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笑顔の糸口

最初は、ゲームの時間を30分とか1時間ね、って言っていました。
宿題とかやることやった後で、ご飯とかお風呂、寝る時間とかに差し支えないように、って。
 
でも、段々”なんとなく”こちらが口で言っただけのルールは破られる日が多くなってきました。
バトルロイヤルゲームをし出したら、1マッチにかかる時間や友達としてるから、なんて口実でずるずると時間が延びて。
これではいけない、と父・母・長男の3人でルールを作ることにしました。
2時間以上連続で遊ばない。
ヘッドホンはしない。
夜は21:30が上限。
などです。
2時間以上しない、というのは視力や脳の影響を危惧してということもありますが、なにより長男の様子を見ていてその方がいいと感じました。
はじめは、穏やかに遊んでるんですが、1時間もするとイライラしやすくなってくるんです。さらに30分も経つと明らかに”いつもの”長男ではない状態になっちゃうんですよね……。興奮状態、ってやつなんだと思います。
あああ、良くない。
できるなら今すぐ止めさせたいと思ってました。
ていうか、そんなに怒って嫌な思いをするのになんで毎日するんだろうと
疑問でした。
私も、ゲームは別に嫌いじゃないです。
若い時はFFや三国無双とかハマってやってたこともありました。
でも、こんなじゃなかった。
子どもだから余計なんでしょうけども、感情むき出しになっちゃう感じに
ある種の怖ささえ感じました。

気づけば、長男のわからないところが増えていました。
なんでそんな不機嫌なの?
普通に話しかけてるのに、そんな鬱陶しそうな表情しないでよ。
どうして学校に行きたくないの?
なんか嫌なことがあるならきかせてほしいのに。
困ったことがあるなら手伝うのに。

会話は、彼にとって必要なことだけに絞られるようになっていきました。
今まで当たり前にあると思っていた信頼関係が、急に薄れていく。
これではいけない。
いろんな本やネットの情報から、子どもの興味のあることを親もやってみるといいということを知りました。

そこで、試しにやってみました。
オンライン・バトルロイヤルゲーム。
といっても、ソロで数マッチしただけなんですけどね。
いやあ、難しい~!
もともとシューティングとかやってなかったというのもありますが、視点を自分で操作したりたくさんある武器を持ち換えたり。建築なんて結局一つもできませんでした。
開始から1カ月足らずであんなに縦横無尽にゲーム内で動ける長男、単純にすごいなと思いました。
もちろん夢中になってやってる、というのはありますが子どもの好きなものに対する吸収力には驚きました。
これを学習やほかのことにも活用してくれれば、と何度思ったことか……。
ともあれ、夜に主人に教わりながらなんとかビクロイしました。
やったー。
悔しいけど、ちょっと嬉しくなりました。
なるほどー、達成感あるなあと。
たくさん宝箱開けたり、レベルが上がったり、小さな報酬がゲーム内にはたくさん用意されていて……でもビクロイはやっぱりそれほど簡単ではなく。
なんというか、ハマるように上手に作ってあるなあと判りました。
スキンも週替わりで新しいものが出てきたり、季節のイベントごとに何か限定の報酬があったり。
次々と新しいアイテムで飽きさせないようにしています。
こりゃあ、子どもたちがやりたがるはずだー。
脳の報酬系をすごく刺激する仕組みになってます。

「お母さん、昨日ビクロイしたんだー」
翌朝、そう長男に声かけたら、びっくりしてました。
しばらくは信じられない様子でしたが、ビクロイに至った経緯とかを話して聞かせると、そのしょぼさにどうやら本当らしいと分かったらしく(苦笑)
でも、
「え、すげえ」
と笑顔を見せてくれました。

なんだか、とっても久しぶりで。
ああ、今この子はゲームが好きなんだなあと理解できました。
私自身も最低限の内容や用語がわかったので、長男が話すようになってくれたゲームの話にもついていけるようになりました。

なので、試しにゲームをしてみてよかったです。
もちろん、そこから私がゲームにはまる……なんてことはありませんでしたが、長男に歩み寄りたいんだ、という気持ちは少しは伝わったのかなあと思います。



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