金とカカオとエルニーニョ
おはようございます。
株式や投資信託の投資とはまた違いますが、コモディティ市場というものがあります。これは商品先物取引というもので、原油やガソリンなどのエネルギー、金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシや大豆などの穀物などの先物取引に投資することを指します。素人が手を出すと大火傷をするという話がありますが、原油先物などでコロナ禍当時には予想外の下落が起こり、大損害を出した話などをツイッターで読んだことがありました。これはFXと同じように少額の投資で多くの商品を売買する「レバレッジ」が大きくできるため、損失を出したときに巨大なものになりやすい、という特性があるからだということです。
より安全なものとしてはそれを運用する商品ファンドを売買するという手がありましたが、今では「商品指数に償還価額が連動する債券などに投資する投資信託」もあるということで、より手を出しやすい形も出てきているようです。
(こちらのサイトを参考にさせていただきました。)
このnoteでは、というよりも私はこうした分野には手を出したことがない(今から考えると若い時に金を買っておけば良かったとは思います。当時は1g2000円以下でしたから、5倍以上にはなっています。)ので知識として参考にしたいということなのですが、私が最近関心あることの一つとして「アフリカ」という存在があり、西アフリカのガーナやコートジボアールでの異常気象を直接の原因として、カカオ市場が高騰しているという話を読んだので、それについて覚書的に書いてみようと思ったわけです。
エルニーニョ現象が昨年から続いていて、ただ最盛期は過ぎたようなのですが、80%の確率で春のうちには終わる、との予想が気象庁から出されています。
しかしこれが大雨をもたらし、カカオの木の病気も懸念されていて、市場は半ばパニック状態になっていて、昨年末から比べると2倍以上に、また3月だけで1.5倍と急速に値上がりしているということです。
ただ現在の状況が単に気象の影響とだけは言い難い、構造的な問題もあることを指摘されている方もいます。
https://twitter.com/kous37/status/1773110690133201204
ガーナやコートジボアールではイギリスやフランスの植民地下でカカオ栽培が行われてきたわけですが、その影響が残っているのか現在でも価格は買い叩かれていたようです。
カカオが儲からない産業になってしまったために適切な投資が行われないようになり、農園は傷んできていたわけですね。元々これらの農園では児童労働や森林破壊などの問題も内包していたたわけですが、適切な投資がないためにそうした問題もなかなか解決には向かっていなかったようです。
もう一つは、ガーナは古代から続く金の産地であったということ。古代からの金鉱山はどこにあったのかはいろいろと今でも研究がなされているようですが、国名の由来となったガーナ王国の後継国家・マリ帝国のマンサ・ムーサという王がメッカ巡礼の際にあまりに巨額の金を消費したために金の価格が下がった、ということが言われるくらい、この西アフリカは金の産地であるわけです(全ての国がそうだというわけではないですが)。
現代のガーナは南アフリカと世界首位を争う金の生産国になっているわけで、上にあげたツイートの続きを読むと、金価格が高騰している今は儲からないカカオ農園よりも金鉱脈を探ることに魅力を感じている人が多くなった、という間接的な理由もあるということでした。
アフリカという地域はこのように金やカカオ豆など商品取引の上では非常に重要な存在になっているわけですが、いろいろな意味で先進国から公正に扱われていない面があり、その歪みがこうした現象になって現れているということだろうと思います。
アフリカ文明というものは我々の考える「文明」とは実際には大きく異なっている面があり、勉強しているととても面白いのですが、日本はまだ馴染みが少ないために情報が入ってきにくいということもあり、こうした機会に少しでも調べてみるといいのではと思う面がありました。
大きな意味での投資に関連した話ということで、ガーナのカカオの問題を取り上げてみました。
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