見出し画像

要約 藤原和博「どう生きる?』ー人生戦略としての「場所取り」の教科書

藤原和博氏は、元リクルートで新規事業担当。東京都はつの義務教育の民間校長を務め、「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」などの著書を持つ。私の定年後の生き方に大きな影響を与えてくれた人です。特に「キャリアの大三角形」理論が私の現在の仕事の拠り所です。

藤原和博氏の最新作「どう生きる?ー人生戦略としての「場所取り」の教科書」を読みました。正直、これまでの著作の内容が観点を変えて語られていると思いました。

私が自分の覚えとしてハイライトした内容は以下です。

第1章 自分の人生を生きられない国・日本


・「自分の人生の主人公」になりたいなら、日本社会の特殊性を見極め、その枠組みから少し距離を置くこと。そのためには制度、慣習、組織、それを守っている大半の人々の同調圧力からもがれ、距離をとるための知恵を手にきれなければならない

・日本では、ほとんどの人が、社会システムから求められているものに応え、組織・制度が作ったルールに則り、「自動的に」生きている。やるべきことは自動運転モードの解除。新しい時代に求められているのは、「正解」ではなく「納得解」を導く力。納得解を導き出す力を「情報編集力」と呼ぶ。時代が求めているのは、ジグソーパズル型からレゴ型への移行。

会社、仕事、スキルやキャリアについて、大きく意識を変えていく必要がある。キーワードは「希少性」。AIロボットの普及が進むと、働く人は「コモディティ会社員」と「レアカード仕事人」と分かれる。コモディティ会社員とは、誰でもできるマニュアルワークを行う会社員・アルバイト従業員。レアカード仕事人は代わりがいない、かけがえのない仕事をしている。「レアカード仕事人=希少性を持つ人」

問われるべきは時間あたりの付加価値であり、時間あたりの仕事の生産性を上げること。中央付近に位置するのが普通の会社員や公務員で、時給「3000〜5000円。このゾーンが最もAIロボットに置き換わる可能性が高い。

仕事の値段は、需要と供給のバランスできまる。意識すべきは「希少性」。自らをレアカード化するにはどうすればいいのかを考える必要がある。

事業のライフサイクルが短くなり、自分の仕事寿命の方が長い。こうなると「頼れるのは自分の能力しかない」。それに対応するには組織内「自営業者」という意識を持つこと。プロフェショナルとして高い付加価値を出し、その対価をもらっているという感覚を持つことが大切。

そのためには、会社が蓄積した資産を使い倒し、自分の学びに繋げる。会社をビジネススクールと考えて、自分の能力を徹底的に磨く。社内にいながらも社外に目を向け、いつでもどこでも通用するスキルを鍛え上げる必要がある。能力を着実に身につけて会社に貢献する。

もう一つ意識することは「プロ」になること。プロとは、「自分がマスターしたスキルで結果を出し、稼げる人」のこと。プロになれる十分条件が「1万時間以上の練習量」。会社で一つの仕事に6年間携われば、その仕事についてはマスターレベルに達している。すでに8〜10年経験しているスキルがあれば、それは1万時間の練習量を超えて、すでにプロの領域に入っている。ならば、もう一つのプロレベルのスキルを1万時間の練習で手に入れよう。

日々忙しいなか、1万時間を生み出すには、「逃げる」「避ける」「断る」「減らす」「やめる」を推奨。なんとなく続けてきたことを半分やめるだけで自分の時間が生まれる。それを自分だけのコアを見つける時間にする。

第2章 勝てそうな場所を探して、陣地を作る

一つ目のキーワードは「エネルギー」。エレルギーがもらえるとこりに身を置く。エネルギーをもらえる仕事は、可能ならば、好きなことを仕事にすること。信用が蓄積できる仕事もエネルギーをもらえる。

与えられた仕事を自分で工夫して、自分ライクに、自分のイニシアティブで、自分の仕事にしてします。絶対にやってはいけないことは、イヤイヤ仕事をすること。

SSK(接待、査定、会議)で身を滅ぼしてはいけない。組織の法則から個人が抜け出す技術は「創造的無能」の演出。

2つ目のキーワードは「意識の転換」
組織の中で、ただの会社人間、組織人としてふるまうのではなく、会社内「個人」、組織内「個人」に目覚める。自営業者の意識で、自らの課題解決を行う仕事人になる。

キャリアの希少性を高めれば、会社と取引ができるようになり、自分の仕事の値段を自分で決められるようになる。情報を生み出せる、希少なポジショニングを取ることが重要。

3つ目のキーワードは「遊び場」。仲間と一緒に遊べる場所、仲間が面白がってくれる場所を探す。無謀なことをやろうとすればするほど人は応援してくれる。

4つ目のキーワードは「環境」。環境と経験だけが人を変える。思い切って逃げてみるのも悪くない。

5つ目のキーワードは「キャリアの大三角形」。3つのキャリア/スキルを掛け算すれば、100の1x100分の1x100分の1=100万分の1の希少性が実現する。オリンピックのメダリスト級のレアさ。

