見出し画像

#4 老後の資金いくら必要?

こんにちは、不動産コンサルタントのShimadaです。


今回はみんな気になる老後のお金についての話題です。


・老後にいくら必要なんて分からない
・老後のことなんて分からないから考えたくない
・まだまだ先のことだし関係ない


こんな風に思ってる方、多いのではないでしょうか。

しかし年齢を重ねるごとにリアルになってくるこの老後資金問題。
目を背けたくなる気持ちは分かりますが、これも若いうちから取り組むことにより将来に大きな結果を生んできます。



事の発端は金融庁の報告書

「老後2,000万円問題」
昨年ニュースを騒がせたこのキーワード、皆さんも耳にしたことがありますよね。

始まりは金融庁から提出されたある報告書でした。

報告書


この報告書は日本の高齢化の現状整理からこの先の見通しや金融資産の保有状況、無職高齢夫婦の平均的な月々の収入と支出等がデータでまとめられています。

中身をざっくりとまとめると、

・日本はこれから高齢化社会になり寿命も年々伸びています。
・年金だけでは既に足りていないので老後に向けてその不足分2,000万円、月額にして5万円程を保有する金融資産から捻出するか資産を必要があります。
・若いうちからお金の知識をつけて資産形成や投資をはじめてください。国NISAやiDeCoの制度を作って応援します。

こんな感じ。

国会やマスコミではこの報告書の2,000万円が不足になるという部分がフォーカスされ、大きな波紋を呼びました。
実はこの2,000万円以外にも色々なデータが記載されているのでぜひ一度目を通すことをおすすめします。

リンク下記からどうぞ。


個人的に注目したデータ
・統計的に現在60歳以上の4人に1人は95歳まで生きる。
 ⇒長寿化は医療の進化に伴い、これからも伸びていくことが予想される。

・大学、大学院卒の平均退職金額は1997年の平均額3,203万円が最高で、2017年は1,997万円と約60%の大幅ダウン、年々減少傾向。
 ⇒退職金制度がある企業は全体の80%程。
  企業規模が小さくなるほど退職金制度がある企業の割合は少なくなっていく。


このデータだけでも老後資金がすでに危機の状況にあるのが分かります。
大手企業に勤めていても老後の保証はなく、自分自身で行動を起こさなければいけない、という状況です。


なぜ老後には2,000万円が必要なの?

昨年ニュースで取り上げられた2,000万円とはなんの数字なのでしょうか。
金融庁の報告書にある下記のデータをご覧ください。

年金

これは夫65歳、妻60歳の無職世帯。
夫は定年退職まで勤め上げ妻は専業主婦、といったご夫婦でしょうか。
つまり夫は基礎年金プラス会社の厚生年金を受給、妻は基礎年金を受給しているといった構図です。

このご夫婦の年金を含めた収入は毎月209,198円。
それに対して税金等と含めた支出の合計は263,717円。
毎月54,519円が不足しています。

老後の人生が20~30年となる高齢社会で毎月55,000円程の不足が出るとなると
55,000円×12ヵ月=66万円
66万円が1年あたりの不足額となります。

66万円×20年=1,320万円
66万円×30年=1,980万円
このロジックで老後1,300万円~2,000万円が不足になる、と報告書に記載があります。

そこでマスコミではこの部分を注目して「老後2,000万円問題」と取り上げた、という経緯です。


還暦を迎える方々のリアルな貯金額は?

既に還暦を迎えた方々の平均の貯金金額は2,956万円というデータがある。
意外とあるじゃん!老後も安心!と思った方多いかもしれません。
こちらのデータをご覧ください。

画像2


実はこの2,956万円という平均額は一部の裕福層が押し上げているだけになっており、1億円以上の貯金を保有しているのが8%、その一方で2,000万円未満が67.3%という構図になっている。
さらに一番のボリュームゾーンの約25%は100万円以下と、4人に1人が100万円以下の貯金状況であるということが判明。

金融庁の報告書老後2,000万円をボーダーとするならば全体の32.9%の人しかクリアをしていません。

なかなか恐ろしい結果ですよね。
貯金額が100万円以下の層も1年で4%も増えています。


今やるべきことは?

