としていきたいと考えています。そういう風になれば、作品の認知度の高さから新規観客が流入する。新規観客の集客の負担がへっていけば、役者たちの負担も減っていく。

それに新規観客が増えれば、私たちProtopiaもやっと③制作費が得られる。制作費は実質0円ですが、実際は0円ではありません。私たちも生活費が必要です。でもこの循環がうまくいけば、また実質0円で新しい作品を生み出すことができます。そういう理想図が右ルートです。

まぁ、そうは上手くいかないかもしれませんが、まずは理想の絵を書いてみる。それから、利益を出していくことがビジネスだと思っている方もいらっしゃるやもしれませんが、ビジネスは回していくものだと認識してトライする。この二つがとても重要です。


しかしながら、もしかすると気がついた人もいるかもしれませんが、この循環図には大きな大前提が必要です(汗 

それは、

・Protopiaが作り出したオリジナルコンテンツが面白くなければ成り立たない

ということです。面白くなければ、役者たちだって自ら演じようと思わないだろうし、いくら広告したって新規観客は獲得できません。

さらに、私たちも初めて作るミュージカルですから面白い作品であるという保証はできません(笑)。だけど、初めはみんな初心者なわけで、初めから傑作がかける人は少なく、なにごとも発表し続けるしかないので、とにかく頑張ろう!と思っていますが、そういう問題への解決策も実は用意しています。

・ノンレプリカで提供

Protopiaが提供する作品は、公演する役者たちが台本や音楽を自由にリメイクしてもよいとしています。

観劇した後「あの場面って、ああなってた方がよかったよね」とか「この場面でこの曲じゃないよね」とか、なんでもいいんですけど、ちょっと、あるいは大幅に、構成や演出が違ったら「より良かったのに!」と感想を持つことはありませんか?

Protopiaが提供する作品では、それを感想で終わらさせずに、実際にご自身の公演で実施してもらえます。

そうやって、いろんな人が作品に手を入れていくことで、作品が育っていくし、私たちも勉強になって提供する作品をブラッシュアップしていくことができます。そんな感じで、このモデルの「作品が面白くなくては成り立たない」という大きな欠点をみんなで埋めていけたらと考えています。

私のプロフィールに書いている「バンドやろうぜ!って感じで、ミュージカル作ろうぜ!ってなる社会」の、初めの一歩がわたしの描いた好循環モデルにあると思っています。

バンドやるときって、バンドメンバーを揃えて、まず既存楽曲のカバーからはじめますよね。カバーで練習しているうちに、演奏スキルを身につけて、自分たちのオリジナリティを理解していって、アレンジしたりしはじめる。それである程度できるようになったら、オリジナル楽曲を制作したい、俺、できる!ってなる。

ミュージカルだって同じだと思うんです。でも今はなかなか、カバーすらできない。そのカバーできる曲を提供すること=少人数オリジナルミュージカルコンテンツの提供だと私は考えています。そのうちにカバーできる作品がどんどんと増えていけば、ミュージカルは日本の文化として定着していくと思うのです。そう定着していってほしい理由はまた次回の記事で書こうと思います!

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さて、いかがでしたか?

ミュージカルのすごいところは、なんといっても内容を知っていても、気に入れば何回でも毎日でも見れるところ!だと思います。

作品自体の新規ファンが増えれば、ほかの役者さんたちが公演している作品も見たいと思うだろうし、いろんな公演を見るうちに、ライブエンタテイメントの醍醐味である「演出や役者が変われば作品自体が変わってしまう」という面白さに気づいてくれるだろうし、そこでお気に入りの役者さんを見つけて誰かのファンになってくれるかもしれない。

そしたら役者たちの収入にもつながるし、それは結果的に私たち製作者の収入にもつながる。そういう好循環の渦をどんどん大きくしてはいけないだろうか思うのです。

このモデルではまだ、役者たちは自主公演のチケット収入に頼る必要があります。だけど、チケットでまかなえばいいのは会場費と自分たちのギャラだけ。制作・運営会社がチケット収入から回収しようとしている費用とは幅も額も違うので、リスクもだいぶ低いと思っています。まずはミュージカル俳優たちが自立してお金を稼げるようになることが「ギャラが少ない」という不満から解消される大きな一歩だと考えています!


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