第3章 私は、こうやって「場所取り」をしてきた

(割愛)

第4章 人間の器を大きくするには

人生のエネルギーカーブが上昇する前には、必ず谷がある。入射角の角度が急であればあるほど、反射角の角度も急になる。思い切り沈んだ後は、思い切り跳ね返ってリターンが得られる。

人生はクレジットゲーム。クレジットとは信用、他者からの信任の総量。谷があるからこそ、深いからこそ、山が輝いて見えるし、感動を呼ぶ。谷は資産になる。

信用される人の10ヵ条
①挨拶ができる ②約束を守る ③古いものを大事に使う ④人の話が聴ける ⑤筋が通っている ⑥さきを読んで行動する ⑦他人の身になって考える ⑧気持ちや感和えを表現できる ⑨潔さがある ➓感謝と畏れの感覚がある

「キャリアの大三角形」の面積を大きくするだけでは、信用は大きくならない。立体化した三角錐を大きくすることが信用を大きくし、人生のポテンシャルをより大きなものにしてくれる。三角錐を作る時に大事なことは「どこで儲け、どこに投資するか」

人間の器を大きくする取り組みは、60歳を過ぎても続く。それが、人生を充実させる。おすすめは、若いチャレンジに投資すること。

「キャリアの大三角形」の面積を大きくするだけでなく、高さも必要。そこで生きてくるのが「情報編集力」。情報編集力の高い人の特徴は、①「遊び心」があって、イマジネーションが豊か ②「戦略性」がある

第5章 運を味方につけるには?

運を引き寄せる人は運が回ってくるのをじっと待つのではなく、積極的に行動しているからこそ運が巡ってくる。まずやってみて、どんどん修正していく「修正主義」が必要。

相手に喜んでもらおうとする人には幸運が訪れる。失敗、挫折、病気など人生の「谷」やマイナスモードの話は他者の共感を呼び、運も呼び込む。抽象的なものを具体的なものに喩えるメタファー力、比喩力はリーダーに必要な言語能力。

運の良い人は、運の良い人と繋がっている。運の良い人が集まる場所に身を置こう。

第6章 50歳からの「定年のない生き方」

45歳から55歳までに組織に頼るモードを変換しないと人生後半のイニシアティブは取れない。目指すのは「定年のない生き方」。今持っているスキルの中で組織の外で通用する力、マーケットバリューのあるスキルは何かを考え、それをビジネス化しよう。その際に重要になるのが希少性。

「定年のない生き方」で大事なことは、現在所属している組織の外でお金を稼ぐこと。まずは個人事業主を目指そう。

人生は特殊なマラソン。ピストルがならないから先に出た方が目立つ。最初の日尾tに社会全体のエネルギーが集まりやすい。先行して行動することが大事。第1号は常にオイシイ

50代以降に必要なリストラは、時間とお金。時間にゆとりがある人は「時間を買う」ことを遠慮なくしている。

お金の使い方にその人の人生が表れる。
「人との絆を結ぶ物語にだけ、お金を使う」3つの方法
①プロを買う ②アバターを買う ③コミュニティを買う

自分の中の「狂気」を育てよう
「定年のない生き方」をするためには戦略的に考えることが必要。
考慮すべきは、「希少性」。それに思い切ったサプライズを掛け算に加えると周囲からエネルギーが集まる。次の条件を意識:
・社会的なニーズがあること
・共通の目的があること

第7章 60歳からの「本当の」お金の話


収支のマネジメント
⑴赤字をなくす、小さくする
⑵60歳までに収入を生み出す資産を作る
・不動産、配当が見込める株式など
⑶予期せぬ出費をあらかじめ想定する
⑷自分の教育費を増やす
・人生が90年、100年となったら、学び続ける人生でないと、60歳からしりつぼみ
⑸外注(委託)を増やす
⑹リバースモーゲージを活用する

60歳以降も働き続けられる環境にしておくこと。そのことを意識しながら、早めに「場所取り」をしておく。何も考えないまま、漠然と自動運転で過ごしていたら、60歳もしくは65歳で、いきなり会社から放り出される。

マーケットバリューのあるスキルを1万時間かけて磨き続けながら、「希少性」ある人材になる。そして、「希少性」が武器になる豊かな人生を生きましょう。「場所取り」は現役生活だけでなく、人生の後半にも大きなインパクトをもたらす。

https://amzn.asia/d/08zF6n3c









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?