さて色々な数字をご覧いただきましたが、どう感じましたか?
自分は90過ぎまで生きないし関係ないや~と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし考え方は年々変わっていくもの。
いざ自分が高齢になったときには「もっと生きたい。長生きしたい」と思っているかもしれません。

この2,000万円の不足についても各々のライフスタイルによって変わっていくものであり、一概に当てはまるものではありません。
現役時代の生活水準は老後も基本続くものと思ってください。
そう、人が生活水準を落とすのは簡単なことではないんです。
人によっては毎月5.5万円の不足分が7万円とか10万円になる人もいる、ということなんです。

やはり豊かな老後を過ごすにはお金が多いに越したことはない、ということですね。

この老後資金を自分は捻出出来るのか今一度考えることをお勧めします。

・ご自身の今後の給料の推移
・もらえる退職金のシミュレーション

この辺りはしっかりと把握していきましょう。

老後資金を形成していくのは貯金ももちろん手段ですが、投資商品を上手く使って効率よく資産形成をするのがおすすめです。

iDeCoのような個人型確定拠出年金はメリットも大きく、自分のペースで積立てられるので上手く活用するといいでしょう。
何歳から毎月どれだけのお金を受け取りたい、という自身の希望から毎月積み立てる金額を逆算してみましょう。

確定拠出年金制度は会社としても導入している企業が多くなっているので、会社として老後資金問題に取り組んでいるか否かというのは今後会社のステータスポイントになってくるかもしれませんね。

今普通預金の金利はまったくあてになりません。
一回の引き出しの手数料で利息がマイナスになるぐらいですので、普通預金にお金を預けて資産形成するよりかは、そのお金を投資に回していくことが大事です。

「投資」と聞くと難しそうな、人によってはマイナスなイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、ローリスクなものもたくさんあります。

まずは一歩踏み出す勇気を!

老後資金問題はこれから先ずっとついて回る問題ですので、早めに余裕のあるうちから取り組み、将来に差をつけていきましょう!


コロナ禍がもたらした働き方改革の年金への影響

最後に本日(6/11付)の日経新聞に興味深い記事がありましたので内容をご紹介します。

今回のコロナ禍による緊急事態宣言は外出の自粛を促し、多くの会社が在宅ワークを推奨してきました。
この緊急事態宣言後も引き続き在宅ワークといった働き方を継続していく会社も多くあります。

例えば、大手企業の日立製作所は社員33,000人の7割を週2~3日を在宅勤務に、NTTもグループ会社で在宅勤務50%以上を掲げており、このコロナ禍は働き方改革を急激に加速させたとも言えます。

この在宅ワークが拡大していくとどんなことが起こるのかというと、通勤手当を実費精算に切り替えていく企業が多くなってくることに繋がります。
たしかに企業としては在宅の割合が多くなれば定期代支給は無駄になる可能性が高いですもんね。

定期代が支給されず実費精算となるとどうなるのか?
社員に支払われる交通費等の諸手当は社会保険料を算出する報酬月額に含まれている。
これは労働の対価として支払われる賃金の一部と位置付けられているため。
交通費が抑えられれば報酬月額も減り、社会保険料が下がる可能性もある。
制度設計上では交通費が減ると将来の年金の受給額が減少する可能性もありうるということになる。

年金受給額は等級が設定されており、例えば報酬月額が「31万円以上33万円未満」から「29万円以上31万円未満」へと等級が1つ下がった場合、退職までその後30年間同じ条件が続くと仮定すれば年金受給額は年額で約4万円少なくなる計算となる。

では定期代が実費精算へと変わる「損益分岐点」とはどんなポイントになるでしょう。
「定期代<実費精算」となる在宅日数がどのくらいになるかで変わってきます。

記事では大手町⇔中央林間の定期を例に挙げております。
この区間の6ヵ月分の定期代は108,380円、通常の往復運賃は1,068円。
1ヵ月あたりの定期代…108,380円÷6ヵ月=18,063円
18,063÷1,068=16.9
つまり会社への出社が16日以下だと実費精算の方が安くなるということになる。
「出社16日以下が損益分岐点になる」ということですね。

在宅ワークがもたらす思わぬ年金への影響ですよね。

企業によっては交通費を実費精算にする代わりに光熱費等を手当てにする動きもありますので、もし自分の勤めている会社が該当するかも!という方は一度ご確認してみてくださいね。



ではまた次回もよろしくお願いします😋


✨LINE公式アカウント始めました✨
不動産に関する情報提供、無料セミナー情報、勉強会情報配信していますのでぜひご登録お願いします👍

QRコード


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?